【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲
すでに海外では大きなムーブメントとなっている音楽ジャンル、その名も「SYNTHWAVE」をご存じですか?
80年代のレトロなシンセサイザー・サウンドや映画にドラマといったカルチャー全般から影響を受け、アートワークも含めてノスタルジックかつレトロフューチャーな雰囲気の世界観を作り上げているジャンルなのですね。
宅録系のアーティストたちがネットを中心に発表していたという経緯があり、ローファイヒップホップ辺りと同じくネット発の音楽として世界的な注目を集めています。
そこで今回は、まだ日本ではあまり知られていない「シンセウェイヴ」の世界を彩る名曲を一挙ご紹介します!
夜のドライブのBGMとしても、ぜひお楽しみください。
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【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲(1〜10)
Tech NoirGUNSHIP

00年代以降のUKロック~ポップがお好きな方であれば、バステッドという人気バンドをご存じでしょう。
そのバステッドのメンバーであるチャーリー・シンプソンさんによる別バンド、ファイトスターに在籍しているボーカリストとベーシストが新たに始めたプロジェクトのGunshipは、まさに80年代レトロ一直線のシンセウェイヴ・サウンドを鳴らしているユニットです。
グランジやオルタナティブ・ロックに影響を受け、いかにも00年代的なポスト・ハードコア~スクリーモを鳴らしていたファイトスターを知っている方は驚いてしまうかもしれませんが、このような音楽センスを持ったメンバーもいたのか……とむしろ感心してしまいます。
2015年に発表された『Tech Noir』は、そんな彼らが同年にリリースしたセルフタイトルのデビュー・アルバムに収録された楽曲です。
YouTube上では900万回以上も再生された人気曲で、こだわりの80年代的なキーワード満載の映像も楽しいメロディアスでノスタルジックな名曲なのですね。
エレクトロ系の音に抵抗のある方でも、すんなり入り込めるメロディの素晴らしさが際立っております。
もはや前身のバンドや経歴などを知らない層にも高い評価を得ている彼らの音世界を、ぜひこの機会に味わってみてください!
1982 Space ProgramWaveshaper

シンセウェイヴというジャンルは、アーティストやユニット名、楽曲のタイトルの時点で80年代愛をさらけ出しているパターンが多いように感じますが、ここで取り上げている『1982 Space Program』はまさに直球といった雰囲気ですね。
WaveshaperはTom Anderssonさんというスウェーデンの電子音楽家によるアーティスト名義で、80年代カルチャーはもちろんクラフトワークやダフト・パンク、ジャン・ミッシェル・ジャールさんといった偉大な電子音楽家から影響を受けているのだそう。
シンセウェイヴ界における神様の1人、ジョン・カーペンター監督が自らナレーションを務めたシンセウェイヴのドキュメンタリー映画『The Rise of the Synths』にも出演していますね。
そんなWaveshaperによる『1982 Space Program』は2015年に発表された楽曲で、同年リリースのアルバム『Exploration 84』にも収録されています。
王道のシンセウェイヴといった趣で、レトロなシンセ・サウンドはビジュアル・イメージも相まってどこかスペーシーな空気感を持ち合わせ、ダンス・ミュージック的でもあり映画のスコアのようでもある、といった質感が印象的ですね。
A.H.B.S U R V I V E

タイトな電子ドラムによるミッド・テンポのリズムとリヴァーヴのかかった音響効果、レトロなアナログ・シンセの響きがまさにシンセウェイヴの魂をこれでもかと表現した楽曲!
アメリカはテキサスで2010年に結成されたS U R V I V Eは、往年のホラー映画のスコアなどから影響を受けたシンセウェイヴを鳴らす4人組の電子音楽バンドです。
初期はチルウェイヴやGlo-fiと呼ばれたムーブメントの中で注目を集めていたようですが、2016年にはNetflix放送SFホラードラマ・シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のサントラを手掛けたことで一躍有名となりました。
それでいて、どこかカルト的な雰囲気を残しながら自身の音楽性を追求する彼らが2016年に発表した楽曲『A.H.B.』は、同年にリリースされたアルバム『RR7349』のオープニングを飾るナンバーです。
80年代のホラーやSF映画がお好きな方であれば、シンセ・ベースの音1つ取ってもあの時代の空気感を現代に復活させたような特異な音楽性に気付かれるのではないでしょうか。
ジョン・カーペンターさんやタンジェリン・ドリーム、ヴァンゲリスさんといったシンセウェイヴというジャンルにおいて最も重要なレジェンドたちのサウンドをノスタルジックに再現しているのではなく、あくまで現代的に昇華している、というのが見事ですよね。
【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲(11〜20)
BrokendateCom Truise

