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浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ

1980年代後半に盛り上がったハウス・ミュージックおよびレイヴ・シーンの中で、いわゆるチルアウトを目的としたリラックスできる音楽として誕生したアンビエント・ハウス。

そこから派生した形で1990年代に生まれた「アンビエント・テクノ」は、アンビエント・ミュージックをテクノ世代のアーティストによって再構築したようなジャンルです。

アンビエント・テクノの要素を含む多くのサブ・ジャンルがあり明確な定義は難しいのですが、踊るための機能的なダンス・ミュージックとは一線を画す浮遊感が特徴の1つですね。

今回の記事では90年代を中心として00年代以降のアーティストにも目を向ける形で、アンビエント・テクノの名曲を紹介していきます!

浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ(11〜20)

SpreewaldSun Electric

ドイツはベルリン出身のサン・エレクトリックは、ややマイナーながら1990年代のIDMやアンビエントテクノといったジャンルにおいて高品質な作品をリリースした名グループです。

メンバーの1人であるマックス・ローダーバウアーさんはあのベーシック・チャンネルのにさんによる「モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオ」のメンバーとしても知られており、チリが生んだミニマルテクノの天才リカルド・ヴィラロボスさんと共同でECMレーベルの音源を再構築した意欲作『RE:ECM』を発表するなど、電子音楽シーンの重鎮として活躍し続けています。

そんなサン・エレクトリックの代表的な作品にして名盤の誉れ高い1996年作『Present』は、90年代アンビエントテクノの歴史においても重要な1枚。

冒頭を飾る名曲『Spreewald』を聴けば、アンビエントテクノの中にブレイクビーツやダブ、ジャングルにダウンテンポといった要素を織り交ぜつつ、ドイツのアーティストらしい硬質さと生真面目さで作り上げたどこかメランコリックなサウンドの魅力が伝わるはずです。

Sky HighThe Irresistible Force

イギリス出身のアンビエント系DJ~プロデューサー、ミックスマスター・モリスさんによるアンビエントプロジェクト、イレジスティブル・フォース。

2017年におよそ19年ぶりとなったニューアルバムがリリースされ、話題を集めたことを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本稿で取り上げている楽曲『Sky High』は、1992年に発表された記念すべきデビューアルバム『Flying High』の収録曲。

アンビエントテクノの原型のようなサウンドで、ハウスやIDMの要素も感じさせつつ、サイケデリックな雰囲気を保ちながらも上質でチルなサウンドへと仕上がっております。

真夜中に一人、目を閉じてヘッドホンで聴いてみてください!

Liquid InsectsAmorphous Androgynous

Liquid Insects – Amorphous Androgynous (Future Sound of London)
Liquid InsectsAmorphous Androgynous

電子音楽の持つ可能性を追求した作品をさまざまな名義でリリース、膨大なディスコグラフィを誇るイギリス出身のエレクトロニックミュージックのパイオニアであるフューチャー・サウンド・オブ・ロンドン。

アンビエントテクノの歴史においても彼らの存在は重要で、アンビエントの要素を取り入れた1994年リリース作品『Lifeforms』なども非常に有名ですね。

そんな彼らがAmorphous Androgynous名義で1993年に発表した『Tales of Ephidrina』も、アンビエントテクノの名盤として知られる作品です。

本稿で紹介している楽曲『Liquid Insects』はアルバムの収録曲で、12インチシングルとしてもリリースされた名曲。

プログレッシブなハウスとアンビエントテクノの間をいくようなサウンドで、90年代初頭のダンスミュージック事情を知りたい方にも興味深く楽しめる楽曲ですよ。

DeltaHigher Intelligence Agency

名門WARPが1990年代にリリースしていた、当時のIDMやアンビエントテクノ事情を知る上でも欠かせないコンピレーション盤『Artificial Intelligence』。

シリーズラストとなった1994年リリース作品『Artificial Intelligence II』の2曲目に取り上げられているのが、イギリスはバーミンガムを拠点とするボビー・バードさんのアンビエント・プロジェクトであるハイアー・インテリジェンス・エージェンシーです。

1993年にThe Higher Intelligence Agency名義で発表したデビューアルバム『Colourform』は、アンビエント~ダブテクノの傑作として伝説的な評価を得ている逸品。

そんな名盤のオープニングナンバーとして収録された『Delta』をまずは聴いていただいて、反復の美学に基づいた知的で奥深い電子音楽の世界を味わってみてください。

NightKelly Lee Owens

アンビエントテクノの影響を感じさせつつ、ミニマルやドリームポップなどさまざまなジャンルを独自の音世界へと昇華して高い評価を受けているウェールズ出身のケリー・リー・オーウェンズさん。

ダンスミュージックが支配するフロアでも、現代的なインディロックやベッドルームポップとしても自由に鳴り響く彼女のサウンドは、2010年代以降の新しい音楽として大きな注目を集めているのですね。

本稿で取り上げているのは、2020年にリリースされたセカンドアルバム『Inner Song』に収録されている楽曲で、一筋縄ではいかない彼女のサウンドの中でもアンビエントテクノ好きにおススメしたい名曲『Night』です。

エイフェックス・ツインの作るアンビエントテクノがお好きな方はもちろん、コクトー・ツインズ辺りを愛聴している音楽ファンにもぜひ聴いてほしいですね!

CascadeFuture Sound of London

イギリスが誇るエレクトロニックミュージックのパイオニアである2人組、フューチャー・サウンド・オブ・ロンドン。

さまざまな音楽的冒険を繰り返しながらも商業的なヒット曲もリリース、2020年代を過ぎた今もバリバリの現役として活動中の大ベテランです。

そんな彼らの音楽性は時期によって変化していますし簡単に表現できるものではないのですが、アンビエントの要素を全面に押し出したと言われている名盤が1994年リリース作品『Lifeforms』なのですね。

2枚組の大作である『Lifeforms』のディスク1のオープニングを飾る楽曲『Cascade』は前年にシングルとしてもリリースされてヒットを記録、聴いているだけで別世界へと誘われるような、エクスペリメンタルかつアンビエントな音世界が繰り広げられる楽曲です。

今回はアルバム収録バージョンを紹介していますが、ビート感がほしい方はシングルバージョンの『Cascade: Part 1』を聴いてみることをオススメします。