シティポップの名盤!定番のアルバム・オススメの1枚
日本生まれの「シティポップ」は、インターネットの普及とともに海外の音楽ファンが再発見、ネット時代ならではのブームを巻き起こしています。
竹内まりやさんの『プラスティック・ラヴ』や松原みきさんの『真夜中のドア〜Stay With Me』といった曲が話題を集め、最近ではザ・ウィークエンドさんが亜蘭知子さんの『MIDNIGHT PRETENDERS』をサンプリングした楽曲を発表するなど、洗練された洋楽に影響を受けたシティポップが逆輸入のような形で海外の人々に受け入れられているのがおもしろいですよね。
本稿ではそんなシティポップをこれから聴いてみたい、という方に向けた「シティポップの定番の1枚」を紹介しています!
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シティポップの名盤!定番のアルバム・オススメの1枚
真夜中のドア STAY WITH ME松原みき

竹内まりやさんの『Plastic Love』に並んで、海外の音楽ファンによるシティポップ・ブームの象徴的な楽曲が松原みきさんの『真夜中のドア〜Stay With Me』です。
シティポップの生みの親の一人とも言える林哲司さんが作曲と編曲を手掛け、松原さんのデビュー・シングルとして1979年11月5日にリリースされた楽曲です。
当時としてもスマッシュ・ヒットを記録しているのですが、40年以上が過ぎた2020年にインドネシア人歌手RainychさんのカバーやTikTok動画での起用などのリバイバル・ヒットが巻き起こり、Spotifyのバイラルチャートで2020年12月より18日連続で世界1位を記録するなどのブームとなったのです。
同年には公式のリリック・ビデオが公開され、シティポップと同じように海外で人気の高い80年代風のレトロなアニメ調の映像が話題を呼びましたね。
シティポップ・ブームのきっかけを作った一人でもある、韓国の音楽プロデューサーNight Tempoさんによる公式リエディット版もリリースされるなど、その勢いは2022年の現在もまだまだ続いています。
本稿で取り上げている松原さんのデビュー・アルバム『POCKET PARK』は1980年にリリースされ、『真夜中のドア〜Stay With Me』はオープニング・ナンバーとして収録されていますよ。
アルバム自体もギタリストの松原正樹さんにベースとして後藤次利さん、その他にも名手とされるプレイヤーが多く参加した豪華な1枚となっており、シティポップらしい洗練された都会的なサウンドの中で伸びやかに歌い上げる松原さんの声とメロディも最高です!
ぜひ、曲単位ではなくアルバムを通して聴いてみてくださいね。
スノッブな夜へ国分友里恵

インターネット上におけるシティポップ再評価の中心人物と言える、韓国の音楽プロデューサーのNight Tempoさんが2021年にリリースした初のオリジナル・アルバム『Ladies In The City』には多くの日本人女性シンガーが参加していますが、刀根麻理子さんに国分友里恵さんという80年代から活動するシンガーの名前を見つけて思わずにやりとしたシティポップ好きは多くいらっしゃるのでは?
本稿で紹介しているアルバム『Relief 72 hours』は1983年にリリースされた国分友里恵さんのデビュー・アルバムであり、シティポップの文脈においても高い人気を誇る名盤の1つ。
当時は知る人ぞ知る作品であり、長い間未CD化となっていたのですが、2013年にようやくCDがリリースされたことで若い音楽ファンにも知られるようになった作品でもあるのですね。
本作は『真夜中のドア〜Stay With Me』をはじめとするシティポップの名曲や名盤を多く生み出した林哲司さんがプロデュースを務めており、手練れのミュージシャンたちによるグル―ヴィなアンサンブルが最高に心地良く、シティポップやライトメロウといった言葉に目がない方であれば確実にチェックすべき1枚です。
粒ぞろいの楽曲が並ぶ中、主役は間違いなく抜群の歌唱力と多彩な表現力で歌いこなす国分さんの魅力的な歌声でしょう。
80年代邦楽のレベルの高さを改めて感じられるアルバムですから、シティポップのみならず80年代のJ-POPシーンをもっと知りたいという方にもぜひ聴いていただきたいですね。
頬に夜の灯吉田美奈子

