【青春の輝き】ネオアコースティックの名盤。ネオアコ基本の1枚!
ある程度洋楽に詳しい方であれば、ネオアコースティックという音楽ジャンルの存在をご存じでしょう。
お好きな邦楽アーティストが影響を口にしていて知った、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
1980年代初頭のイギリスにおいて、後に名門と呼ばれるいくつかのインディーズ・レーベルからアコースティック・サウンドを軸とした音楽性を独自に表現するバンドが多く生まれ、それらを総称して日本の音楽メディアがネオアコースティック、略して「ネオアコ」と呼んだのが始まりとされています。
本稿では、そんな「ネオアコ」のまずはこの1枚な名盤をピックアップ、基本ということで今回はイギリスのバンドをメインで紹介します!
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【青春の輝き】ネオアコースティックの名盤。ネオアコ基本の1枚!(1〜10)
WallflowerThe Monochrome Set

ネオアコやギターポップを語る上で欠かせないバンドと呼ばれながらも、英国らしいひねくれたセンスと高度な音楽性を持ち合わせた個性的なバンドとして、イギリスのインディーズ・ロック史にその名を刻むバンドがモノクローム・セットです。
一筋縄ではいかない彼らの魅力は1枚のアルバムで理解できるものではありませんが、ネオアコという観点でオススメしたいアルバムが、1985年にリリースされた通算5枚目のアルバム『The Lost Weekend』です。
残念ながら商業的には成功せず、本作をリリース後にバンドは一度解散してしまうのですが、フロントマンのビドさんが持つポップ・センスが際立つ1枚となっており、非常に聴きやすい作品となっているのですね。
ネオアコ~ギタポのコンピレーション盤で取り上げられる率の高い名曲『Wallflower』や、フリッパーズ・ギターの『Hello』の元ネタと言われている『Jacob’s Ladder』といったポップなキラーチューンはもちろん、哀愁漂うアコースティックなスロウ・ナンバーも素晴らしいアルバムです。
初期の音楽制作において重要な役割を担っていたギタリスト、レスター・スクエアさんが脱退後の作品ということで賛否両論な評価も受けるアルバムですが、まずは本作から彼らの世界に足を踏み入れてみるというのは決して悪くない選択肢のはず!
Nothing to be doneThe Pastels

ネオアコに限らず、80年代の英国インディー・ロックの中では歌も演奏もヘタだけど他にはない味わいで愛されているバンドが少なからず存在しており、そういうバンドこそを好んで聴いているファンも実は多かったりします。
スコットランド出身、カルト的な人気を誇るザ・パステルズは、まさにそういった技術的な良し悪しといった議論とは全く違う方向性で独自の音楽を鳴らすバンドです。
限りなくマイペースな活動歴の中でリリースしたアルバムは現時点で5枚ですが、今回紹介するのは1989年にリリースされたセカンド・アルバム『Sittin’ Pretty』です。
アコギのバッキングと歪んだギターの音色とのコントラストが独自の疾走感とポップさを生み出す名曲『Nothing to Be Done』をはじめとして、どこまでもゆるくヘロヘロしたサウンドながら、不思議と親しみやすいメロディが何とも味わい深い名作なのですね。
どちらかといえばオルタナティブロックやギターポップ的な質感が強いのですが、激しめのギターの中にもアコースティック・ギターの音色が随所に導入されているところに耳を傾けてみてくださいね。
そんなパステルズですが、1998年にリリースされたリミックス・アルバム『Illuminati』には、あのマイ・ブラッディ・バレンタインやステレオラブ、キッド・ロコといった面々が参加しているわけで、いかに彼らが愛されているのかが分かるというものでしょう!
Happy HourThe House Martins

ネオアコも含めて、特にインディーズ系のバンドが多くを占めるジャンルの名盤やバンドを掘り下げていく中で、数年後に全く違う方向性で有名となるミュージシャンが在籍していたことを知る、というのも後追い世代ならではの楽しみだと思います。
1983年にイギリスで結成されたハウスマーティンズはネオアコ界隈で人気の高いバンドですが、実は後にイギリスの国民的なバンドとなるビューティフル・サウスのフロントマンとなるポール・ヒートンさんと、ビッグ・ビートと呼ばれるサウンドで世界的な人気者となるファットボーイ・スリムことノーマン・クックさんが在籍していたことでも知られている存在なのですね。
そんな偉大なミュージシャンを輩出したハウスマーティンズが1986年に発表したデビュー・アルバム『London 0 Hull 4』は、とにかく爽やかでポップかつキャッチー、ネオアコ~ギターポップの金字塔的な作品として人気の1枚です!
オープニングを飾るキラーチューン『Happy Hour』を含む、当時ヒットしたシングル4曲をはじめとして、ピアノ・ロック的なアンサンブルがポップかつ切ない『Get Up Off Our Knees』など名曲ばかりで、あまりクセのないサウンドが非常に聴きやすく、とにかく楽しい気持ちにさせてくれるハッピーなアルバムですよ。
【青春の輝き】ネオアコースティックの名盤。ネオアコ基本の1枚!(11〜20)
You Didn’t Love Me ThenThe Hit Parade

