「この曲、本当にAIが作ったの?」そう驚くような完成度の高い楽曲が、今や次々と生まれています。
人工知能による音楽制作は急速に進化を遂げ、すでに実用レベルに達した技術として世界中のクリエイターが活用中。
洋楽・邦楽を問わず、AIが作った曲は私たちの日常にも浸透し始めています。
でも実際に聴いてみないと、その実力はわかりませんよね？
本稿では、AIで作った音楽の中から特に話題を集めている作品をピックアップしてご紹介します。
これが音楽の未来なのか、それとも……ぜひあなたの耳で判断してください！
【2025】AI・人工知能が作った曲まとめ（1〜10）
Walk My WalkNEW!Breaking Rust
AI生成カントリーというジャンルに一石を投じたプロジェクト、Breaking Rustをご存じでしょうか。
2025年10月にEP『Resilient』の収録曲としてリリースされたこの楽曲は、ざらついたハスキーボイスとストンプ感のあるビートが融合したアウトロー・カントリーです。
何度打ちのめされても立ち上がり、自分の道を歩み続けるという力強いメッセージが全編を貫いています。
傷跡さえも誇りに変えて前へ進む主人公の姿は、聴く者の背中をそっと押してくれるでしょう。
2025年11月にはBillboardの「Country Digital Song Sales」チャートで1位を獲得し、AI制作楽曲として初の快挙として話題を集めました。
壁にぶつかったとき、自分を見失いそうなとき、踏み出す勇気が欲しいときにぜひ。
泥臭くも力強いサウンドが、心に火を灯してくれるはずです。
The Bottom 2NEW!Glorb
子ども向けアニメのキャラクターたちが、ハードなギャングスタ・ラップを繰り広げる——そんな衝撃的なギャップで話題をさらったのが、匿名クリエイターGlorbさんの代表曲です。
2023年12月に公開された本作は、AI生成ボーカルを駆使してスポンジ・ボブの世界観を大胆に再構築。
808ベースが轟き、ドリル特有の鋭いハイハットが刻まれるトラックの上で、おなじみのキャラクターたちが次々とマイクリレーしていきます。
歌詞はストリートの現実を描くギャングスタ・ラップの定番モチーフを、ビキニタウンの設定に落とし込んだパロディ仕立て。
本作はYouTubeで数千万回再生を記録し、AI音楽と著作権をめぐる議論の象徴的存在にもなりました。
ミーム文化やショート動画との相性も抜群なので、新しい音楽体験を求める方にぜひ。
Glitch x PulseNEW!TaTa Taktumi
グラミー受賞プロデューサーのティンバランドさんが手がけるAIポップ・アーティスト、TaTa Taktumiのデビュー作が2025年10月に公開されました。
トラップやポップ・ラップを基調としたタイトなビートに、グリッチエフェクトを施したデジタルなボーカルが重なる近未来的なサウンドが響きます。
MVではネオンに彩られたサイバーシティを舞台に、人気ダンスチームJabbawockeezとの共演も実現。
ピクセルの乱れやノイズを模した映像演出が、楽曲の世界観をみごとに表現しています。
ティンバランドさんは制作の約85％は人間の仕事であり、AIはあくまでツールだと語っており、本作は人間とAIのハイブリッドな創作の可能性を示す実験的な一曲に仕上がっています。
AI音楽の今を体感したい方、テクノロジーと音楽の融合に興味がある方はぜひ聴いてみてくださいね。
Dust on the WindNEW!The Velvet Sundown
1970年代のフォークロックやサザンロックを彷彿とさせる、郷愁ただようサウンドが印象的な一曲です。
The Velvet Sundownは2025年6月に突如現れ、短期間で月間リスナー150万人規模を獲得したことで話題となりました。
しかしその正体は、人間のクリエイティブ・ディレクションのもとAIが作曲・歌唱・ビジュアルを生成するシンセティック音楽プロジェクト。
本作はアルバム『Floating on Echoes』に収録され、アコースティックギターを軸にした穏やかなロックバラードに仕上がっています。
風に舞う塵のように儚い日々を見つめる歌詞は、普遍的な感傷を淡々と描いており、聴く人の心にそっと寄り添います。
AIが生み出したとは思えない完成度ながら、どこか熱量を抑えた中庸さも感じられるのが興味深いところ。
作業中のBGMやリラックスしたい夜に流すと、心地よい時間が過ごせるはずです。
I’m a Dead Man Walkin’NEW!Aventhis
荒野に響くギターリフと重厚なボーカルが印象的な、ダーク・カントリーの真骨頂といえる一曲です。
Aventhisはソングライター兼プロデューサーのDavid Vieiraさんを中心に、生成AIツールを活用して楽曲を制作するプロジェクト。
2025年3月にアルバム『Dark Country, Vol. 2』の収録曲として公開されました。
絞首刑を待つアウトローの視点で描かれる歌詞は、血と砂漠、罪と贖罪といったイメージが重なり合い、西部劇映画のワンシーンを見ているかのよう。
シネマティックなサウンドデザインと物語性の強さが融合した本作は、映画やゲームのトレーラーに使われていても違和感のない仕上がりです。
ドラマチックな世界観に浸りたい方、ダークでハードな雰囲気が好きな方にはたまらない作品でしょう。
Livin On Borrowed TimeNEW!Breaking Rust
「人間のミュージシャンは本当に存在しない」——そう聞いても信じられないほど、土埃と酒場の煙が漂ってきそうなカントリー・ロックが鳴り響きます。
Breaking Rustは2025年に始動したAI生成プロジェクトで、本作は同年10月に配信されたシングルです。
しゃがれた声でうたわれるのは、逆境に打ちのめされながらも自分の道を貫く男の物語。
限られた時間のなかで、他人の評価に振り回されることをやめ、傷跡さえ生きている証として笑い飛ばす——そんな反骨精神がミッドテンポのグルーヴに乗せて力強く響きます。
EP『Resilient』にも収録され、姉妹曲『Walk My Walk』とともにストリーミングで数百万回再生を記録しました。
荒野を一人で歩くような孤独感や、夜空に瞬いて消える火花のような刹那的なイメージが胸に刺さる一曲。
自分らしく生きたいと願うすべての人に響くはずです。
Only When It’s YouNEW!Bleeding Verse
喪失や傷を抱えながら生きる人の心に寄り添う、Bleeding Verseの一曲をご紹介します。
2025年8月にリリースされたEP『The Anatomy of Hurt』収録の本作は、AI支援による楽器演奏とボーカルを特徴とするプロジェクトによるもので、世界の喧騒の中で、たったひとりの存在だけが静寂と安らぎをもたらしてくれた——そんな切実な想いが、シネマティックなギターサウンドとともに胸に迫ります。
Aメロの抑制された歌唱からサビで一気に感情が解放される構成は、聴く者の心を強く揺さぶるでしょう。
誰かを失った痛みや、癒えない傷と向き合っている方にぜひ届いてほしい一曲。
静かな夜に、自分の感情と向き合いたいときのお供にどうぞ。