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【洋楽】ハードコアパンクの名曲・人気曲~入門編

【洋楽】ハードコアパンクの名曲・人気曲~入門編
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【洋楽】ハードコアパンクの名曲・人気曲~入門編

パンク・ロックのアグレッシブな発展形として1970年代後半に生まれた、ハードコア・パンク。

ほとんどが1分や2分足らずの短くファストな曲の連打、ひたすら過激で激しい……といったイメージを持たれている方も多いかもしれません。

もちろんそういった面もハードコア・パンクの特徴であり魅力ではありますが、後にメタルやロックなどと融合してさまざまなサブジャンルが生まれたハードコア・パンクの奥深さは、一言で語れるようなものではありません。

本稿ではハードコア・パンクの草分け的なバンドを中心として、主に80年代に生まれた代表曲や名曲を選んでみました。

ジャンルの入門編としてもぜひご活用ください!

もくじ

【洋楽】ハードコアパンクの名曲・人気曲~入門編(1〜20)

Hear Nothing See Nothing Sey NothingDischarge

イギリスが誇るハードコア・パンクの代表格にして最高峰の1つ、ディスチャージ!

ボーカリスト、そしてギターを務めるロバート兄弟を中心として1977年に結成され、そのバンド名はセックス・ピストルズの楽曲『Bodies』から引用したものです。

とはいえ彼らのサウンドは70年代のロンドン・パンクとは一線を画す、まさにイメージ通り「ハードコア」なもので、メタリックかつノイジーなギターと疾走するドラムスはパンクのみならずメタル・バンドにも熱烈なファンが多く、特にメタリカを始めとする80年代のスラッシュ・メタル系のサウンドには直接的な影響を及ぼしていますね。

本稿で取り上げている楽曲『Hear Nothing See Nothing Say Nothing』は、1982年にリリースされた記念すべきデビュー・アルバムの表題曲です。

純然たる怒りが込められた過激なサウンド、言いたいことだけを言い切るシンプルかつ強烈なメッセージ、モノクロを基調としたジャケットも含めたソリッドかつスリリングなサウンドはまさにハードコア・パンクのマスターピースと呼ぶにふさわしいものですね。

これだけ攻撃的な音でありながらも、CRASSに影響を受けた反戦・反暴力といったテーマを掲げているところも最高なんです!

I Against IBad Brains

メンバー全員が黒人のミュージシャンで構成されたハードコア・パンク~ロック・バンドの先駆者にして、レゲエやメタルといったさまざまなジャンルを独自に昇華したミクスチャーなサウンドでシーンに多大な影響を及ぼしたのがバッド・ブレインズです。

ハードコア・パンクのオリジネイターとして、マイナー・スレットのイアン・マッケイさんやブラック・フラッグのヘンリー・ロリンズさんといったミュージシャンが直接的な影響を受けたという事実だけでも、そのすごさが理解できるというものでしょう。

ハードコア・パンクという観点においては初期の2枚のアルバムに評価が集中しているのは事実ではありますが、今回は1968年にリリースされた事実上の復活作と言えるサード・アルバム『I Against I』の表題曲を紹介します。

90年代のミクスチャー・サウンドの盛り上がりを先取りしたようなサウンドは文句なしのカッコ良さ、ボーカルもメロディックで聴きやすいです。

アルバム自体がハードコア、パンク、レゲエ、ファンク、メタルといった要素を高い演奏技術で融合させた、まさに「元祖ミクスチャー」なサウンドですから、この曲が気に入った方はぜひアルバムもチェックしてみてくださいね。

No SecurityChaos UK

Chaos UK – No Security – (UK/DK, 1983)
No SecurityChaos UK

シンプルながらも重々しくノイジーなイントロから約30秒後の絶叫、そして爆走する直球ハードコア・パンク!

こういう音を聴いて少しでも心を動かされるものを感じたのであれば、間違いなくハードコア・パンクへの道は開かれたと言っても過言ではないでしょう。

1979年、イギリスはブリストル付近にて結成されたカオスUKは、同郷のディスオーダーといったバンドとともに英国ハードコア・パンクの代表格の1つであり「ノイズコア」とも呼ばれるジャンルの立役者としても知られる存在です。

1985年には初来日を果たしていることもあり、日本のハードコア・パンク勢にも多大なる影響を与えた彼らは、シーンにおけるシンボリックな存在として尊敬を集めていますね。

1984年にリリースされた彼らのセルフタイトルのファースト・アルバムの国内盤の帯には「混沌こと彼らの母体!」「ノイズこそ彼らの産声!」といった煽り文句が書かれているのですが、この音を聴けばもう納得の一言です。

『No Security』は、そんな彼らの人気曲にしてハードコア・パンク屈指の名曲の1つ。

前述したアルバムにも収録されていますから、まずはそこから彼らのノイジーな爆音を全身で浴びてみましょう!

