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【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲

すでに海外では大きなムーブメントとなっている音楽ジャンル、その名も「SYNTHWAVE」をご存じですか?

80年代のレトロなシンセサイザー・サウンドや映画にドラマといったカルチャー全般から影響を受け、アートワークも含めてノスタルジックかつレトロフューチャーな雰囲気の世界観を作り上げているジャンルなのですね。

宅録系のアーティストたちがネットを中心に発表していたという経緯があり、ローファイヒップホップ辺りと同じくネット発の音楽として世界的な注目を集めています。

そこで今回は、まだ日本ではあまり知られていない「シンセウェイヴ」の世界を彩る名曲を一挙ご紹介します!

夜のドライブのBGMとしても、ぜひお楽しみください。

【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲

Turbo KillerCarpenter Brut

これまたすごい、というかとんでもないアーティスト名ですね……その正体は、フランスはポアティエ出身のシンセウェイヴ系アーティストであるFranck Huesoさんのステージネームです。

電子音楽家でありながらもメタルやロックの要素が強く、ライブではメタル・バンドのミュージシャンを従えてパフォーマンスするほどです。

マニアックな知識で言えば、フランスのカルト的な人気を誇るブラックメタル・バンドのDeathspell Omegaでもともとプロデューサーを務めていた、という経歴も驚きですね。

そんなCarpenter Brutさんが2015年に発表した『Turbo Killer』は、ハードなギターと電子音楽との融合が特徴的な楽曲で、YouTube上では1,000万回をこえる再生数を誇る人気の1曲です。

80年代のホラー映画のサウンドトラックを思わせる世界観と、2000年代のフレンチ・エレクトロの系譜にあるサウンドを継承したような雰囲気がかっこいいですね!

なお、2012年からリリースされていたEPシリーズの第三弾『EP III』にも収録されており、2017年には『TRILOGY』として3作品をまとめたアルバムが発売されています。

In The Face Of EvilMagic Sword

Magic Swordというバンド名だけ見れば、エピックなメタル・バンドかと勘違いされる方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカはアイダホ出身のシンセウェイヴ・トリオです。

とはいえその印象はあながち間違いというわけではなく、シンセウェイヴにおける基本の80年代テーマの中では、ファンタジーRPGや映画を思わせるシンフォニックな要素を持ち合わせ、ドリーミーでポップなシンセウェイヴとはまた違った形のサウンドを提示しているグループなのですね。

今回紹介している『In The Face Of Evil』は2015年にリリースされた楽曲で、2017年に公開された映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のオフィシャル・トレイラーにも起用されましたから、Magic Swordの名前は知らずとも曲だけは聴いたことがある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

シリアスでヘビーなシンセ・サウンドを軸としながらも、途中から導入されるシンプルながらも高らかに響き渡るギターのロング・トーンの音色は、それこそファンタジーをテーマとしたメタルと共通するエピックな要素と言えましょう。

BrokendateCom Truise

トム・クルーズさんの名前をもじったステージネームに何とも言えない脱力感を覚えますが、徹底的にシンセ・サウンドにこだわった音作りでエレクトロニック・ミュージック界隈で注目を集めているのがアメリカ出身のCom Truiseさんです。

ダフト・パンクが手掛けたサウンドトラック『Tron: Legacy』のリミックス盤『Tron: Legacy Reconfigured』に参加しており、そこで名前を知ったという方もいらっしゃるのでは?

2011年にリリースしたフル・アルバム『Galactic Melt』は、80年代的でノスタルジックなシンセ・サウンドを軸としながらも、エレクトロニカやシンセ・ファンクなどさまざまなジャンルを内包し、自由奔放に飛び交う電子音楽がレトロで楽しい逸品。

「Boads Of Canadaが80年代にタイムスリップしたような」などと形容されている、という時点で普通じゃないですよね。

本稿で紹介している楽曲『Brokendate』は、そんな個性的なアルバム収録曲の中でもひときわノスタルジー度が高めで、アナログ・シンセサイザーを使った遊び心を感じる電子音の中に潜む切ないメロディが印象的な人気曲です。

Tech NoirGUNSHIP

GUNSHIP – Tech Noir [Official Music Video]
Tech NoirGUNSHIP

00年代以降のUKロック~ポップがお好きな方であれば、バステッドという人気バンドをご存じでしょう。

そのバステッドのメンバーであるチャーリー・シンプソンさんによる別バンド、ファイトスターに在籍しているボーカリストとベーシストが新たに始めたプロジェクトのGunshipは、まさに80年代レトロ一直線のシンセウェイヴ・サウンドを鳴らしているユニットです。

グランジやオルタナティブ・ロックに影響を受け、いかにも00年代的なポスト・ハードコア~スクリーモを鳴らしていたファイトスターを知っている方は驚いてしまうかもしれませんが、このような音楽センスを持ったメンバーもいたのか……とむしろ感心してしまいます。

2015年に発表された『Tech Noir』は、そんな彼らが同年にリリースしたセルフタイトルのデビュー・アルバムに収録された楽曲です。

YouTube上では900万回以上も再生された人気曲で、こだわりの80年代的なキーワード満載の映像も楽しいメロディアスでノスタルジックな名曲なのですね。

エレクトロ系の音に抵抗のある方でも、すんなり入り込めるメロディの素晴らしさが際立っております。

もはや前身のバンドや経歴などを知らない層にも高い評価を得ている彼らの音世界を、ぜひこの機会に味わってみてください!

GloriaThe Midnight

なんというか、ユニット名の「The Midnight」がシンセウェイヴの世界観をそのまま体現しているかのようです。

2012年に活動を開始した彼らは、アメリカはアトランタを拠点とするTyler Lyleさんとロサンゼルスを拠点に活動するTim McEwanさんのデュオで、映画『ドライヴ』のサウンドトラックなどからインスパイアされて結成されたのだとか。

今やシンセウェイヴというジャンルの中でも特に高い人気を誇る彼らのサウンドは、シンセポップやニューウェーブへの憧憬はもちろん、AORやシティポップ的な要素も兼ね備え、シンセウェイヴに興味がある方はもちろん、より多くの音楽ファンへアピールできるポテンシャルを秘めた楽曲が特徴的です。

今回紹介している『Gloria』は、2014年に発表された楽曲で彼らのキャリアの中では初期の名曲と言えるナンバー。

同年にリリースされたEP作品『Days of Thunder』にも収録されており、疾走するシンセ・サウンドと覚えやすいサビが文句なしの80年代ノスタルジアを演出する最高の楽曲です!

あの名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のフッテージを使ったMVもハマりすぎで、実際に映画のどこかのシーンで使われていたのではないかと錯覚させるほど。

シンセウェイヴはビジュアル・イメージが重要なジャンルですから、ぜひMVも合わせてチェックしましょう!