RAG MusicWorld Music
素敵な世界の音楽

【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲

すでに海外では大きなムーブメントとなっている音楽ジャンル、その名も「SYNTHWAVE」をご存じですか?

80年代のレトロなシンセサイザー・サウンドや映画にドラマといったカルチャー全般から影響を受け、アートワークも含めてノスタルジックかつレトロフューチャーな雰囲気の世界観を作り上げているジャンルなのですね。

宅録系のアーティストたちがネットを中心に発表していたという経緯があり、ローファイヒップホップ辺りと同じくネット発の音楽として世界的な注目を集めています。

そこで今回は、まだ日本ではあまり知られていない「シンセウェイヴ」の世界を彩る名曲を一挙ご紹介します!

夜のドライブのBGMとしても、ぜひお楽しみください。

【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲(1〜10)

A Race Against TimePYLOT

[Indie Dance] – PYLOT – A Race Against Time [Monstercat Release]
A Race Against TimePYLOT

シンセウェイヴは決してアナログ・シンセだけが使用されているわけではなく、ギター・サウンドをフィーチャーしている楽曲も多く存在しています。

80年代の映画『処刑ライダー』の主人公のようなヘルメットを装着したアーティスト・ビジュアルで、正体不明で経歴も謎に包まれているPYLOTは、2015年にデビュー・シングルをリリースした音楽プロデューサーです。

本稿で取り上げている『A Race Against Time』は4枚目となるシングル曲で、レトロな80年代シンセ・サウンドをベースとしながらも、なかなかラウドなバッキング・ギターが良いアクセントとなっている名曲です。

あくまで主軸はシンセ・サウンドであり、ここでのギターはサウンドをより分厚いものとするため、くらいの雰囲気で導入されているバランス感覚がポイントですね。

静と動をうまく演出した楽曲展開も、ドラマチックで実にカッコいい。

もちろんロマンティックなメロディ・ラインも随所に盛り込まれていますよ。

余談ですが、PYLOTの正体はRundfunkという名義でも活動していたエレクトロ系のミュージシャンであるTim Butlerさん、とのことです。

Turbo KillerCarpenter Brut

これまたすごい、というかとんでもないアーティスト名ですね……その正体は、フランスはポアティエ出身のシンセウェイヴ系アーティストであるFranck Huesoさんのステージネームです。

電子音楽家でありながらもメタルやロックの要素が強く、ライブではメタル・バンドのミュージシャンを従えてパフォーマンスするほどです。

マニアックな知識で言えば、フランスのカルト的な人気を誇るブラックメタル・バンドのDeathspell Omegaでもともとプロデューサーを務めていた、という経歴も驚きですね。

そんなCarpenter Brutさんが2015年に発表した『Turbo Killer』は、ハードなギターと電子音楽との融合が特徴的な楽曲で、YouTube上では1,000万回をこえる再生数を誇る人気の1曲です。

80年代のホラー映画のサウンドトラックを思わせる世界観と、2000年代のフレンチ・エレクトロの系譜にあるサウンドを継承したような雰囲気がかっこいいですね!

なお、2012年からリリースされていたEPシリーズの第三弾『EP III』にも収録されており、2017年には『TRILOGY』として3作品をまとめたアルバムが発売されています。

1982 Space ProgramWaveshaper

シンセウェイヴというジャンルは、アーティストやユニット名、楽曲のタイトルの時点で80年代愛をさらけ出しているパターンが多いように感じますが、ここで取り上げている『1982 Space Program』はまさに直球といった雰囲気ですね。

WaveshaperはTom Anderssonさんというスウェーデンの電子音楽家によるアーティスト名義で、80年代カルチャーはもちろんクラフトワークやダフト・パンク、ジャン・ミッシェル・ジャールさんといった偉大な電子音楽家から影響を受けているのだそう。

シンセウェイヴ界における神様の1人、ジョン・カーペンター監督が自らナレーションを務めたシンセウェイヴのドキュメンタリー映画『The Rise of the Synths』にも出演していますね。

そんなWaveshaperによる『1982 Space Program』は2015年に発表された楽曲で、同年リリースのアルバム『Exploration 84』にも収録されています。

王道のシンセウェイヴといった趣で、レトロなシンセ・サウンドはビジュアル・イメージも相まってどこかスペーシーな空気感を持ち合わせ、ダンス・ミュージック的でもあり映画のスコアのようでもある、といった質感が印象的ですね。

【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲(11〜20)

BrokendateCom Truise

トム・クルーズさんの名前をもじったステージネームに何とも言えない脱力感を覚えますが、徹底的にシンセ・サウンドにこだわった音作りでエレクトロニック・ミュージック界隈で注目を集めているのがアメリカ出身のCom Truiseさんです。

ダフト・パンクが手掛けたサウンドトラック『Tron: Legacy』のリミックス盤『Tron: Legacy Reconfigured』に参加しており、そこで名前を知ったという方もいらっしゃるのでは?