Straight EdgeMINOR THREAT

パンク・ロック、とりわけハードコア・パンクに興味を持って間もないという方であれば、おそらく「ストレート・エッジ」という言葉をよく目にする機会があるはずです。

いわゆる快楽主義的なロックンロールのスタイルとは真逆の思想、ライフスタイルの名称であり、それらを提唱したのがワシントンD.C.のハードコア・シーンの伝説にして生き字引、現フガジのイアン・マッケイさんです。

マッケイさんの運営するディスコード・レコードも含めて、ハードコア・パンクを知る上では避けては通れない思想でありますが、そんなマッケイさんの硬派な思想を端的に表現した名曲が、マッケイさんがボーカルを務めた伝説的なハードコア・パンク・バンドのマイナー・スレットによる『Straight Edge』です。

シンプルかつソリッドなギター・リフの繰り返し、爆走するリズム隊、若き日のマッケイさんの蒼さも残る叫びは、どんな時代であっても若者たちを鼓舞し続けます。

実質的な活動期間は3年程度、数枚のEP作品と1枚の編集盤を残しただけのマイナー・スレットがシーンに及ぼした影響力はすまじいものがありますから、全音源を聴いた上で派生したバンドなどもチェック、その足跡をたどってみていただきたいですね。

Punks Not DeadThe Exploited

あまりにも潔いタイトル、文字通りすべてのパンクスにとってのアンセムと言えるハードコア・パンクの名曲中の名曲!

スコットランドが生んだハードコア・パンクの象徴的な存在の1つであるジ・エクスプロイテッドは1979年の結成以来、唯一のオリジナル・メンバーであるボーカリストのワッティー・バカンを中心として2000年代以降も活動を続ける大ベテランです。

見事なモヒカン・ヘアーも含めてそのファッションやスタイルは、前述したようにハードコア・パンクの1つのイメージを形成したといっても過言ではないでしょう。

キャリアを重ねるごとに音楽性の変化も見せ、メタルへの接近などクロスオーバー的なサウンドを模索しながらも、そのモヒカンとともに根底にあるパンク精神を貫き通し続ける生き字引のような彼らの代表曲の1つ『Punks Not Dead』は、1981年にリリースされた記念すべきデビュー・アルバムの表題曲にしてオープニングを飾る楽曲です。

80年代初頭は70年代のパンク・ブームも衰退、ニューウェーブやポスト・パンクだ台頭してきた時代ということも踏まえると、このストレート過ぎるメッセージは痛快としか言いようがないですよね。

パンクは決して死なない、それはムーブメントとは違うアティテュードの問題であって、いつの時代であってもそのような精神を重んじるパンクスを鼓舞し続けることでしょう。

Rise AboveBLACK FLAG

1980年代のハードコア・パンクの歴史を語る上で絶対に欠かせない存在が、黒い旗というアナーキストの象徴をバンド名に掲げたブラック・フラッグです。

リーダーにして唯一のオリジナル・メンバー、ギタリストのグレッグ・ギンさんを中心として1976年にカリフォルニアで結成された彼らの実質的な活動は80年代の数年間のみではありますが、特にカリスマティックなフロントマンのヘンリー・ロリンズさんが在籍していた時期に残した初期のアルバムはどれも80年代USハードコアの聖典として絶大な人気を誇っています。

そんなブラック・フラッグにとっての記念すべきデビュー・アルバムとなった、1981年リリース作『Damaged』の1曲目にしてブラック・フラッグのアンセム的なナンバー『Rise Above』を紹介します。

ロリンズさんが拳で鏡を割るという、強烈極まりないジャケットのインパクトもさることながら、ギンさんの独創的かつ破壊的なギターとロリンズさんの叫びが迫りくるサウンドも同じくらいの衝撃度ですね。

とはいえ聴きづらいということはなく、ストレートにカッコいいと言えるサウンドはハードコア・パンクの初心者でも十分に楽しめるものでしょう。

余談ですが、先鋭的なサウンドで00年代以降のインディーズ・シーンにおいて独自の存在感を放つダーティー・プロジェクターズのアルバム『Rise Above』は、ブラック・フラッグの『Damaged』を記憶を頼りに再解釈したという怪作となっておりますから、興味のある方はぜひ。

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