実写・アニメ化されたバンド漫画。人気の音楽マンガおすすめ 10選
実写・アニメ化された人気のバンド漫画・コミックの中からスタジオスタッフが選ぶ、おすすめの音楽マンガ10作品をご紹介します。
実写化したもの
カノジョは嘘を愛しすぎている(既刊17巻)
ーー嘘ばかりつく僕のことを カノジョは「正直な人だ」って言うんだ。
主人公『小笠原秋』(以下:アキ)
クレリュード・プレイ(以下:クリプレ)の元メンバー。
現在はバンドを抜けているが、クリプレの楽曲はアキが作っている。
要はバンドのサウンドクリエーターとしてバンドに関わっている。
しかし、表向きにはプロデューサーの『高樹総一郎』名義で発表されており、実質ゴーストライター状態。
もう一人の主人公『小枝理子』(以下:リコ)はクリプレが大好きな女子高生。
同級生の『君嶋祐一』、『山崎蒼太』とバンドをやっている、ごく普通の学生。
ある日、音楽を通じて高樹総一郎と繋がっている自分に嫌気がさしていたアキは、たまたま街中で出会った女子高生リコに『一目惚れって信じますか?』と声をかける。
自暴自棄になっていたアキは別に誰でもよかった。
落ち込んでいる時に自分の頭の中に新しい音が生まれる。
鼻歌交じりに、新しく生まれた音を奏でながら声をかけてしまった。
子供のような反応をする女の子に。
冗談だとその場を離れようとした時に
「でもあたし、一目惚れしちゃったんですけど・・・!」
こんな訳がわからない出会いから物語は始まる。
しかし別に誰でもよかったアキは、リコの事が好きでもなんでもなかった。
実写映画にもなった有名作。
少女漫画特有の男女のドロドロした感じや、相手がまさか自分の好きなバンドの曲を作っている人というのも知らないという設定。
この後、二人はちゃんとお互いがお互いを好きになっていくのか。
この先は自分の目でしかと確かめてください。
私も早く最新刊まで読まなければ!
バンドをしている女の子、特に中高生にオススメの作品です。
下弦の月(単行本全2巻/愛蔵版・文庫版全2巻)
NANAの矢沢あいさんの作品。
少しオカルト的な作品ではあるが、矢沢あいさんの感性がよく漫画に出ている個人的にはとても大好きな作品です。
展開が急な所から始まるのがこの作品の特徴。
夜の街で、主人公『望月 美月』(以下:みづき)とアダム・ラング(以下:アダム)が出会っている所から物語は始まる。
仲が悪い家族の元から離れていたみづきは、夜の街でギターを弾いている外国人のアダムと出会った。
アダムの、青い瞳と哀しい旋律に狂おしいほど魅かれたみづきはアダムと暮らし始める。
アダムの事を少しずつ知っていく仲で、アダムの優しさにどんどん惹かれていくみづき。
恋人だった『安西知己』(以下:ともき)に裏切られたという話を笑いながらした際に、
「どうして美月はつらいことを全部笑って話す?」
「泣けばいいと思うよ」
「無理をして笑うのはもっとみじめだと思うよ」
その言葉にみづきは気が緩み、一晩中泣いてしまった。
しかしその優しさはみづきではなく、彼の死んでしまった恋人に向けられたもので、アダムはみづきに幻を見ているのだった。
そして話は唐突に進み、アダムは急にみづきに別れを切り出します。
「僕はもう行かなくちゃ」
「君を連れて行きたくなる」
「最初に出会った場所で夜明けまで待ってる」
「一緒に行こう。」
その言葉にみづきはアダムに会いにいく。
「あたしの残りの人生はあんたにあげる。
好きにしていいよ。」
この後衝撃的な内容がたくさん続きます。
気になる方は是非お手にとって見てみてください。
実写化ではアダム役にHYDEさんが起用されるなどされ、世界観はそのままといった感じでした。
これは大人の方に是非とも読んで欲しい作品ですね。
アニメ化されたもの
ピアノの森(既刊25巻)
この漫画は2人のピアニストの葛藤や、ピアニストの才能を開花していく様が描かれている。
主人公『一ノ瀬海』(以下:カイ)は幼い時から、近くの森の中に置き去りにされているピアノを弾いて育っていた。
ある日、東京からやってきた「雨宮修平』(以下:雨宮)というピアニストの男の子と出会う。
2人の小学校の音楽教師をしていた『阿字野壮介』(以下:阿字野)は、実はかつての天才ピアニストあった。
交通事故によって最愛の婚約者と、ピアニストの命とも言える左手の自由を失っていた。
ある日カイのピアニストとしての才能を知り、そしてその才能は自分が森に捨てたピアノだと知り、紆余曲折を経てカイの師となる。
雨宮はカイの才能を知り、ライバル視し過剰に意識してしまいカイとの間に溝を作ってしまう。
正直、この漫画は読んで初めて良さがわかる作品だと思います。
カイの葛藤や、雨宮のカイにたいする思い。
2人の成長は嬉しくも哀しく、どこか救われるような。
アニメ映画化もしているので、映像からでも構いません。
まずは見てください。
坂道のアポロン(全9巻+番外編1巻)
『このマンガがすごい!