何とも爽やかでイノセンスなアルバムのジャケットが、音をそのまま物語っているようなネオアコの名盤ですね!
ザ・ヒット・パレードは1984年にソングライターのジュリアン・ヘンリーさんを中心としてロンドンで結成されたバンドで、意外なところでは後にPIGなどのインダストリアルロック・サウンドで有名となるレイモンド・ワッツさんも結成メンバーの1人だったりします。
マイペースながらも長きに渡り活動を続けているそんな彼らの代表作にしてネオアコの名盤、1988年リリースのデビュー作『With Love From The Hit Parade』を紹介しましょう。
DIYの精神で作られた本作は、お世辞にもプロダクションが良いとは言えず素朴な手作り感が満載のサウンドではありますが、楽曲の良さが突出しているからこそ名盤として2020年代の今も愛され続けているのですね。
フリッパーズ・ギターの名曲『 Camera Full Of Kisses/全ての言葉はさよなら』の元ネタとしても有名な『You Didn’t Love Me Then』をはじめとして、どの楽曲も短くも美しい青春の輝きがちりばめられた名曲ぞろいの1枚となっております。
2007年に日本のVINYL JAPANがボーナストラックを大量に追加して紙ジャケット仕様で再発してくれていますから、レコード屋などで見つけ次第迷わず購入することをオススメしますよ!
Life In A Northern TownThe Dream Academy

ネオアコースティックの枠内で語られるバンドの中では、異彩を放つバンドといってもよいでしょう。
イギリス出身のドリーム・アカデミーは、1983年に結成された3人組のバンドです。
彼らの音楽は80年代的な豪華なロック・サウンドとは一線を画す、シンプルなアコースティック・サウンドを全面に押し出しながらも、オーボエやサックスなどの楽器を巧みに導入するなど、独自のセンスで織り成す淡く美しい、そしてどこかひんやりとした質感を持ったサウンドが特徴的です。
あのピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアさんが共同プロデュースを務めた1985年のセルフタイトルのデビュー・アルバムは、そんなドリーム・アカデミーの独自性が際立つ色あせない名盤です!
本国だけでなくアメリカでもヒットとなった、アルバムのオープニングを飾る大名曲『Life In A Northern Town』をまずは聴いてみてください。
クラシックの要素をロックに持ち込んだバロック・ポップ的な要素も感じさせる、シンプルながらも流麗なサウンドと美しいコーラスワークはいつ聴いても素晴らしいです。
アルバム全体的にどことなく冬の空気が漂っており、寒い時期に聴きたくなる作品という気もしますね。
決して派手さはなく、ネオアコ的なキラキラした青春の音とはまた違った世界ですが、80年代のイギリスにこういう音があり、しかも高く評価されて商業的な成功を収めたという事実はぜひ知っておいてください。
Freeze OutEast Village

たった1枚のアルバムやEPを残して解散、というバンドにこそ熱狂的なファンが多かったりするのもネオアコというジャンルの奥深い一面なのですが、本稿で紹介するイースト・ヴィレッジもまさにそういった存在の1つ。
イギリス出身の彼らは1987年に結成、いくつかのシングルをリリースするも1991年に解散しまうのですが、1993年に名門インディーズ・レーベルのヘヴンリー・レコーズより唯一のアルバム『Drop Out』がリリースされています。
一時期はプレミア価格が付くほど中古市場で高騰していましたが、2002年に一度アナログ盤で国内初リリース、2006年にはCD2枚組のデラックス・エディションで再発、こちらも日本でもリリースされました。
2013年にはアナログ盤で再びリイシューされているほどに、ネオアコ~ギターポップ界隈では高い人気を誇るマストな1枚として知られているのですね。
肝心の音はといえば、珠玉のメロディと繊細なバンド・アンサンブルが織り成す、色あせない名曲がこれでもかと詰め込まれた素晴らしいアルバムとなっております。
ネオアコ~ギターポップの作品はアートワークが特徴的でオシャレなものが多く、ジャケット自体が名盤たる理由の1つとなっている印象があります。
そういう意味でも、映画の一場面を切り取ったような美しい本作のアルバム・ジャケットは、アナログ盤でこそ所有していただきたいと感じますね!
State Of ArtFriends Again

1984年にリリースされた本作『Trapped And Unwrapped』もまた、ネオアコ界隈ではよくある「唯一のアルバムにして名盤」な1枚です!
スコットランド出身のフレンズ・アゲインが残した本作は、彼らにとってのデビュー作にしてラスト作となった作品。
フリッパーズ・ギターの楽曲の中で、このバンド名から引用したものがある、と言えばその人気の高さが理解できるというものでしょう。
多くの英国音楽の名盤を手掛け、2021年に惜しくも亡くなってしまった名プロデューサーのボブ・サージェントさんがプロデュースを担った本作は、同郷のアズテック・カメラやオレンジ・ジュースと同じく甘酸っぱいポップさとメロディが持ち味ながら、適度にソウルやファンクからの影響を感じさせるサウンドが特徴的。
軽快なカッティングとソウルフルなアレンジに心躍る『Lucky Star』が最高のオープニングを飾り、文句なしのポップネスに降参するしかない『Sunkissed』やネオアコ・クラシックと呼びたいアルペジオのきらめきと上品なストリングスが際立つ名曲『State Of Art』など、とにかく聴いていて気分が良くなる名曲ばかりで嬉しくなってしまいますね!
レアな音源や初期のシングルなどを追加収録したバージョンで再発されておりますから、こちらも見つけ次第入手しましょう!





