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【上級】ピアノ連弾作品|4手の重厚な響きを味わえる珠玉の名曲たち

4本の手が織りなす豊かな響き、息を合わせる緊張感、そしてダイナミックな表現力。

ピアノ連弾は、独奏では味わえない魅力に満ちた演奏スタイルです。

ピアノは一人で演奏されることが多いですが、二人で弾くピアノは、一人で弾くのとは違った響きと楽しさと面白さもあり、連弾や2台で弾くピアノの作品も多く残っています。

今回は、おすすめの技術と表現力を追求できる上級者向けの名曲をご紹介します。

コンサートや発表会でも存在感を放つ珠玉の作品の数々で、新たな音楽の扉を開いてみませんか?

【上級】ピアノ連弾作品|4手の重厚な響きを味わえる珠玉の名曲たち(1〜10)

組曲『マ・メール・ロワ』より第5曲「妖精の園」Maurice Ravel

4本の手が織り成す音色の世界は、モーリス・ラヴェルのピアノ連弾作品でより一層美しく輝きます。

1910年4月のパリで初演されたこの童話がテーマの組曲は、子供のために書かれながらも深い音楽性を秘めています。

優雅な3拍子のワルツが奏でられ、幻想的な雰囲気が広がる本作は、ピアノ連弾ならではの豊かな響きと表現力で聴く人を魅了します。

荘厳で美しい旋律の中に、ハープやチェレスタのような繊細な音色を思わせるパッセージがちりばめられ、まるで夢の世界へ誘われるような感覚を味わえます。

連弾パートナーとの呼吸を合わせる難しさはありますが、息の合った演奏ができたときの喜びは格別です。

ピアノ連弾の醍醐味を存分に味わいたい方にお勧めの一曲です。

4手のためのピアノソナタ 変ロ長調 KV 381Wolfgang Amadeus Mozart

いくつもの名曲を生み出してきたモーツァルト。

もちろん、連弾の名作も生み出してきました。

今回はその中からこちらの『4手のためのピアノソナタ 変ロ長調 KV 381』を紹介したいと思います。

難易度は非常に高く、主旋律も伴奏も速いパッセージが多いため、テクニックが求められます。

また、オクターブのパッセージもたびたび登場し、跳躍も多いため、演奏の正確性も重要!

その分、聴き映えのする作品でもあるので、ぜひチェックしてみてください。

ハンガリー舞曲 第5番Johannes Brahms

[ピアノ連弾]ハンガリー舞曲第5番/ブラームス/ピアノデュオ ルミエール/Ungarische Tänze Nr.5/Hungarian Dances No.5/Brahms/4hands piano
ハンガリー舞曲 第5番Johannes Brahms

「クラシックのピアノ連弾作品といえば?」と聞かれて、この作品を思い浮べる方は多いはず!

ヨハネス・ブラームスの『ハンガリー舞曲』は、全4集、21曲からなるピアノ連弾曲集。

ハンガリーのロマの音楽に基づいて作曲された楽曲で、オーケストラ曲としても人気の高い作品です。

なかでも第1集の第5曲は人気、知名度とともに高いため、コンサートなどでも頻繁に演奏されています。

ロマの自由な音楽を表すようなテンポの揺れが、この曲の特徴であり難しいポイント!

お互いの呼吸をしっかり感じとりながら、タイミングをピッタリそろえて演奏しましょう。

【上級】ピアノ連弾作品|4手の重厚な響きを味わえる珠玉の名曲たち(11〜20)

組曲『マ・メール・ロワ』より第3曲「パゴダの女王レドロネット」Maurice Ravel

「マ・メール・ロワ」よりⅢ.パゴダの女王レドロネット ラヴェル 《連弾》
組曲『マ・メール・ロワ』より第3曲「パゴダの女王レドロネット」Maurice Ravel

東洋の風情をたたえた童話の世界が広がる名曲です。

美しい姫が呪われて姿を変えられてしまう物語を、ピアノ連弾ならではの4手の響きで情感が豊かに描き出しています。

1908年から1910年にかけて、モーリス・ラヴェルが友人の子供たちのために作曲した5つの小品からなるピアノ連弾組曲の一曲です。

本作では、中国の楽器をイメージした木琴や打楽器の響きを、2台のピアノで見事に表現しています。

軽やかで明るい曲調の中に、銅鑼の音が遠くで鳴り響くような異国情緒があふれる音色が印象的です。

ピアノの高音域と低音域を駆使した豊かな表現力と、共演者との息の合った演奏が求められる作品で、コンサートや発表会での演奏に最適です。

スラヴ舞曲 第1集 Op.46 第7曲Antonin Dvořák

PTNA2021コンペ全国決勝大会 連弾上級 15番 金賞 芝田奈々 & 佐藤和大
スラヴ舞曲 第1集 Op.46 第7曲Antonin Dvořák

チェコ出身の作曲家アントニン・ドヴォルザーク作曲の『スラヴ舞曲』は、ピアノ連弾の定番曲!

第1集、第2集それぞれに8曲ずつ収録されたピアノ連弾のための曲集で、ドヴォルザーク自らの編曲による管弦楽版で演奏されることも多い作品です。

広く親しまれている楽曲ではありますが、息を合わせて美しく演奏するのは至難の業!

『第1集 Op.46 第7曲』も高度なテクニックを要する作品であり、民族色の強い独特のリズムを体に染み込ませるには相当な練習量が必要です。

ですが、ノリがよく最後まで弾きこなせたときの爽快感は格別ですよ!

風変りの美女より「大リトルネッロ」Éric Satie

サティ : 大リトルネッロ【05_連弾の楽譜付きクラシック音楽のお勧めピアノ曲】
風変りの美女より「大リトルネッロ」Éric Satie

優雅でありながらも風刺的なユーモアがちりばめられた4手連弾作品です。

まるでパリの社交界を覗き見るかのような軽やかなリズムと、反復される印象的な旋律が特徴的です。

本作は1920年に発表され、伝統的な音楽形式に捉われない斬新なアプローチで、当時の音楽界に新たな風を吹き込みました。

華やかでありながらも、どこか皮肉めいた独特な雰囲気を持つメロディーラインは、エリック・サティならではの個性が光ります。

連弾ならではの豊かな響きと表現力を追求したい方、また従来のクラシック音楽とは一味異なる魅力を味わいたい方におすすめの1曲です。

小組曲よりⅣ『バレエ』Claude Debussy

ドビュッシー : バレエ【07_連弾の楽譜付きクラシック音楽のお勧めピアノ曲】
小組曲よりⅣ『バレエ』Claude Debussy

1888年から1889年にかけて作曲された4手連弾のための作品は、輝かしく華やかな雰囲気が魅力です。

18世紀のロココ時代の貴族たちが楽しんだ優雅な舞踏会の様子を彷彿とさせる軽快なリズムと明るい旋律が印象的な一曲となっています。

リズミカルで躍動感のある楽曲ながら、休符をしっかりと意識し、テンポを保つことで、優美な表現が際立ちます。

本作は、その後アンリ・ビュッセルによって管弦楽用に編曲され、クロード・ドビュッシーの監修のもと、新たな魅力を加えました。

ピアノ連弾の醍醐味を存分に味わえる本作は、息の合った演奏が求められるため、お互いの音をよく聴き合える親しい演奏仲間との共演にぴったりです。