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浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ

1980年代後半に盛り上がったハウス・ミュージックおよびレイヴ・シーンの中で、いわゆるチルアウトを目的としたリラックスできる音楽として誕生したアンビエント・ハウス。

そこから派生した形で1990年代に生まれた「アンビエント・テクノ」は、アンビエント・ミュージックをテクノ世代のアーティストによって再構築したようなジャンルです。

アンビエント・テクノの要素を含む多くのサブ・ジャンルがあり明確な定義は難しいのですが、踊るための機能的なダンス・ミュージックとは一線を画す浮遊感が特徴の1つですね。

今回の記事では90年代を中心として00年代以降のアーティストにも目を向ける形で、アンビエント・テクノの名曲を紹介していきます!

浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ(1〜10)

Microscopicgas

Gas – Microscopic (remastered)
Microscopicgas

イギリスのエレクトロニック・ミュージシャン、マット・ジャービスさんがGasという名義で1995年にリリースしたアルバム『Gas 0095』。

このアルバムに収録されている楽曲『Microscopic』は、SF映画のようなミステリアスで神秘的なサウンドが魅力です。

このアルバムは非常に高い評価を受けましたが、リリースしたレーベルはその後倒産。

2008年にアルバムが再リリースされた際には、オークションサイトで400ドル以上の高値で取引されたという逸話が残っています。

Baby SatelliteBiosphere

アンビエントテクノを語る上で欠かせない存在であるドイツ出身のピート・ナムルックさんと、テクノシーンにおける最重要人物の1人として現在も精力的に活動を続けるリッチー・ホーティンさん。

そんな伝説的な2人がタッグを組み、1994年から1997年にかけて全3作がリリースされたシリーズ作品が『From Within』です。

本稿で取り上げている楽曲『Snake Charmer』は、1994年に発表された記念すべき第一弾『From Within』に収録されたオープニングを飾るナンバー。

13分という長い時間の中で、浮遊する電子音の揺らめきはどちらかといえばダンスミュージック寄りで、アンビエントという観点でとらえればビートも割合に強めに感じ取れるのが特徴的ですね。

2006年にアルバムは再発されているのですが、現在は廃盤のようですからレコードショップなどで見かけたらぜひ手に取ってみてください!

Do WhileOval

テクノの聖地、ドイツのグループ、オヴァル。

当初は複数のメンバーがいましたが、1995年に脱退してしまったため、それ以降はマーカス・ポップさんのソロプロジェクトとなっています。

CDの表面に汚れや傷をつけて、音飛びを起こした状態でとったサンプルを使用する『グリッチ』という独特の手法を使っていることで有名です。

1995年にリリースされた『Do While』は、そんな手法を知らなくても、神秘的で静かなトーンがきっと印象に残るはず。

同年にリリースされた4枚目のアルバム『94 Diskont』に収録されています。

浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ(11〜20)

At First TouchThe Sight Below

The Sight Below – “At First Touch”
At First TouchThe Sight Below

アンビエントテクノやエレクトロニカといったジャンルが、いかにシューゲイザー的な音像と高い親和性を持ち合わせているのかは、ザ・サイト・ビロウの音楽を聴けば理解できるはず。

アメリカ出身のポストミニマリスト、ラファエル・アントン・イリサリさんによるアンビエントテクノ~シューゲイザーのプロジェクトで、リリースした作品数こそ多くはないのですが、どの楽曲もアンビエントテクノや2000年代以降のエレクトロシューゲイザーなどを愛する方には高い評価を得ています。

今回は2009年にリリースされたデビューアルバム『Glider』の中から、オープニングナンバーの『At First Touch』を紹介しましょう。

心臓の鼓動のような控えめなビート、空間を揺れ動くシンセの音色、80年代の4ADのカタログを思わせる幻惑の音響的美学が素晴らしい!

少しでも気になった方、アルバムも要チェック!

A Paw in My FaceThe Field

The Field – A Paw in My Face ‘From Here We Go Sublime’ Album
A Paw in My FaceThe Field

スウェーデン出身のAlex Willnerさんによるソロ・プロジェクトのザ・フィールドは、2000年代以降のミニマルテクノやアンビエントといったジャンルにおける重要なアーティストの1人です。

あのウォルフガング・ヴォイトさんが率いるドイツの名門レーベル「Kompakt」より作品をリリースし続け、いずれも高い評価を受けています。

そんなザ・フィールドが2007年にリリースした記念すべきデビューアルバム『From Here We Go Sublime』は、幻想的なミニマルテクノにディープなハウスやアンビエントの要素を取り入れた独創的で美しい1枚。

夢見心地なメロディがリフレインする収録曲『A Paw in My Face』を聴いてザ・フィールドの音世界に興味を持たれた方は、ぜひアルバムも合わせて聴いてみましょう!

More Like SpaceSeefeel

後のポストロックや、00年代以降のエレクトロニカとシューゲイザーを融合させたサウンドに多大なる影響を及ぼしたのがイギリスのシーフィールです。

当初はロックバンドとして1992年にデビュー、同時代のシューゲイザー的な音を鳴らして注目を集めましたが、音響的な実験を繰り返してIDMやエレクトロニカといったサウンドへと傾倒、名門Warpと契約して革新的な作品を発表した伝説的なグループなのですね。

あのエイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスさんが彼らの大ファンであり、自身が運営するレーベル「Rephlex」とも契約したというエピソードを聞けば、バンドの立ち位置が何となく伝わるのではないでしょうか。

そんなシーフィールが1993年に発表した『More Like Space EP』は、同年に発表したデビューアルバム『Quique』と比べてもアンビエントやエレクトロニカ色が強く、とくに表題曲はその傾向が強く見て取れますよね。

アンビエントテクノ好きはもちろん、当時のイギリスの先鋭的なインディロックに興味のある方にも大推薦の名曲です!

Snake CharmerPete Namlook & Richie Hawtin

イギリスのミュージシャン兼DJ、リッチー・ホゥティンさんとドイツのミュージシャン、ピート・ナムルックさんがコラボレーションして制作した1994年リリースのアルバム『From Within』。

このアルバムに収録されている『Snake Charmer』は、リズミカルなビートもありながらノイジーで浮遊感もあるという不思議な楽曲です。

ちなみに、リッチー・ホゥティンさんは『ENTER.Sake』というブランドを立ち上げてヨーロッパを中心とした海外に日本酒を広げる活動をしているという、大の日本酒好きでもありますよ!