【2025】洋楽のおすすめインストバンド。海外の人気バンド
皆さんは、インストゥルメンタル主体の楽曲を主にプレイするバンドに対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
何となく興味はあるけどボーカルがない曲を聴く習慣もないし……といった風に先入観で苦手意識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
今回の記事では、そんな方々に向けて海外のおすすめインストバンドを紹介しています。
あえて往年のジャズやプログレッシブロックといったインスト主体のバンドではなく、1990年代以降のポストロックやマスロック、近年のジャズ周辺など新世代のグループなども多数紹介していますから、インストバンドに詳しい方もぜひチェックしてみてくださいね!
【2025】洋楽のおすすめインストバンド。海外の人気バンド(1〜10)
Ego Death feat. Steve VaiPolyphia

2020年代の今、最も注目を集めているインストバンドの1つといっても過言ではないでしょう。
新世代のギターヒーロー、ティモシー・ヘンソンさんとスコット・ルペイジさんを中心として2010年にテキサスにて結成されたポリフィアは、卓越したテクニックで魅せるハイブリッドかつプログレッシブなサウンドと、端正なルックスで高いスター性を誇る4人組です。
2014年にデビューアルバム『Muse』をリリース、プログレッシブメタルと呼ばれるテクニカルなインストバンドの音楽ファンの間で話題となり、2016年にはセカンドアルバム『Renaissance』のリリースと合わせて日本デビュー。
2017年には待望の初来日を果たし、オープニングアクトとして当時12歳の天才ギタリストLi-sa-Xさんが起用されたことも注目を集めました。
2020年にはあのBABYMETALのアルバム『Brand New Day』にゲスト参加するなど、ここ日本においてもコアな音楽好き以外でも着実にファン層は拡大しています。
そんな彼らが2022年の10月に発表した通算4枚目アルバム『Remember That You Will Die』は、従来のインストゥルメンタルサウンドに加えて複数のボーカリストをフィーチャー、もはやメタルやプログレといったジャンルに全くとらわれない、洗練されたポリフィア独自の音楽を展開し、バンドとしてもネクストレベルへと到達。
全米ビルボードチャートで33位を記録して商業的な成功も果たし、ますます勢いに乗る彼らの快進撃が今後も続くことは間違いないでしょう。
The MessageOMA

イギリス・マンチェスターを拠点とする4人組インストゥルメンタル・ヒップホップバンドOMAは、クラシックなヒップホップを新たな解釈で魅せるグループとして注目を集めています。
ギター、キーボード、ベース、ドラムの編成で、R&Bやエレクトロニカの要素を取り入れたハイブリッドなサウンドを展開。
2022年に初のシングルを公開し、2023年にはアルバム『Bread ‘n’ Butter』で、古典的なヒップホップの名曲をカバーし、高い評価を獲得しました。
SNSでの影響力も大きく、TDEのアイザイア・ラシャドさんのツアーバンドを務めるなど、実力派アーティストからの信頼も厚いのが特徴。
ライブではヌジャベスさんの名曲をカバーするなど、日本の音楽シーンとも深い繋がりを持っています。
ヒップホップの新しい可能性に興味がある方や、生演奏の迫力を体感したい方にぴったりのバンドといえるでしょう。
Tokyo DiskoYĪN YĪN

オランダはマーストリヒトを拠点に活動するインディーズバンド、イン・インは、東南アジアの音楽とサイケデリック・ファンクを見事に融合させた独創的なサウンドで世界中のリスナーを魅了しています。
2017年に結成され、2019年のデビューアルバム『The Rabbit That Hunts Tigers』で一躍注目を集めた彼らの音楽は、タイのサイケデリックロックやディスコ、シティポップまで幅広い音楽性を内包しています。
オランダの田舎にある廃バレエ学校をスタジオに改装して録音を始めたというDIY精神あふれる活動は、音楽ファンの心を掴んでいます。
ヴィンテージシンセサイザーと伝統的な中国の弦楽器・古筝を駆使した独自のグルーヴ感は、ダンスミュージックとしても高い評価を受けており、欧州各地のフェスティバルでも好評を博しています。
グローバルなサウンドに新鮮な興奮を求める音楽ファンにぜひおすすめしたいバンドです。
WaterslideCHON

