【8ビットのすすめ】チップチューンの名曲まとめ
Chiptune、チップチューンというなんだか可愛らしい名前の音楽ジャンルを皆さんはご存じでしょうか。
主に80年代に誕生したパーソナルコンピューターやファミコン、ゲームボーイといった家庭用ゲーム機に使用されていた音源チップを用いて作られるジャンルの総称で、ピコピコした電子音が特徴のサウンドで構成されています。
とはいえ、実際にはチップチューンの手法を用いた幅広い音楽が生まれていることもあって、一筋縄ではいかない興味深いジャンルなのですね。
今回の記事では、そんなチップチューンの代表的なアーティストたちによる名曲を幅広い視点でお届けします!
チップチューンに最近興味を持ったという方も、ぜひご覧ください。
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【8ビットのすすめ】チップチューンの名曲まとめ(1〜10)
MEOWAnamanaguchi

アナマナグチ、という何だか不思議な語感のバンド名だけでも興味を掻き立てられますが、アメリカで活動する彼らはいわゆるロックバンド的なフォーマットでありながら、海外のファミコンであるNESとゲームボーイのサウンドを用いたチップチューンを鳴らすグループなのです。
日本でも来日公演が実現するなど高い人気を誇っており、あの初音ミクとコラボレーションした『Miku』という楽曲はYouTube上にて3,700万回以上もの再生数を記録しているのですね。
今回紹介している楽曲は、2013年の1月に公開された『MEOW』です。
古き良きゲームミュージックのみならず、日本の渋谷系や中田ヤスタカさんの音楽にも影響を受けたという彼らならではの、遊び心満点かつロック的なダイナミズムをも楽しめるノリノリのインストゥルメンタルミュージックは一度体験したらクセになってしまうかも!?
謎の日本語が飛び交うMVも必見ですから、曲とともにぜひ楽しんでくださいね。
Rock My EmotionsKitsune²

2007年にカナダ出身の作曲家にしてグラフィックデザイナーの顔を持つDave Remmlerさんによって設立されたエレクトロニックミュージック系の音楽を扱うレーベル「LapFox Trax」は、チップチューン界隈ではもちろんMAD動画の素材としても人気の高い楽曲を多くリリースしていることで知られています。
その別名義である「Kitsune²」はチップチューンに特化した楽曲を発表しており、本稿で取り上げている楽曲『Rock My Emotions』はその代表作の一つ。
2009年リリース作品のアルバム『Squaredance』に収録されている『Rock My Emotions』ですが、オリジナルの音源はYouTube上にて178万回をこえる再生数を記録するほどの人気を得ています。
ニコニコ動画におけるMAD動画の素材として多くのクリエイターが起用、オリジナルではなくそこからこの楽曲を知ったという方も多くいるようですね。
原曲は非常に洗練された完成度の高いチップチューンで、どこか切ないメロディがいかにも古き良きゲームサウンドといった趣。
ニコニコ動画などがお好きであれば、もしかしたらこの曲が原曲だと知らずに聴いていた方もいらっしゃるかもしれませんね。
Overlapping SpiralSaitone

日本人アーティストのサイトーンさんは、国内のチップチューンおよびエレクトロニカ系のシーンにおいて活躍しているミュージシャンです。
ゲームボーイなどを用いた楽曲を制作する一方でリミックスなどの仕事にも積極的に携わっており、クレジットでサイトーンさんの名前を見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなサイトーンさんが2008年にリリースした名盤『Overlapping Spiral』の収録曲から、今回はMVも作成された名曲『Overlapping Spiral』を紹介します。
サイトーンさんいわく「チップトロニカ」と称する音楽性の強みが存分に発揮された、チップチューン的要素とエレクトロニカの方法論を巧みに融合したサウンドはそれほどチップチューンに興味がないクラブミュージック好きにも響くはず。
【8ビットのすすめ】チップチューンの名曲まとめ(11〜20)
I Am A Fuckoka RaverUSK

