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浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ

1980年代後半に盛り上がったハウス・ミュージックおよびレイヴ・シーンの中で、いわゆるチルアウトを目的としたリラックスできる音楽として誕生したアンビエント・ハウス。

そこから派生した形で1990年代に生まれた「アンビエント・テクノ」は、アンビエント・ミュージックをテクノ世代のアーティストによって再構築したようなジャンルです。

アンビエント・テクノの要素を含む多くのサブ・ジャンルがあり明確な定義は難しいのですが、踊るための機能的なダンス・ミュージックとは一線を画す浮遊感が特徴の1つですね。

今回の記事では90年代を中心として00年代以降のアーティストにも目を向ける形で、アンビエント・テクノの名曲を紹介していきます!

浮遊する電子音楽~アンビエント・テクノの名曲まとめ

A Paw in My FaceThe Field

The Field – A Paw in My Face ‘From Here We Go Sublime’ Album
A Paw in My FaceThe Field

スウェーデン出身のAlex Willnerさんによるソロ・プロジェクトのザ・フィールドは、2000年代以降のミニマルテクノやアンビエントといったジャンルにおける重要なアーティストの1人です。

あのウォルフガング・ヴォイトさんが率いるドイツの名門レーベル「Kompakt」より作品をリリースし続け、いずれも高い評価を受けています。

そんなザ・フィールドが2007年にリリースした記念すべきデビューアルバム『From Here We Go Sublime』は、幻想的なミニマルテクノにディープなハウスやアンビエントの要素を取り入れた独創的で美しい1枚。

夢見心地なメロディがリフレインする収録曲『A Paw in My Face』を聴いてザ・フィールドの音世界に興味を持たれた方は、ぜひアルバムも合わせて聴いてみましょう!

More Like SpaceSeefeel

後のポストロックや、00年代以降のエレクトロニカとシューゲイザーを融合させたサウンドに多大なる影響を及ぼしたのがイギリスのシーフィールです。

当初はロックバンドとして1992年にデビュー、同時代のシューゲイザー的な音を鳴らして注目を集めましたが、音響的な実験を繰り返してIDMやエレクトロニカといったサウンドへと傾倒、名門Warpと契約して革新的な作品を発表した伝説的なグループなのですね。

あのエイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスさんが彼らの大ファンであり、自身が運営するレーベル「Rephlex」とも契約したというエピソードを聞けば、バンドの立ち位置が何となく伝わるのではないでしょうか。

そんなシーフィールが1993年に発表した『More Like Space EP』は、同年に発表したデビューアルバム『Quique』と比べてもアンビエントやエレクトロニカ色が強く、とくに表題曲はその傾向が強く見て取れますよね。

アンビエントテクノ好きはもちろん、当時のイギリスの先鋭的なインディロックに興味のある方にも大推薦の名曲です!

Snake CharmerPete Namlook & Richie Hawtin

イギリスのミュージシャン兼DJ、リッチー・ホゥティンさんとドイツのミュージシャン、ピート・ナムルックさんがコラボレーションして制作した1994年リリースのアルバム『From Within』。

このアルバムに収録されている『Snake Charmer』は、リズミカルなビートもありながらノイジーで浮遊感もあるという不思議な楽曲です。

ちなみに、リッチー・ホゥティンさんは『ENTER.Sake』というブランドを立ち上げてヨーロッパを中心とした海外に日本酒を広げる活動をしているという、大の日本酒好きでもありますよ!

At First TouchThe Sight Below

The Sight Below – “At First Touch”
At First TouchThe Sight Below

アンビエントテクノやエレクトロニカといったジャンルが、いかにシューゲイザー的な音像と高い親和性を持ち合わせているのかは、ザ・サイト・ビロウの音楽を聴けば理解できるはず。

アメリカ出身のポストミニマリスト、ラファエル・アントン・イリサリさんによるアンビエントテクノ~シューゲイザーのプロジェクトで、リリースした作品数こそ多くはないのですが、どの楽曲もアンビエントテクノや2000年代以降のエレクトロシューゲイザーなどを愛する方には高い評価を得ています。

今回は2009年にリリースされたデビューアルバム『Glider』の中から、オープニングナンバーの『At First Touch』を紹介しましょう。

心臓の鼓動のような控えめなビート、空間を揺れ動くシンセの音色、80年代の4ADのカタログを思わせる幻惑の音響的美学が素晴らしい!

少しでも気になった方、アルバムも要チェック!

NightKelly Lee Owens

アンビエントテクノの影響を感じさせつつ、ミニマルやドリームポップなどさまざまなジャンルを独自の音世界へと昇華して高い評価を受けているウェールズ出身のケリー・リー・オーウェンズさん。

ダンスミュージックが支配するフロアでも、現代的なインディロックやベッドルームポップとしても自由に鳴り響く彼女のサウンドは、2010年代以降の新しい音楽として大きな注目を集めているのですね。

本稿で取り上げているのは、2020年にリリースされたセカンドアルバム『Inner Song』に収録されている楽曲で、一筋縄ではいかない彼女のサウンドの中でもアンビエントテクノ好きにおススメしたい名曲『Night』です。

エイフェックス・ツインの作るアンビエントテクノがお好きな方はもちろん、コクトー・ツインズ辺りを愛聴している音楽ファンにもぜひ聴いてほしいですね!