トム・クルーズさんの名前をもじったステージネームに何とも言えない脱力感を覚えますが、徹底的にシンセ・サウンドにこだわった音作りでエレクトロニック・ミュージック界隈で注目を集めているのがアメリカ出身のCom Truiseさんです。
ダフト・パンクが手掛けたサウンドトラック『Tron: Legacy』のリミックス盤『Tron: Legacy Reconfigured』に参加しており、そこで名前を知ったという方もいらっしゃるのでは?
2011年にリリースしたフル・アルバム『Galactic Melt』は、80年代的でノスタルジックなシンセ・サウンドを軸としながらも、エレクトロニカやシンセ・ファンクなどさまざまなジャンルを内包し、自由奔放に飛び交う電子音楽がレトロで楽しい逸品。
「Boads Of Canadaが80年代にタイムスリップしたような」などと形容されている、という時点で普通じゃないですよね。
本稿で紹介している楽曲『Brokendate』は、そんな個性的なアルバム収録曲の中でもひときわノスタルジー度が高めで、アナログ・シンセサイザーを使った遊び心を感じる電子音の中に潜む切ないメロディが印象的な人気曲です。
Scarlet Speedster (feat. Rhea Raj)Wayfloe

EDMを通過した現代的な重めのビートと、80年代リスペクトの浮遊するレトロなシンセ音、アンニュイな女性ボーカルのメロディ……こういった要素を目にするだけで興味を覚えてしまう方、こちらの『Scarlet Speedster』をぜひ聴いてください!
スタイリッシュなアーティスト写真が実にクールなWayfloeは、シンセウェイヴ界では若手と言えるカナダ人とフランス人による音楽デュオです。
2019年にはデビュー・アルバム『NeonWest』をリリースしており、本稿で紹介している『Scarlet Speedster』も収録されています。
Rhea Rajさんという女性シンガーを迎えたこちらの楽曲は、冒頭で述べたようにシンセウェイヴらしさが詰まった名曲であり、歌モノではありますが歌が主張しすぎることはなく、トラックが持つ世界観と一体化しているようなバランス感覚が印象的ですね。
アルバム全体的にも、インストゥルメンタル曲とシンガーを迎えた楽曲、どちらもそういった雰囲気を持った音世界というのがWayfloeの特徴と言えましょう。
シンセウェイヴはもちろん、歌モノのEDMやエレクトロニカが好きな方もいけるはず!
In The Face Of EvilMagic Sword

Magic Swordというバンド名だけ見れば、エピックなメタル・バンドかと勘違いされる方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカはアイダホ出身のシンセウェイヴ・トリオです。
とはいえその印象はあながち間違いというわけではなく、シンセウェイヴにおける基本の80年代テーマの中では、ファンタジーRPGや映画を思わせるシンフォニックな要素を持ち合わせ、ドリーミーでポップなシンセウェイヴとはまた違った形のサウンドを提示しているグループなのですね。
今回紹介している『In The Face Of Evil』は2015年にリリースされた楽曲で、2017年に公開された映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のオフィシャル・トレイラーにも起用されましたから、Magic Swordの名前は知らずとも曲だけは聴いたことがある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
シリアスでヘビーなシンセ・サウンドを軸としながらも、途中から導入されるシンプルながらも高らかに響き渡るギターのロング・トーンの音色は、それこそファンタジーをテーマとしたメタルと共通するエピックな要素と言えましょう。
GloriaThe Midnight

なんというか、ユニット名の「The Midnight」がシンセウェイヴの世界観をそのまま体現しているかのようです。
2012年に活動を開始した彼らは、アメリカはアトランタを拠点とするTyler Lyleさんとロサンゼルスを拠点に活動するTim McEwanさんのデュオで、映画『ドライヴ』のサウンドトラックなどからインスパイアされて結成されたのだとか。
今やシンセウェイヴというジャンルの中でも特に高い人気を誇る彼らのサウンドは、シンセポップやニューウェーブへの憧憬はもちろん、AORやシティポップ的な要素も兼ね備え、シンセウェイヴに興味がある方はもちろん、より多くの音楽ファンへアピールできるポテンシャルを秘めた楽曲が特徴的です。
今回紹介している『Gloria』は、2014年に発表された楽曲で彼らのキャリアの中では初期の名曲と言えるナンバー。
同年にリリースされたEP作品『Days of Thunder』にも収録されており、疾走するシンセ・サウンドと覚えやすいサビが文句なしの80年代ノスタルジアを演出する最高の楽曲です!
あの名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のフッテージを使ったMVもハマりすぎで、実際に映画のどこかのシーンで使われていたのではないかと錯覚させるほど。
シンセウェイヴはビジュアル・イメージが重要なジャンルですから、ぜひMVも合わせてチェックしましょう!





