ギター初心者のための左手エクササイズ。苦手を克服する24の運指
「練習を一所懸命やっているのに、全然うまく弾けない」などと、悩んでいませんか。
「うまく弾けない」のには、必ず原因があります。
その原因を見つけ出し、うまく弾けるように矯正するのがエクササイズの目的です。
もくじ
左手の指の動態能力を鍛える
このエクササイズでは、左手の基本的な構え方を身に付け、押弦する指の動態能力を向上させることができます。
俊敏性、柔軟性、持久力、各指の独立性などを鍛えるのが目的です。
特に「薬指と小指が同時に動いてしまう(独立して動かせない)」「小指でしっかりと押弦できない」という方におすすめのエクササイズです。
回り道のように思えるかもしれませんが、地道な基礎練習こそが確かな技術習得への近道なのです。
左手の指の動かし方は24通り
左手の指番号をご存じですか?
左手の指番号:1=人差し指、2=中指、3=薬指、4=小指
運指を楽譜に記す際などに役立ちますので、指番号は覚えておくと便利です。
突然ですが、ここで問題です。
1(人差し指)、2(中指)、3(薬指)、4(小指)の4本の指を1回ずつ動かします。
さて何通りの動かし方があるでしょうか?
答えは24通りです。
1234 1243 1324 1342 1423 14322134 2143 2314 2341 2413 24313124 3142 3214 3241 3412 34214123 4132 4213 4231 4312 4321
この24通りをエクササイズすれば、必ずや苦手な運指を克服することができるでしょう。
クロマチックな運指【1234-4321】
まずは最も基本的な運指【1234-4321】から始めてみます。
使用する弦は、左手のフォームが安定しやすい3弦が良いでしょう。
1本の弦を同じ型(ここでは【1234】)で、1フレットずつ上行しながらひたすら弾きます。
小指が12フレットまで来たら下行しますが、運指は上行と逆(【4321】)になります。
フラットピックを使用する場合、右手のピッキングは、ダウンとアップを正確に繰り返すオルタネイト・ピッキングです。
しかし、初心者の方は、すべてダウンの方がやりやすいかもしれませんので、まずはそちらでトライしてもかまいません。
フィンガー・ピッキングの場合は、人差し指と中指で交互に弾きます。
※TAB譜は、途中を省略しています。
【1243 – 3421】【1324 – 4231】
続いて、【1243 – 3421】【1324 – 4231】の運指をエクササイズしてみましょう。
【1243 – 3421】
※TAB譜は、途中を省略しています。
【1324 – 4231】
※TAB譜は、途中を省略しています。
留意すべき5つのポイント
このエクササイズで留意すべきポイントです。
- ゆっくりとしたテンポで弾きましょう。
- 各指はギターのボディ側のフレット近くを押さえましょう
- 各指は力を入れ過ぎないで弦を軽く押さえましょう
- 押弦していない指は弦からあまり離れないようにしましょう
- 音が途切れないように弾きましょう
メトロノームを使って正確なリズムで弾くように心がけるべきですが、各々の運指に慣れるまでは使わなくても良いでしょう。
このエクササイズは速いテンポで弾いても、あまり意味がありません。
的確な左手の姿勢や、合理的な指の動かし方を身に付けるための練習なのですから、ひとつひとつの動作を細部まで確認しながら弾くことが大切です。
24の運指をすべて実行するのは時間がかかりますが、苦手な運指を重点的に練習するだけでも効果があります。
地道な努力がいつの日か実を結ぶはずです。
ライタープロフィール
ギター・ウクレレ講師
千葉幸成
スタジオ・スクリプト(ギター、ギタレレ、ウクレレ教室、構成作家の仕事場)
ウェブサイト:http://studio-script.com
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/ChibaKosei