なんとも強烈なインパクトのタイトルですが、こちらは京都府は西院を拠点とする8bit Music作曲家、USKさんが2010年に発表したEP作品『I Am A Fuckoka Raver』の表題曲です。
もともとはロックやパンクが好きでベースを弾いていたというUSKさんは2000年代にテクノに目覚め、後にチップチューンと出会ってサウンド改造したゲームボーイを用いてハードコアなチップチューンを提示、強烈なライブパフォーマンスも相まって世界的に注目されているアーティストなのですね。
あの老舗レーベル「8bitpeoples」から作品を発表した経歴も相まって、シーンにおける重要なアーティストでありつつ孤高の立ち位置で活躍するUSKさんの個性は、こちらの名曲を聴けばなんとなく理解できるはず。
ブレイクコア的な混沌の中にもチップチューン特有のレトロでチャーミングなメロディが聴きとれる、というセンスが素晴らしいですね。
SAMURAIサカモト教授

サカモト教授、とは何とも大胆なアーティスト名ですが、本名は坂本健太郎さんというサカモト教授は1980年生まれのミュージシャンであり、京都大学時代はあのヒャダインこと前山田健一さんと学部こそ違えど同級生だったのだとか。
幼い頃からピアノを習い絶対音感を持つというサカモト教授さんですが、なんといってもファミコンが上に乗ったマスクを着用して、そのファミコンに差し込んだソフトのゲーム音楽をチップチューンとして演奏する、という独創的すぎるスタイルが特徴的ですよね。
あの坂本美雨さんと「サカモト兄妹」なるユニットを結成するなど、チップチューンにとらわれないさまざまな活動を続けるサカモト教授さんが2011年にリリースしたオリジナルアルバム『SKMT』の中から、今回はオープニングを飾る名曲『SAMURAI』を紹介しましょう。
ファミコン的なピコピコサウンドとどこか郷愁を誘うメロディ、よくよく聴くとダンサンブルなベースラインも実にクールで、ダンスミュージックとしても素晴らしいクオリティとなっています。
純粋なチップチューンにはちょっと抵抗があるかも……という方にもおすすめですよ!
PULSE FIGHTERm7kenji x TORIENA

北海道は札幌出身、立命館大学在籍中に通称「LSDj」と呼ばれるゲームボーイ用の音楽制作ソフト「Little Sound Dj」を使って音楽制作を開始、活動初期は女子大生チップチューンアーティストとも呼ばれて話題を集めたトリエナさん。
2017年にはメジャーデビューを果たし、現在は東京を拠点としてフリーランスで活動を続けるトリエナさんですが、こちらの『PULSE FIGHTER』は2019年にスペインで開催されたゲームボーイ30周年を記念した展示用にトリエナさんが提供した楽曲で、MVはピクセルアーティストにして映像作家のm7kenjiさんが手掛けたもの。
疾走感あふれる文句なしのキラーチューンであることはもちろん、本当にこんなゲームがあるのでは、と思わせるチャーミングな魅力たっぷりのMVが持つ素晴らしさは必見ですね!
若い世代にとっては、このレトロでノスタルジック、カラフルな世界観はおしゃれなものだと感じられるのではないでしょうか。
コンピューター・ゲーム “サーカスのテーマ”Yellow Magic Orchestra

チップチューンの起源などは諸説あるのですが、日本が世界に誇る電子音楽グループのイエロー・マジック・オーケストラの存在は、チップチューンのインスピレーションの源であるレトロなゲーム音楽の歴史を語る上でも欠かせません。
彼らが1978年に発表した記念すべきセルフタイトルのデビューアルバムの冒頭を飾る『コンピューター・ゲーム “サーカスのテーマ”』は、一説によればチップチューンの元祖的な位置付けとしても評価されている名曲です。
2分に満たない長さですし、続く大名曲『ファイアークラッカー』へとつながるイントロダクションのような曲ではあるのですが、当時高い人気を誇っていたアーケードゲーム『サーカス』の音をシンセサイザーで再現した革新性は高く評価されており、実質的にゲームミュージックなる概念を世に知らしめたとも言われています。
純然たるチップチューンではないのですが、歴史をさかのぼっていくとこのような曲が何十年も前に生まれていた、という事実はぜひ知っておいてほしいですね!