2009』のオンナ編で1位になった作品。
舞台は現代よりも少し昔、1966年初夏。
主人公『西見薫』(以下:薫)は船乗りの父親の仕事の都合で、横須賀から長崎の佐世保に引っ越してくる。
地方に越してきたこともあり同級生達からはこそこそ噂話をされる。
ストレスを感じると吐いてしまう癖があるため、クラス委員の『迎律子』(以下:律子)に校舎案内してもらっている際に同級生達の目や聞きなれない方言に当てられ吐き気をもよおす。
そんなストレスだらけの学校の中で唯一自分を取り戻せる場所、深呼吸できる場所。
ーーー屋上ーーー
そこに逃げ込もうとした時に、屋上の入り口で寝ている男。
『川渕千太郎』(以下:千太郎)と出会う。
薫自身はもともとピアノを弾いておりクラシック専門だったが、ジャズドラムを叩いている千太郎と出会うことでジャズに挑むようになっていく。
この昭和の時代のジャズの雰囲気や薫、千太郎、律子の3人の人間関係の絡み方が独特な世界観を出している。
作中にでてくる曲もいいジャズの曲があり、オリジナルサウンドトラックもでているのでこちらもおすすめです。
少年ノート(全8巻)
男がソプラノしちゃいけないなんて決まりないですよね。
天使の声・ボーイソプラノの声をもつ主人公『蒼井由多香』は転校してきた合唱部の歌声を聞き入部を決意する。
泣き虫だけども、繊細かつ感受性が豊かな彼を取り巻く少年少女達の若りし日々を紡ぎ出す。
合唱部というあまり題材にされていない部活をここまでフューチャーしたのはこの作品が初めてではないでしょうか。
ボーイソプラノという限られた時しか出せない声の儚さと、その声の持ち主達の悩みを知ってください。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門「審査委員会推薦作品」にも選ばれた作品です。
シアロア(全1巻)
感傷ベクトル=ハイブリッド・ロック・サークル
田口囁一(タグチショウイチ)と春川三咲(ハルカワミサキ)によるユニット。
音楽とマンガの2面性で世界観を作り上げるデジタルネイティブ世代の申し子。
自身らの作った曲と同じタイトルのマンガを公開しており、この曲はこんなイメージで感じて欲しいという、今までのバンドではない斬新な作品である。
マンガ自体もWEBで読め、その曲自体も聞けるようになっている。
ある意味でマンガと音楽の新しい形ではないだろうか。
音楽と漫画を同時展開する”新感覚ハイブリッド・サークル”!