惜しくも2022年に活動を休止することを発表した、アメリカはカリフォルニア州出身のプログレッシブロック~マスロックバンド、チョン。
バンド名の由来はいわゆる人体を構成する4大元素の頭文字から取ったもので、当時科学番組を流しながら楽器練習をしていた時に冗談半分で決めたのだとか。
当時はまだ10代前半から中盤だったというのも納得の軽いノリで始まったチョンですが、実際にその音を聴いたら多くの人が驚かれることでしょう。
複雑に構成された楽曲展開の中で、突出したテクニックを持つメンバーによる圧巻のプレイが随所に炸裂する強烈なバンドアンサンブルは衝撃的の一言。
いわゆるポリリズムや変拍子といったリズムパターンもふんだんに取り入れており、難解で取っ付きづらい音なのでは……と敬遠する方々もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで聴きやすい楽曲として見事に昇華しているというセンスがまた素晴らしいのですね。
そんな彼らはフジロックなどの大型フェスティバルも含めて数回の来日公演も実現させており、日本でもファンの多いバンドです。
リリースされたアルバムは3枚ということで、どの作品もチェックしていただくことをおすすめしたいのですが、あえて1枚を挙げるとすれば格段に音楽性の幅を広げた2017年のセカンドアルバム『Homey』辺りでしょうか。
サックス奏者兼シンガーソングライターであり、自らの音楽性を「トラップハウスジャズ」と名付けるマセーゴさんをゲストボーカリストとして迎えるなど、チョン独自のセンスが味わえる名盤ですよ!
Retreat! Retreat!65daysofstatic

イギリスのシェフィールドにて2001年に結成されたシックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティックは、ポストロックにエレクトロニックなサウンドを織り交ぜる独自の音楽性で知られるバンドです。
重厚で進歩的なギターサウンドとプログラミングを駆使したビートメイキングが特徴的で、2004年のデビューアルバム『The Fall of Math』で高い評価を獲得しました。
その後も『One Time for All Time』など数々の名盤を発表し、2016年にはビデオゲーム『No Man’s Sky』のサウンドトラックを担当。
ゲーム内の状況に応じて音楽が変化する革新的な手法に挑戦し、実験的なサウンドスケープを生み出しています。
重厚なインストと電子音響を融合させた彼らの音楽は、ポストロックやエレクトロニック・ミュージックに興味をお持ちの方にはたまらない魅力があるはずです。
Juana La CubanaLA LOM

メキシコ、キューバ、ペルーなど多彩なラテンアメリカの伝統音楽をベースに、アメリカの伝統的なジャズやロカビリー、ソウルを融合させた独自の音楽性で注目を集めているLA LOM。
ロサンゼルスの歴史あるホテルでレジデンシーを務めていた3人は、2021年にEP『LA LOM』でデビュー。
2024年8月には、メジャーレーベルのVerve Recordsから満を持してアルバム『The Los Angeles League of Musicians』を発表し、ビルボードのトロピカル・アルバムチャートで5位を記録する快挙を果たしました。
実力派揃いのトリオは、ヴァンパイア・ウィークエンドのツアーでオープニングアクトを務めるほか、グラディス・ナイトやベックといった著名アーティストとの共演も果たしています。
多文化的なサウンドと独自の世界観で、民族音楽とポップスの新たな可能性を提示する魅惑のサウンドをお楽しみください。
AresCovet

皆さんはマスロック、と呼ばれる音楽ジャンルをご存じでしょうか。
その起源は諸説あってここでは述べませんが、ポストロックやポストハードコアといったジャンルとも緊密な関係性を持ちながら、複雑なリズムパターンと緻密なギターフレーズ、不協和音にノイズなども取り込んだサウンドは多くのアーティストたちにインスピレーションを与えており、マスロック的な方法論を用いてメジャーに進出した日本のバンドも存在するほどには影響力のあるジャンルなのですね。
そんなマスロックもさまざまなスタイルがあるのですが、本稿で紹介するアメリカ出身のトリオであるコヴェットは、いわゆるタッピングと呼ばれるギターの手法を自在に駆使するテクニカルかつ個性的な女性ギタリスト、イヴェット・ヤングさんを中心とするバンドです。
もともとソロで活動していたイヴェトさんが現在のメンバーを集めてバンドとなったという経緯があり、2011年にはあのポリフィアとの来日公演も実現させています。
2020年のアルバム『Technicolor』ではイヴェットさんのメロディックなヴォーカルを取り入れた楽曲も披露されていますが、基本的には3人の高度な演奏技術に裏打ちされたバンドアンサンブルで魅せるプログレッシブなマスロックを軸としたインストゥルメンタルサウンドが特徴であり、それでいてとっつきにくいということはなく聴きやすいサウンドへと昇華しているところが一番のポイントですね。
マスロックに興味はあるけど敷居が高そう、といったイメージをお持ちの方はコヴェットの作品をチェックしてみてください!