シティポップの名盤!定番のアルバム・オススメの1枚
日本生まれの「シティポップ」は、インターネットの普及とともに海外の音楽ファンが再発見、ネット時代ならではのブームを巻き起こしています。
竹内まりやさんの『プラスティック・ラヴ』や松原みきさんの『真夜中のドア〜Stay With Me』といった曲が話題を集め、最近ではザ・ウィークエンドさんが亜蘭知子さんの『MIDNIGHT PRETENDERS』をサンプリングした楽曲を発表するなど、洗練された洋楽に影響を受けたシティポップが逆輸入のような形で海外の人々に受け入れられているのがおもしろいですよね。
本稿ではそんなシティポップをこれから聴いてみたい、という方に向けた「シティポップの定番の1枚」を紹介しています!
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シティポップの名盤!定番のアルバム・オススメの1枚(11〜20)
Midnight Pretenders亜蘭知子

日本のシティポップが海外で大人気という事実は今さら説明するまでもないのですが、2022年2月にリリースされて大ヒットを記録中のザ・ウィークエンドさんによる通算5枚目となるアルバム『Dawn FM』に収録されている楽曲『Out Of Time』の存在は、シティポップの盛り上がりをますます加速させるきっかけとなるでしょう。
ロマンチックでメロウかつポップな『Out Of Time』のイントロから聴ける印象的なメイン・フレーズは、シティポップ史の中でも重要なアーティストとして知られる亜蘭知子さんが1983年に発表した『Midnight Pretenders』からの引用なのですね。
90年代において大ヒットを記録したビーイング系の名曲たちの作曲でもおなじみ、あの織田哲郎さんがソロ・デビュー間もない頃に携わった作曲仕事としても知られている『Midnight Pretenders』は、亜蘭知子さんにとって3枚目となるアルバム『浮遊空間』に収録されています。
アルバムの全曲を亜蘭知子さんが作詞を担い、プロデュースを手掛けたFENCE OF DEFENSEのベース兼ボーカリストである西村麻聡さんがほとんどの曲の作曲と編曲を担当している本作は、シティポップの名盤として高い人気を誇る1枚。
前述した『Midnight Pretenders』と『I’M IN LOVE』は、2020年代のシティポップ・ブームの流れで7inchシングルとしてリイシューされているほどですから、その人気の高さが分かるというものでしょう。
アルバム全体的には80年代のニューウェーブど真ん中のデジタルなポップスという趣が強く、当時の邦楽の先進性をも感じ取れる名盤ですよ!
悲しみがとまらない杏里

17歳という若さでJ-POP史に残る名曲『オリビアを聴きながら』でデビューを果たし、1980年代には「夏」や「海」といったイメージを押し出した作風で大人気を博した杏里さん。
2020年代の現在も第一線で活躍を続ける杏里さんですが、角松敏生さんや小林武史さんらと組んで生みだした80年代の名盤たちは、シティポップの観点においても人気の作品が多く、杏里さんは海外の音楽ファンからシティポップの女王といったような評価を受けているほどです。
そんな杏里さんのディスコグラフィの中でも、初のオリコン・チャート1位を獲得した1983年の名盤『Timely!!』を紹介しましょう。
この時点ではまだそれほど有名ではなかった角松敏生さんがプロデュースを手掛け、冒頭で触れた杏里さんのイメージを決定付けた1枚としても重要な作品なのですね。
同名のテレビ・アニメ作品の主題歌としてもおなじみのヒット曲『CAT’S EYE』や、同じく杏里さんの代表曲の1つ『悲しみがとまらない』を収録したJ-POPとして強力なポピュラリティを兼ね備えた1枚でありながら、シティポップ好きにはたまらない夏真っ盛りな名曲たちがずらりと並ぶ名盤中の名盤です。
『A HOPE FROM SAD STREET』や『LOST LOVE IN THE RAIN』といった楽曲では杏里さん自身が作曲を担い、シンガーソングライターとしての才能も発揮しているところにも注目していただきたいですね。
Down Townシュガー・ベイブ

