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【難易度低め】フランツ・リストのおすすめのピアノ曲【中級】

フランツ・リストといえば19世紀における代表的なピアニスト兼作曲家の1人であり、ニコロ・パガニーニに影響を受けたという超絶技巧でも知られていますよね。

パガニーニのヴァイオリン協奏曲を主題として編曲した『ラ・カンパネラ』や『ハンガリー狂詩曲 第2番』といった代表的な作品は高度なテクニックが要求され、比較的易しいとされる有名な『愛の夢 第3番』も実際に弾くとなると上級レベルです。

それでもリストの曲をどうにか弾いてみたいという中級者レベルの方に向けて、今回の記事ではマイナーな作品も含めてリサーチ、リストの作品としては難易度が低めな楽曲を集めてみました。

ピアニストとしてレベルを上げたい方も要チェックです!

【難易度低め】フランツ・リストのおすすめのピアノ曲【中級】(11〜20)

巡礼の年 第3年 第3曲『葬送行進曲』Franz Liszt

F.Liszt:Années de pèlerinage−Ⅲ S.163 No.6 “Marche funèbre”
巡礼の年 第3年 第3曲『葬送行進曲』Franz Liszt

ピアノ中級者にとって比較的取り組みがしやすい一曲をご紹介します。

1867年に作曲された本作は、メキシコ皇帝マクシミリアン1世の悲劇的な運命に触発されて生まれました。

リストの深い感情表現と歴史的背景が織り込まれた本作は、悲しみと哀悼の念を静かに、しかし力強く描き出しています。

ピアノ演奏技術の向上を目指す方はもちろん、歴史や音楽史に興味のある方にもおすすめの一曲です。

リストの音楽的旅路と精神的探求を感じられる、感動的な作品となっています。

忘れられたワルツ 第1番Franz Liszt

忘れられたワルツ 第1番(リスト)Valse oubliée No.1 (Liszt)
忘れられたワルツ 第1番Franz Liszt

19世紀の巨匠フランツ・リストが残した珠玉の小品です。

ハンガリー出身の超絶技巧を持つピアニストとしても知られるリストが、晩年の1881年7月に作曲しました。

優美な旋律と大胆な和声が織りなす3分程の小曲は、リストの成熟した音楽性が凝縮されています。

浮遊感のある響きと定型的なワルツの要素が絶妙に調和し、過ぎ去った時代への郷愁を感じさせます。

ピアノ中級者の方にもチャレンジしやすい難易度で、リストの世界に触れる良い入り口となるでしょう。

コンソレーション 第4番Franz Liszt

Franz Liszt – Consolation No. 4 (audio + sheet music)
コンソレーション 第4番Franz Liszt

世の中のすべてのものが浄化されていくような美しさをたたえた『コンソレーション 第4番』。

和音が連続するコラール風の作品で、中間部にもの悲しい雰囲気の短調の部分が挟まりますが、最後は穏やかに終息します。

テンポが速く音数の多い曲の方が難しいと思われがちですが、和音をきれいに演奏することも同じくらい難しいもの。

左右の縦のラインをそろえることはもちろん、和音の中でどの音に重心を置いて響かせるかを考えることも重要です!

ご自身のピアノの音をよく聴きながら、和音で美しいメロディーを紡いでいきましょう。

無調のバガテルFranz Liszt

Franz Liszt Bagatelle sans tonalite リスト「無調のバガテル」
無調のバガテルFranz Liszt

本曲はフランツ・リストが晩年に手がけたリストの探求心ある革新的な作品です。

1885年7月、ヴァイマルで初演されたこの曲は、リストの「調性の抹殺」という意図を反映しています。

トリトヌスや減七和音を多用し、独特の雰囲気を醸し出す本作は、調性からの解放を追求した試みとして高く評価されています。

伝統的な和声法にとらわれない斬新な音楽表現に興味がある方や、リストの音楽的探求心に触れたい方におすすめの一曲です。

コンソレーション 第1番Franz Liszt

リスト/ コンソレーション第1番 S.172
コンソレーション 第1番Franz Liszt

『コンソレーション』は、6つの楽曲からなるピアノ作品集です。

超絶技巧練習曲集などの華やかさや激しさをともなう曲集とは異なる、穏やかで心が安らぐ落ち着いた曲想が、多くのクラシックファンの心をとらえています。

第1番は、讃美歌風の小品で、和音を多用したメロディーが穏やかに進んでいきます。

譜面はさほど複雑でなく、演奏時間も2分弱と短いため、フランツ・リストの楽曲の中でもチャレンジしやすい作品といえるでしょう。

静かな教会に、美しいピアノやオルガンの音色が響く様子を思い浮べながら、弾いてみてくださいね。

巡礼の年 第2年 第2曲『物思いに沈む人』Franz Liszt

フランツ・リストがイタリアを旅行した際に触れた、絵画や文学などの芸印象を音楽に表したとされているのが、『巡礼の年 第2年』の全7曲。

第2曲『物思いに沈む人』は、葬送曲のような重々しく静寂な曲調の作品です。

演奏する際には、オクターブの重音や和音を十分に体重を乗せて響かせ、音に深みを持たせることが大切です。

一説によると、この曲はダビデ像などで有名な彫刻家であるミケランジェロが手掛けた彫像からインスピレーションを受けているのだそう。

ミケランジェロの彫刻を見てから想像を膨らませてから演奏するとよいかもしれません。

おわりに

フランツ・リストの曲を弾くというのはクラシック音楽を愛するピアニストにとっては一つの夢とも言えますが、どうしてもテクニックが追いつかない……という方も多いでしょう。

今回紹介している作品たちはリストの中でもそれほど有名とは言えない曲も多いですが、『ブルクミュラー 25の練習曲』やソナチネがある程度弾けたら頑張れる曲を選んでみました。

まずはここからでもピアノの魔術師と呼ばれたリストの世界へと足を踏み入れてみてはいかがですか。