2011年にリリースしたフル・アルバム『Galactic Melt』は、80年代的でノスタルジックなシンセ・サウンドを軸としながらも、エレクトロニカやシンセ・ファンクなどさまざまなジャンルを内包し、自由奔放に飛び交う電子音楽がレトロで楽しい逸品。

「Boads Of Canadaが80年代にタイムスリップしたような」などと形容されている、という時点で普通じゃないですよね。

本稿で紹介している楽曲『Brokendate』は、そんな個性的なアルバム収録曲の中でもひときわノスタルジー度が高めで、アナログ・シンセサイザーを使った遊び心を感じる電子音の中に潜む切ないメロディが印象的な人気曲です。

A.H.B.S U R V I V E

S U R V I V E – “A.H.B.” (Official Track)
A.H.B.S U R V I V E

タイトな電子ドラムによるミッド・テンポのリズムとリヴァーヴのかかった音響効果、レトロなアナログ・シンセの響きがまさにシンセウェイヴの魂をこれでもかと表現した楽曲!

アメリカはテキサスで2010年に結成されたS U R V I V Eは、往年のホラー映画のスコアなどから影響を受けたシンセウェイヴを鳴らす4人組の電子音楽バンドです。

初期はチルウェイヴやGlo-fiと呼ばれたムーブメントの中で注目を集めていたようですが、2016年にはNetflix放送SFホラードラマ・シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のサントラを手掛けたことで一躍有名となりました。

それでいて、どこかカルト的な雰囲気を残しながら自身の音楽性を追求する彼らが2016年に発表した楽曲『A.H.B.』は、同年にリリースされたアルバム『RR7349』のオープニングを飾るナンバーです。

80年代のホラーやSF映画がお好きな方であれば、シンセ・ベースの音1つ取ってもあの時代の空気感を現代に復活させたような特異な音楽性に気付かれるのではないでしょうか。

ジョン・カーペンターさんやタンジェリン・ドリーム、ヴァンゲリスさんといったシンセウェイヴというジャンルにおいて最も重要なレジェンドたちのサウンドをノスタルジックに再現しているのではなく、あくまで現代的に昇華している、というのが見事ですよね。

GloriaThe Midnight

なんというか、ユニット名の「The Midnight」がシンセウェイヴの世界観をそのまま体現しているかのようです。

2012年に活動を開始した彼らは、アメリカはアトランタを拠点とするTyler Lyleさんとロサンゼルスを拠点に活動するTim McEwanさんのデュオで、映画『ドライヴ』のサウンドトラックなどからインスパイアされて結成されたのだとか。

今やシンセウェイヴというジャンルの中でも特に高い人気を誇る彼らのサウンドは、シンセポップやニューウェーブへの憧憬はもちろん、AORやシティポップ的な要素も兼ね備え、シンセウェイヴに興味がある方はもちろん、より多くの音楽ファンへアピールできるポテンシャルを秘めた楽曲が特徴的です。

今回紹介している『Gloria』は、2014年に発表された楽曲で彼らのキャリアの中では初期の名曲と言えるナンバー。

同年にリリースされたEP作品『Days of Thunder』にも収録されており、疾走するシンセ・サウンドと覚えやすいサビが文句なしの80年代ノスタルジアを演出する最高の楽曲です!

あの名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のフッテージを使ったMVもハマりすぎで、実際に映画のどこかのシーンで使われていたのではないかと錯覚させるほど。

シンセウェイヴはビジュアル・イメージが重要なジャンルですから、ぜひMVも合わせてチェックしましょう!

NightdriveVHS Dreams

ともあれ、まずはアーティスト名と楽曲を確認してください。

「VHS Dreams」で楽曲が『Nightdrive』……これがシンセウェイヴの楽曲でなかったらどうなんだ、というくらいの主張に感動さえ覚えてしまいます。

ギリシャ生まれでイギリスを拠点とするGeorge DervenagasさんによるVHS Dreamsは、初期はVaporwave的なスタイルを指向していたようですが、本稿で紹介している『Nightdrive』も収録されている2015年のアルバム『Trans Am』から、シンセウェイヴとされる音世界へと接近した経緯があるのですね。

ややチープなリズム・マシーンのドラムとループするシンセ・ベースがトラックを先導し、キラキラした上モノのメロディはいかにもシンセウェイヴらしい哀愁を感じさせます。

とはいえ、あからさまにキャッチーというわけではなく、さりげないポップさといったバランス感覚が印象的で、ほんのりダークな雰囲気を作り上げているのが良いですね。

ただ単に明るいだけではない、80年代のまた違った側面を現代的な形で表現した楽曲と言えそうです。