日本語の抑揚を生かしたメロディが印象的な童謡唱歌の生みの親、そして日本人初の交響曲作曲家として、日本音楽史に多大な影響を与えた作曲家、山田耕作さん。
クラシック音楽の普及にも尽力した彼は、歌曲や管弦楽曲だけでなく、和と洋のエッセンスが見事に融合した麗しいピアノ作品も数多く遺しています。
本記事では、山田耕作さんのピアノ曲のなかから、日本らしさを感じさせる美しいメロディを持つ作品を厳選してご紹介していきます!
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もくじ
【山田耕作のピアノ曲】日本の童謡唱歌の名作曲家が遺したピアノ作品たち
青い焔山田耕筰

日本音楽史に大きな功績を残した作曲家、山田耕筰さん。
ヨーロッパ留学で得た西洋の作曲技法を日本の伝統音楽と融合させた作品の数々は、今なお多くの音楽ファンを魅了しています。
『青い焔』は、人間の情念や苦悩を象徴的に描いた舞踊詩曲。
ピアノの美しい旋律とハーモニーに乗せて、炎のように燃え上がる感情が表現されます。
クラシック音楽に親しみのある方はもちろん、日本人作曲家の作品に興味がある方にもオススメの1曲です。
組曲「夢の桃太郎」第1曲「夢路」山田耕作

日本に古くから伝わるおとぎ話『桃太郎』をテーマとする『組曲「夢の桃太郎」』は、山田耕作さんの東京音楽学校時代の同窓であり、バイオリンを専攻していた守屋東さんに献呈された作品。
『夢路』『流れの桃』『誕生の喜び』『森のたわむれ』『鬼ヶ島』『凱旋』の6曲で構成されており、各曲のタイトルを追うだけも、流れてきた桃から生まれた桃太郎が見事鬼退治に成功する物語をイメージできます。
1曲目の『夢路』は、物語の始まりを告げる幻想的な1曲です。
ピアノのための「からたちの花」山田耕筰

日本の音楽史に多大な影響を与えた作曲家、山田耕筰さん。
彼の作品のなかでも特に美しいメロディを持つ『ピアノのための「からたちの花」』は、1928年に発表された珠玉のピアノ曲です。
本作は、原曲である日本歌曲の持つ叙情性を残しつつ、ピアノならではの表現力を存分に引き出した名作。
春に咲く白い花と秋の黄色い実を持つからたちの情景が、繊細なタッチと豊かな響きで見事に描かれています。
作曲家自身の幼少期の思い出が投影されたノスタルジックな世界観は、聴く人の心に強く訴えかけてくるでしょう。
主題と変奏「母に捧げる更衣曲」山田耕筰

日本を代表する作曲家のひとりである山田耕筰さんが、母への深い愛情を込めて作曲したピアノ曲『主題と変奏「母に捧げる更衣曲」』。
全11部から成るこの変奏曲は、母の好んだ賛美歌をモチーフに、母の多様な一面を描き出しています。
荘厳なアンダンテから始まり、涙を思わせる静かなメロディや情熱的な演奏指示など、さまざまな音楽的性格を持つ各変奏は、作曲者の深い愛情表現に満ちあふれています。
母を慕う真摯な思いに心打たれる名曲を、ぜひあなたの演奏で表現してみてはいかがでしょうか。
哀詩~「荒城の月」を主題とする変奏曲山田耕筰

日本音楽史に多大な影響を与えた作曲家、山田耕筰さんが遺した『哀詩~「荒城の月」を主題とする変奏曲』は、『荒城の月』の作曲家、滝廉太郎さんへの敬意と哀悼の意を込めて1917年に作曲されたピアノ独奏曲です。
序章から結章まで11の変奏を通して、過去の栄華と失われたものへの憧れ、さまざまな感情が描かれています。
山田耕作さんは、既存の変奏曲の形式を超え、詩的で内省的なアプローチを取り入れることで、より深みのある感情表現を可能にしました。
和の雰囲気漂う哀愁のメロディに、大胆なアレンジが施されているため、原曲になれ親しんでいる方も新鮮な気持ちで聴けるでしょう。
前奏曲「聖福」山田耕作

1917年に作曲された『聖福』は、家族ぐるみで付き合いがあり山田耕作さんが「女史」と呼び尊敬の念を示していた作詞家、寺崎悦子に献呈された作品で、妻との間に長女が生まれた喜びを表しているとされています。
山田耕作は女性関係が派手であったことでも知られている人物。
そんな彼にとってもやはり実子の誕生は特別なことだったことが、「聖なる幸福」を意味するタイトルや、一音一音を丁寧に紡ぎながら響きを作り上げていく曲想からうかがえますよ。