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【洋楽】ポストハードコアとは~代表的なバンドまとめ

洋楽や邦楽を問わず、エモやラウドといった形で紹介されるバンドをお好きな方であれば、一度は「ポストハードコア」なるジャンルを目にしたことがありますよね。

1970年代後半から始まったハードコアパンクを出自とするバンドたちの中で、既存のハードコアに収まりきらない独自の音を鳴らす面々が「ポストハードコア」と呼ばれるようになったのですが、さらにエモコアやスクリーモなどの派生ジャンルが生まれ、2000年代以降はより広い意味で使われており、定義付けが非常に難しいジャンルです。

今回の記事では、そんなポストハードコアの形成という意味で重要な役割を果たした、1980年代から1990年代にかけてデビューしたバンドを一挙紹介します!

【洋楽】ポストハードコアとは~代表的なバンドまとめ

For Want OfRites of Spring

ポストハードコア黎明期の1980年代前半から中盤にかけて活動、アルバムとEP作品を1枚ずつ発表して解散したバンドながら、後続のエモやポストハードコア系のバンドの先駆的な存在としてリスペクトされているのが、ライツ・オブ・スプリングです。

ワシントンD.C.のハードコアパンクシーンにおいても欠かせない存在であり、メンバーのギィ・ピチョットさんとブレンダン・キャンティさんは後にフガジとして活躍することでも知られています。

年代的にもまだまだゴリゴリのハードコアパンクが中心のシーンの中で、ほとばしるエモーションに満ちたメロディと、単純なパワーコードとは一線を画す繊細なギターワーク、性急なリズムを駆使した楽曲を展開していたというのは本当にすごいですよね。

間違いなく1990年代以降のエモコアやポストハードコアの原型であり、歴史を探っていく上でも確実におさえるべきバンドだと言えましょう。

ディスコードレコードよりディスコグラフィ盤『End on End』がリリースされていますから、オリジナル盤がほしいといったこだわりがなく、とりあえず聴いてみたいという方はこちらを入手することをおすすめします!

Altoids, Anyone?Tar

シカゴのポストハードコアやノイズロックと言えば、スティーヴ・アルビニさん率いるシェラックやジーザス・リザードといったレジェンドたちが筆頭に挙げられますが、マイナーな存在ながらぜひ知っておいていただきたいバンドが1988年から1995年まで活動した4人組のタールです。

もともとはハードコアパンクを演奏していたという彼らの音楽性は非常に興味深く、フリーキーなポストハードコアを軸としながらも独特のユーモアを兼ね備えたサウンドが他のバンドとはまた違った魅力を放っているのですね。

ノイジーなリフと時に変拍子も織り交ぜたリズムが織り成すグルーヴは混沌やダークさよりも奇妙な雰囲気を作り上げ、誤解を恐れずに言えばポップな要素さえ感じ取れるというのがおもしろい。

1991年のデビュー作『Roundhouse』の時点でその片鱗はうかがえるのですが、シカゴが誇る名門レーベル、タッチ・アンド・ゴー・レコーズよりリリースされたサード作『Toast』辺りから彼ら独自の個性がより明確となった印象ですね。

通算4枚目にしてラストアルバムとなった『Over and Out』は、スティーヴ・アルビニさんとボブ・ウェストンさんという名匠がエンジニアとして参加、彼らの追求してきた音楽性の完成形として推薦したい名盤です。

余談ですが、彼らはアルミニウム製のギターを使っていることでも知られており、EP作品『Clincher』のジャケットはそのギターの写真が使われていますよ。

おわりに

冒頭でも述べましたように、そもそもポストハードコアはジャンルの定義が曖昧で一口に語れるものではないのですが、さまざまな音楽ジャンルを内包しつつも根底にハードコアの魂が感じ取れる音楽こそが「ポストハードコア」と呼べるのかもしれません。

その起源がどこから来ているのか、ポストハードコアの歴史について今回の記事で少しでも興味を持っていただけたのであれば嬉しいです!