「アメリカが生んだ最初の国際的レベルの指揮者」と称され、指揮者、ピアニスト、作曲家として活躍したレオナード・バーンスタインさん。
1918年にアメリカで生まれた彼は、20世紀後半のクラシック音楽界をリードする音楽家として、数多くの舞台に立ちながら、ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」をはじめとする名作の数々を世に送り出しました。
本記事では、そんなバーンスタインさんの作品のなかから、ピアノのために書かれた曲や、ピアノ編曲版で親しまれている作品をご紹介します!
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5つのアニヴァ―サリーLeonard Bernstein

多彩な表情を見せるピアノ作品の数々は、レナード・バーンスタインさんが大切にしてきた人々への感謝の気持ちと音楽への深い愛情にあふれています。
『5つのアニヴァーサリー』は、ルーカス・フォスさんをはじめとする親しい友人たちへささげられた親密な楽曲で、1949年から1951年にかけて作曲されました。
一つひとつの楽曲に込められた温かみのある旋律は、聴く者の心を穏やかに包み込んでくれます。
ピアノという楽器の魅力を存分に引き出した本作は、クラシック音楽ファンのみならず、ゆったりとしたひとときを過ごしたいすべての方にオススメしたい名曲です!
ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」より「トゥナイト」Leonard Bernstein

バーンスタインさんの『ウエスト・サイド・ストーリー』のなかでも特に有名な楽曲の一つ『トゥナイト』は、トニーとマリアの切ない恋心を描いた1曲。
1957年に初演されたこの名作ミュージカルは、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』をベースにニューヨークの街を舞台にした物語を通じて、人種や文化の違いを乗り越えようとする若者たちの姿を描き出しています。
ヒット曲となったこの楽曲は、1961年の同名映画でも大きな話題を呼び、バーンスタインさんの代表作の一つとして広く知られるようになりました。
純粋な愛を貫こうとする2人の思いを美しいメロディに乗せて歌い上げる姿は、ピアノ演奏でも人々の胸を打つこと間違いなし!
13のアニヴァーサリーLeonard Bernstein

アメリカを代表する音楽家レナード・バーンスタインさんが、人生の節目に大切な人々のためにつづった感動のピアノ小品集『13のアニヴァーサリー』。
1988年に発表されたこの作品には、バーンスタインさん自身の心温まるエピソードが込められています。
例えば、長年の秘書で初めてのピアノ教師でもあったヘレン・コーツさんをしのんだ感動的な曲や、『ウエスト・サイド・ストーリー』の制作でともに働いたプロデューサー、ゴダード・リーバーソンさんへの感謝の気持ちを表した曲など、一つひとつの楽曲に愛情と思い出が詰まっています。
本作は、バーンスタインさんの音楽的才能と豊かな人間性が反映された珠玉の作品集。
大切な人への感謝の気持ちを伝えたいときや、人生の節目に聴きたい1枚です。
エル・サロン・メヒコCopland=Bernstein

メキシコシティのダンスホール「エル・サロン・メヒコ」の活気あふれる雰囲気を見事に音楽で表現した、アーロン・コープランドさんの交響曲『エル・サロン・メヒコ』。
曲中ではメキシコの民俗音楽が数多く引用されており、タイトルにもなっているダンスホールに集う人々の熱気が生き生きと描写されています。
レナード・バーンスタインさんによるピアノ編曲版は、オーケストラ版とはまた一味違った魅力があり、演奏会でもしばしば取り上げられる人気レパートリーです。
情熱的なラテン音楽のリズムに乗せて、ピアニストが自身の感性を存分に表現できる作品といえるでしょう!
ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」より「シンフォニック・ダンス」Leonard Bernstein

『ウエスト・サイド・ストーリー』からの『シンフォニック・ダンス』は、レナード・バーンスタインさんの多才な音楽性が光る傑作です!
ミュージカルの物語性を反映しつつ、クラシックの技法とジャズやラテン音楽の要素が見事に融合。
プロローグからフィナーレまで、各場面の感情が生き生きと描かれています。
特に『サムウェア』のセクションは感動的で、弦楽器のソロやロマンティックなホルンが心に響きます。
ベルンスタインさん生誕100年を記念して、世界中で広く演奏されたのも納得の名曲です!