僕はビートルズ(全8巻)
いろいろ演ってみたけど、やっぱりビートルズに戻ってくる。
ビートルズが大好きで、テクニックなら本人達よりも自信があるという主人公『蜂矢翔』(以下:ショウ)。
担当はギター。
ポールを神として信奉しており、演奏も一緒にするため左利きに矯正している『鳩村真琴』(以下:マコト)担当はベース。
4人のバンドのリーダーである、『鷹津礼』(以下:レイ)担当はリズムギター。
もともとレイと同じバンドメンバーだった『鶴野コンタ』(以下:コンタ)担当はドラム。
物語はこの四人のバンドのラストライブから始まる。
どうしても解散することが考えられないショウ。
そんな中突如4人はタイムスリップをし、ビートルズがまだ世の中に知られていない時代に。
この世の中でビートルズの曲を演奏して、俺たちがビートルズになる。
かわぐちかいじさんお得意のタイムスリップ関係のお話です。
もし、自分が好きなバンドがまだいない世界にいって先にその人の曲を演奏して、その人自身になろうとする。
そんなパラドックスを体験できる、少しかわった音楽漫画です。
DESPERADO(全4巻)
知っている人がいたらとても嬉しいです。
というか私と同い年ぐらいや少し上の方なら知っていると思う作品。
「傷だらけのレスポール」このフレーズに当時の私の心はわくわくしてしまいました。
まだ音楽漫画が評価されにくく、あまり数もなかった時代に講談社にて連載されていた漫画。
『DESPERADO』
主人公『椎名』とその椎名にギターを教えている『黒須』。
当時の少年漫画らしくバイオレンスな部分もありながら、各巻にちゃんとしたテーマがあり読みやすい流れにはなっている。
個人的に好きな内容は、友人が大切にしていたレスポールを、街中でぶつかってしまったヤクザに傷だらけにされ激昂した黒須が復讐しに行く。
今の漫画では結構問題になるであろうレベルの復讐なのですが、友人のことを思うが故なのでしょう。
この漫画はまた別記事であげたいと思うほど、懐かしい作品ですので近々執筆させていただきたく思います。
古本屋で見つけたりしたら是非手にとってください。
多分もう重版などはしていないレアな作品ですので。
ピアノのムシ(既刊6巻)
傲慢不適、性格最悪。
でも、調律の腕は一流という調律師『蛭田敦士』(以下:蛭田)。
どんな特殊なピアノでも、蛭田の手にかかれば再び美しい旋律を奏でる。
作中に登場する特殊なピアノや、調律の人間がどんな風に演奏者の為に仕事しているのか。
大手の楽器メーカーや同期の調律師との確執。
ある意味音楽業界、いや日本クラシック界の裏の顔が垣間見える作品ともいえる。
音楽と漫画と人(全1巻)
筆者が、音楽に携わる全ての人に一度は読んで欲しい作品です。
ショートマンガの雄、戸田誠二さんが『音楽と人』に連載していた物語を綴った一冊。
『音楽と漫画と人』
音楽と人とのつながりを見開き2ページで書き上げた超短編集。
自分が何で音楽をやっているのか。
音楽を始めたきっかけは人それぞれなのだけれども、その一人一人に何かしらの物語があると気づく。
「いつも一生懸命なあなたのそばにいたいけど、邪魔になるから一緒にはいない。」
「でも、音楽だけはいつもあなたのそばにいますよね。」
たしかこんな内容のお話があったと思います。
大好きな彼の応援をしてあげたいけど、邪魔になってしまう。
でも、ミュージックプレイヤーで音楽を聴きながら頑張ってるあなた。
多分その女性は音楽に少し嫉妬しているのでしょう。
音楽に嫉妬するという考えを持ったのはこの作品が初めてです。
見開き2ページということなので物語の数は、1冊なのにすごいたくさんあります。
どれか一つでも自分に当てはまるのではないでしょうか。
演奏している人も、聴く側の人も、エンジニアも、販売している人も。
音楽に興味無いといっている人も、BGMとしてやテレビから流れる音楽を聴いています。
音を楽しむ(演奏)も音楽ですが、音で楽しむ(映画やアニメ)のも音楽。
この漫画は本当に全ての人に読んで欲しいと思っています。
最後に
文面だけではとても魅力を説明しきれないと思います。
ですが、全てちゃんと執筆者本人が読んだことのあるおすすめ作品ばかりです。
これから先も音楽とマンガという繋がりが増えていけばおもしろいと思っています。