シティポップ前夜といえる1970年代、山下達郎さんや大貫妙子さんといった日本を代表するミュージシャンたちが若き日に結成したシュガー・ベイブという伝説的なバンドをご存じでしょうか。
3年程度の活動、アルバムも1枚を残しただけで商業的な成功には恵まれなかったのですが、従来の日本の歌謡曲とは全く違うセンスで生み出された音楽は、在籍していたメンバーたちのその後の活躍もあって再評価が進み、日本の音楽史を語る上でも欠かせない重要なバンドとして認知されるにいたっています。
そんなシュガー・ベイブにとって唯一となったアルバム『SONGS』は1975年にはっぴいえんどの大瀧詠一さんが設立したナイアガラ・レーベル第一弾としてリリース、プロデュースも大瀧さんが手掛け、20代前半の才能豊かな若きミュージシャンたちが生み出した革新的な作品はJ-POPの金字塔であり、シティポップの文脈においても必ず紹介しなくてはならない名盤なのですね。
同時代の洋楽の名盤と比べても遜色のない完成度の高さは今でこそ多くの音楽ファンから評価されていますが、当時はあまりにも先鋭的すぎて受け入れられなかったというのが通説となっています。
多くのアーティストがカバーした名曲『DOWN TOWN』を始めとして、美しいコーラス・ワークや凝りに凝ったきらびやかなアンサンブル、エバーグリーンなメロディ・ライン……いつ聴いても新しい発見のある本作は現時点ではサブスクなどで聴くことはできませんが、ぜひCDやレコードを買って体験してほしいですね。
ピンク・シャドウブレッド&バター

岩沢幸矢さんと岩沢二弓さんという兄弟で結成されたブレッド&バターは、兄弟フォーク・デュオとして知られている2人組ながら、フォークにとどまらずボサノバなどさまざまな音楽性持ったサウンドを展開、シティポップという観点においても人気の高い存在です。
出身地にちなんで加山雄三さんやサザンオールスターズといった大物と同じく「湘南サウンド」と親しまれている彼らの音楽は、フォークというジャンルに対するイメージを変えてくれるような個性が感じ取れます。
彼らが1974年に発表した『ピンク・シャドウ』はシティポップ・クラシックとしてその名を刻む大名曲として知られていますが、その名曲が収録されたアルバム『Barbecue』は間違いなくシティポップに興味を持っている音楽ファンがチェックすべき名盤なのですね。
フォークの形式から逸脱したメロディ・センスや歌詞は独特ですし、当時の歌謡曲やフォークソングとは全く違う洋楽からの影響を感じさせるグルーヴを生み出すアンサンブルは時代を考えても驚異的と言えそうですね。
何といっても参加メンバーの豪華さは特筆すべきもので、ティン・パン・アレー、サディスティック・ミカ・バンド、トワ・エ・モワ、ハイ・ファイ・セットといったグループのメンバーたちが参加しているのです。
日本のポピュラー音楽史の歴史そのものといった作品であることは間違いないですし、後に山下達郎さんが前述した名曲『ピンク・シャドウ』をカバー、1978年に発表されたライブ・アルバム『IT’S A POPPIN’ TIME』に収録されたということも意義深いですよね。
こぬか雨伊藤銀次

国民的テレビ番組『笑っていいとも!』といえば、いいとも青年隊が歌うオープニング曲『ウキウキWatching』の存在は欠かせないですよね。
曲自体も国民的な名曲と言えますが、作曲を担ったのは誰なのか皆さんはご存じでしょうか。
作曲者である伊藤銀次さんは、山下達郎さんや大貫妙子さんといった大物ミュージシャンを輩出した伝説的なバンド、シュガー・ベイブの第2期メンバーとして参加、唯一のアルバムとなった『SONGS』ではいくつかの楽曲で作詞を担当しており、山下さんと大瀧詠一さんとで組んだナイアガラ・トライアングルなどの活動でも知られているミュージシャンです。
ソロのシンガーソングライターとしての活動はもちろん、アレンジャーとしてもプロデューサーとしても多岐に渡って活躍している伊藤さんが1977年に発表したソロ第一弾となったアルバム『デッドリイ・ドライブ』は、2017年に40周年記念デラックス・エディションとしてリイシューされるなど、名盤の誉れ高い1枚。
大貫妙子さんや坂本龍一さんといった盟友たちが参加、まさにシティポップらしさ満点の都会的で洗練されたサウンドと上品な伊藤さんの歌声が絶妙にマッチした名盤なのですね。
名曲『こぬか雨』はごまのはえというバンドで活動していた時期の曲で、シュガー・ベイブ時代にもライブで演奏されていた曲。
アルバムの素晴らしさは言うまでもなく、日本の音楽史およびシティポップ史という観点でも意義深い作品だと言えましょう。