シティポップの名盤というテーマにおいても、必ずその名前が挙げられるアーティストの1人として、長きに渡って日本の音楽シーンをリードし続ける女性シンガーソングライターの代表的な存在、吉田美奈子さんがいます。
高校生の時に細野晴臣さんと松本隆さんに出会い、シンガーソングライターを志すようになったというエピソードは、もうそれ自体が日本の音楽の歴史そのものですよね。
1973年にはその細見さんのプロデュースでアルバム『扉の冬』をリリース、本格的なデビューを果たした吉田さんは、自身の楽曲はもちろん多くのアーティストへの曲提供やCM音楽の制作など、まさに卓越したソングライター兼音楽アレンジャーとしての才能を存分に発揮させた活動を続けます。
そんな吉田さんの作品は冒頭で触れたようにシティポップとしての人気も高いものが多いのですが、本稿では1982年にリリースした『LIGHT’N UP』を紹介しましょう。
吉田さんのディスコグラフィの中でも「ファンク時代の最期を飾る作品」とも呼ばれており、フュージョンやソウルからの影響を昇華した作風は、まさにシティポップとしての魅力も存分に詰まった作品だと言えるのですね。
ほとんどの楽曲は吉田さんが作詞と作曲を手掛け、フュージョン系の名手たちが隙のないアンサンブルで魅せるサウンドは文句のつけようがないほどの完成度を誇ります。
抜群の歌唱力で歌謡曲とは一線を画すメロディ・ラインをソウルフルかつ自在に歌い上げる、吉田さんのシンガーとしての素晴らしさも圧巻の一言!
サマー・コネクション大貫妙子

山下達郎さんとともにシティポップの始祖的な伝説のバンド「シュガー・ベイブ」を立ち上げ、解散後は卓越したシンガーソングライターとしてシーンに君臨し続ける大貫妙子さん。
彼女のアルバムも初期シティポップの名盤として高い人気を誇る作品が多く、本稿で取り上げている『SUNSHOWER』もその1つです。
1977年にリリースされた『SUNSHOWER』は大貫さんにとって通算2枚目となるアルバムで、1曲を除くすべての楽曲が大貫さんの作詞・作曲、編曲を坂本龍一さんが担ったまさに名盤の誉れ高い1枚として海外での人気も高い作品なのですね。
2014年に放送されたバラエティ番組『Youは何しに日本へ?』において、本作のレコードを求めて日本にやってきた海外の音楽ファンがシティポップ好きの間で話題となったことも、海外における本作の人気の高さを裏付けるエピソードです。
そんな本作、残念ながら商業的な成功を収めるまでにはいたらなかったのですが、新進気鋭のミュージシャンたちが参加して、同時代的なフュージョンやクロスオーバーといったサウンドを全面的に取り入れた作風であり、1990年代以降に渋谷系の流れでクラブ世代から再評価されたアルバムでもあるのです。
吉田さんのシンガーソングライターとしての才能はもちろん、YMO以前の坂本教授による確かなプロデューサーとしての手腕、フュージョン好きにはおなじみのグループStuffのドラマーであるクリス・パーカーさんが生み出した心地良いグルーヴ、先進的なサウンドは、今後もますます評価が進むことでしょう。
悲しみがとまらない杏里

17歳という若さでJ-POP史に残る名曲『オリビアを聴きながら』でデビューを果たし、1980年代には「夏」や「海」といったイメージを押し出した作風で大人気を博した杏里さん。
2020年代の現在も第一線で活躍を続ける杏里さんですが、角松敏生さんや小林武史さんらと組んで生みだした80年代の名盤たちは、シティポップの観点においても人気の作品が多く、杏里さんは海外の音楽ファンからシティポップの女王といったような評価を受けているほどです。
そんな杏里さんのディスコグラフィの中でも、初のオリコン・チャート1位を獲得した1983年の名盤『Timely!!』を紹介しましょう。
この時点ではまだそれほど有名ではなかった角松敏生さんがプロデュースを手掛け、冒頭で触れた杏里さんのイメージを決定付けた1枚としても重要な作品なのですね。
同名のテレビ・アニメ作品の主題歌としてもおなじみのヒット曲『CAT’S EYE』や、同じく杏里さんの代表曲の1つ『悲しみがとまらない』を収録したJ-POPとして強力なポピュラリティを兼ね備えた1枚でありながら、シティポップ好きにはたまらない夏真っ盛りな名曲たちがずらりと並ぶ名盤中の名盤です。
『A HOPE FROM SAD STREET』や『LOST LOVE IN THE RAIN』といった楽曲では杏里さん自身が作曲を担い、シンガーソングライターとしての才能も発揮しているところにも注目していただきたいですね。