美しい衣装を身にまとったダンサーたちの華麗な舞に心奪われる「バレエ」。
ダンスもさることながら、物語が展開していくうえで欠かせない音楽も非常に魅力的で、印象に残る曲ばかりですよね。
今回は、そんなバレエ音楽の中でも特に知名度が高く、バレエに詳しくない方でもきっとどこかで耳にしたことのある名曲ばかりをピックアップ!
ピアノ演奏の動画とともに、曲の背景や魅力をお伝えしていきます。
バレエ音楽はオーケストラで演奏されるのが一般的ですが、今回ご紹介する作品の中には、バレエ音楽をもとにピアノ独奏用作品に編曲したものも含まれています。
原曲との違いも楽しみつつ、バレエの世界をご堪能ください!
バレエ音楽をピアノで弾こう!名シーンを彩る珠玉の名曲を厳選(1〜10)
高雅で感傷的なワルツ 第1ワルツ,Modéré(モデラート) ト長調NEW!Maurice Ravel

伝統的なワルツに、モーリス・ラヴェルらしい近代的な響きを融合させた組曲『Valses nobles et sentimentales』。
その幕開けを飾る第1曲は、優雅でありながらどこか物憂げな、不思議な気持ちにさせられる1曲です。
この楽曲は、1911年5月の初演で作曲者名を伏せて演奏され、その斬新さで聴衆を驚かせました。
華やかな舞踏会で踊りながらも、ふと心によぎる秘めた想い…そんな情景が目に浮かぶようです。
バレエ『Adélaïde, ou le langage des fleurs』としても知られています。
本作は、これまでのワルツのイメージを覆すような、リズムやハーモニーの面白さを感じたい方にぴったり!
華やかさの奥に潜む憂いを表現できるよう、角のないやわらかい音で演奏しましょう。
バレエ音楽「くるみ割り人形」より「花のワルツ」Pyotr Tchaikovsky

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの『バレエ音楽「くるみ割り人形」より「花のワルツ」』。
本作は、クリスマスイブに魔法のくるみ割り人形を贈られた少女クララが、くるみ割り人形とともに甘いお菓子の国へ冒険する物語の第2幕、お菓子の国の住人たちがクララと王子を祝福するダンスシーンで演奏される曲です。
おぼろげながらも華やかな導入部から、盛り上がりを見せ、華麗で情熱的なクライマックスへ至る楽曲は、チャイコフスキーの巧みなオーケストレーションと、バレエの幻想的な世界観を音楽で描き出す才能によって生み出されました。
多彩な楽器の響きが織りなす旋律は、夢見るような美しさと喜びに満ちています。
クリスマスの季節にぴったりの1曲を、ぜひピアノで奏でてみてください。
バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品 Op.75Sergei Prokofiev

20世紀の重要な作曲家の一人として知られるロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフ。
彼は『バレエ「ロメオとジュリエット」』を1935年に作曲し、その後ピアノ独奏のための小品集『バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品 Op.75』に編曲しました。
この作品は、バレエ音楽の中でも特に有名で印象的なメロディの数々を、ピアノという楽器の新たな魅力とともに聴かせてくれます。
情熱的な恋人たちの出会いや別れ、切ない愛の悲劇など、シェイクスピアの名作の物語や感情が音楽にのせて表現されており、プロコフィエフの天才的な才能を感じずにはいられません。
演奏会用組曲「くるみ割り人形」より「行進曲」Tchaikovsky = Pletnev

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽『くるみ割り人形』の『行進曲』を、ミハイル・プレトニョフがピアノ用に編曲したのが、こちらの『演奏会用組曲「くるみ割り人形」より「行進曲」』です。
オーケストラ版では8曲で構成されていますが、こちらの組曲は7曲を選んで編曲されています。
中でも『行進曲』は、物語の序章を飾るにふさわしい、華やかで祝祭的な雰囲気が印象的。
クリスマスシーズンにぴったりの1曲です。
ピアノならではの味わい深い演奏をお楽しみください。
ボレロMaurice Ravel

20世紀前半を代表するフランスの作曲家、モーリス・ラヴェルの代表作の一つである管弦楽作品『ボレロ』。
1928年11月22日にパリ・オペラ座で初演されたこの作品は、ロシア人ダンサーのイダ・ルビンシュタインの依頼で作曲されました。
『ボレロ』はオリジナルの二部形式のテーマが18回変奏されるという独特な構成をしており、スネアドラムによる単調なリズムと、さまざまな楽器が次々とメロディを奏でていくオーケストレーションが特徴的です。
この組み合わせにより、曲が進行するにつれて音量と強さが増していき、聴き手を圧倒するような印象的なクライマックスへと導かれます。
特徴的なリズムを刻むパーカッションとピアノのアンサンブルで演奏するのもオススメですよ!
バレエ音楽「眠れる森の美女」より「ワルツ」Pyotr Tchaikovsky

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽『眠れる森の美女』より「ワルツ」。
チャイコフスキーの3大バレエの一つとして知られる『眠りの森の美女』の中でも特に有名なこの『ワルツ』は、プリンセス・オーロラの誕生から100年の眠り、目覚めまでを描いた物語で印象的に用いられています。
オーケストラ版はもちろん、ピアノソロ用にも編曲されており、3拍子のリズムと優雅なメロディを楽しめるアレンジから、テクニックを要する上級者向けの楽譜まで幅広く出版されています。
美しい旋律を奏でる右手と、軽やかなリズムを刻む左手の動きを意識しながら、物語に思いをはせて演奏してみてはいかがでしょうか。
大人から子供まで、ピアノを学ぶ多くの人に親しまれている名曲です。
バレエ音楽「ガイーヌ」より「剣の舞」Aram Khachaturian

アラム・ハチャトゥリャンは、ソ連時代を代表するアルメニア人作曲家です。
彼の代表作であるバレエ音楽『ガイーヌ』からの抜粋『剣の舞』は、途切れることのないエネルギーと緊張感で聴衆を魅了します。
この曲は1942年に作曲され、第二次世界大戦後、西側諸国でも人気を博しました。
さまざまな楽器による編曲が存在し、映画やテレビ番組の背景音楽としても使用されています。
もちろんピアノでも頻繁に演奏されており、発表会曲としても大人気!
アルメニアの民族音楽とダンスへのオマージュが感じられる情熱的な本作は、バレエや民族舞踊に興味のある方にオススメの1曲です。