【洋楽】ハードコアパンクの名曲・人気曲~入門編
パンク・ロックのアグレッシブな発展形として1970年代後半に生まれた、ハードコア・パンク。
ほとんどが1分や2分足らずの短くファストな曲の連打、ひたすら過激で激しい……といったイメージを持たれている方も多いかもしれません。
もちろんそういった面もハードコア・パンクの特徴であり魅力ではありますが、後にメタルやロックなどと融合してさまざまなサブジャンルが生まれたハードコア・パンクの奥深さは、一言で語れるようなものではありません。
本稿ではハードコア・パンクの草分け的なバンドを中心として、主に80年代に生まれた代表曲や名曲を選んでみました。
ジャンルの入門編としてもぜひご活用ください!
【洋楽】ハードコアパンクの名曲・人気曲~入門編(11〜20)
This Ain’t No PicnicMinutemen

1980年の結成から、中心人物のギタリスト兼ボーカリスト、D・ブーンさんの死去で解散を余儀なくされてしまった1985年までという短い期間ながら、奇妙で変則的にねじれた独自のハードコア・サウンドを展開、レッド・ホット・チリ・ペッパーズといった大物バンドから、後のポスト・ハードコアやエモコア勢にも多大なる影響を及ぼした80年代USハードコア界の異才、ミニットメン。
トリオの一角を成すベーシストのマイク・ワットさんは、バンドの解散後もソロ活動も含めて多くのバンドに参加するなど、USインディーズ・シーンにおいて欠かせない存在として活躍し続けていますね。
そんなワットさんのうねるように隙間を埋めていくベース・ラインと独特のコード感を持ったギターのソリッドなカッティング、しなやかなドラムスがトリオならではのアンサンブルを作り上げる『This Ain’t No Picnic』は、1984年にリリースされたバンドにとっての通算3枚目にして43曲入りというとんでもない大作アルバム『Double Nickels on the Dime』に収録されたナンバーです。
リリース元はブラック・フラッグの創始者であるギタリストのグレッグ・ギンさんが運営するSSTレコードであり、ハードコアという文脈の中でも彼らのようなバンドが存在していたということは、ぜひ知っておいてもらいたいですね。
Don’t Want to Know If you are LonelyHüsker Dü

1980年代のUSハードコア勢の中で、ミニットメンなどハードコア・パンクの枠内に収まらない異色のバンドも多く誕生しましたが、本稿の主役であるハスカー・ドゥもまさにそういったバンドの1つです。
ブラック・フラッグのグレッグ・ギンさん主宰の名門レーベルSSTから初期の3枚のアルバムをリリースしている時点で由緒正しきハードコア出身でありつつ、90年代以降のオルタナティブ・ロックやポスト・ハードコア勢に多大なる影響を及ぼすサウンドへと変化していったことで著名なバンドなのですね。
ハードコア・パンクとしての彼らを知りたければ初期の作品を聴くべきではあるのですが、今回はハードコアから脱却を図り、より幅広い音楽性を手にしたメジャー・デビュー・アルバム『Candy Apple Grey』の中から、ドラマーのグラント・ハートさんが作曲した『Don’t Want to Know If you are Lonely』を紹介します。
何ともナイーブで内向的な雰囲気の漂うタイトル、哀愁のメロディとハードコア・パンクとオルタナティブ・ロックを結ぶようなギター・サウンドを聴けば、知らない方であればニルヴァーナなどのバンドよりもずっと前に彼らのような音を鳴らすバンドがいた、という事実に驚かれるのではないでしょうか。
余談ですが、こちらの楽曲はあのグリーン・デイもカバーしていますよ。
Victim In PainAgnostic Front

一口にハードコア・パンクといっても、バンドそれぞれの出身のお国柄が出るというだけではなく、地域性も如実に出るところが実に興味深いですよね。
アメリカのハードコア・パンクだけ見ても、東海岸と西海岸というだけで全く違いますし、双方にシーンが存在しているのです。
1980年に結成されたアグノスティック・フロントは、北米におけるハードコア・シーンの立役者であり、いわゆる「ニューヨーク・ハードコア」の先駆的なバンドです。
1992年に一度解散してしまいますが、1997年にはオリジナル・メンバーのギタリストであるヴィニー・スティグマさんと、ボーカリストのロジャー・ミレットさんを中心としてバンドは再結成を果たし、以降は精力的に作品をリリースしてシーンの重鎮として活躍し続けていますね。
そんな彼らが1984年に発表した記念すべきデビュー・アルバムの表題曲『Victim In Pain』は、まさにニューヨーク・ハードコア、略してNYHCにおけるクラシックな名曲!
50秒に満たない楽曲ながらもうまく緩急をつけながら疾走していくプリミティブなハードコアであり、覚えやすいキャッチーなフックがきっちり盛り込まれているところに曲作りのうまさを感じさせますね。
Vicious CircleZero Boys

1982年に発表されたアルバム『Vicious Circle』からのタイトル曲は、愛と関係性の複雑さを探る内容となっています。
無限ループのような関係の苦悩と破綻を描写し、お互いを傷つけ合う様子をリアルに表現しています。
Zero Boysは、1980年にインディアナポリスで結成されたハードコアパンクバンドです。
本作は1981年2月にリリースされ、当時のパンクシーンに大きな影響を与えました。
Zero Boysの音楽は、ブルースロックの要素を取り入れつつも、独自のハードコアパンクスタイルを確立しており、人間関係の複雑さや苦悩に共感を覚える方にぴったりの1曲です。
Kids of the Black HoleAdolescents

1981年にリリースされたこちらの楽曲は、Adolescentsのデビューアルバム『Adolescents』に収録された傑作です。
サザンカリフォルニアのパンクシーンを象徴する本作は、社会から孤立した若者たちの姿を鮮烈に描き出しています。
エネルギッシュな演奏と共に、若者の内なる葛藤や抗議の声を力強く表現しており、今なお多くのリスナーの心に響き続けています。
Adolescentsは1980年にカリフォルニア州フラートンで結成され、このデビューアルバムの成功により全米で認知度を高めました。
ハードコアパンクに興味のある方はもちろん、若者の孤独や反抗心に共感できる方にもおすすめの1曲です。


