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【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!

クラシックの現代曲といえば「複雑すぎる響き」「目を疑う超絶技巧」「理解不能……」このようなイメージをお持ちの方も多いはず。

確かに、クラシック音楽が行き着いた「現代における最終形態」ともいえる現代曲には、解釈の難しい作品も数多く存在しますが、作曲家の意図や作曲の背景を知ることで、曲の魅力が見えてくることもあります。

今回は、そんな難解と思われがちな現代曲の中から、ピアノ独奏のために作曲された作品をご紹介します。

現代曲に挑戦してみたい方や、ぜひチェックしてくださいね!

【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!(31〜35)

組曲『マ・メール・ロワ』より第5曲「妖精の園」Maurice Ravel

4本の手が織り成す音色の世界は、モーリス・ラヴェルのピアノ連弾作品でより一層美しく輝きます。

1910年4月のパリで初演されたこの童話がテーマの組曲は、子供のために書かれながらも深い音楽性を秘めています。

優雅な3拍子のワルツが奏でられ、幻想的な雰囲気が広がる本作は、ピアノ連弾ならではの豊かな響きと表現力で聴く人を魅了します。

荘厳で美しい旋律の中に、ハープやチェレスタのような繊細な音色を思わせるパッセージがちりばめられ、まるで夢の世界へ誘われるような感覚を味わえます。

連弾パートナーとの呼吸を合わせる難しさはありますが、息の合った演奏ができたときの喜びは格別です。

ピアノ連弾の醍醐味を存分に味わいたい方にお勧めの一曲です。

前奏曲集第1集「沈める寺」Claude Debussy

沈める寺「前奏曲集第1集」: ドビュッシー|Debussy : La cathédrale engloutie [Préludes Book 1]
前奏曲集第1集「沈める寺」Claude Debussy

神秘的な霧の中から浮かび上がる壮大な大聖堂を描いた印象的なピアノ曲です。

フランス・ブルターニュ地方に伝わる「イースの伝説」をモチーフに、1910年に作曲されました。

深い静寂から始まり、遠くから鐘の音が響き、荘厳な聖歌が聞こえてくるような幻想的な情景が、豊かな音色で表現されています。

本作の魅力は、優しい響きの中にも力強さを併せ持つ和音の重なりと、自然な流れを感じさせる音の移ろいにあります。

音楽を通して絵画のような世界を描くクロード・ドビュッシーならではの作品で、和音の響きを大切にしながら、ゆったりとしたテンポで演奏できる曲です。

物語性豊かな音楽に触れてみたい方や、音の重なりの美しさを味わいたい方におすすめです。

春の祭典Igor Stravinsky

Piano Stravinsky “The Rite of Spring ” ストラヴィンスキー 春の祭典 ピアノ
春の祭典Igor Stravinsky

春の到来を祝う異教の儀式を描いたこの作品は、20世紀の音楽に革命をもたらしました。

複雑なリズムと不協和音の大胆な使用が特徴で、原始的で力強い音楽が展開されます。

オーケストラでは冒頭のファゴットの独奏は、楽器の高音域を使用し、独特の緊張感を生み出しています。

1913年5月の初演時には観客の間で大きな騒動を引き起こしましたが、オーケストラ版とは別に作曲者であるイーゴリ・ストラヴィンスキー2台ピアノ版も存在し、本人編曲であることから複調の仕組みや和声構造などの各楽曲の構造が非常に明確になって、現在では重要なピアノ曲のレパートリーとしても広く演奏されています。

クラシック音楽の常識を覆す革新性に興味がある方におすすめです。

子供のアルバム 第1集 「少年時代の画集」:第7曲 木馬(騎兵隊)Aram Khachaturian

子供たちの遊び心と冒険心が詰まった、愛らしいピアノ小品です。

木馬に乗って遊ぶ子供の様子や、騎兵隊ごっこをしている情景を生き生きと描いた本作は、軽快でリズミカルな曲調が特徴的です。

アルメニアの民族音楽の要素を取り入れた独特のリズムやメロディーが、どこか神秘的な雰囲気も醸し出しています。

1926年に作曲されたこの作品は、演奏時間約1分10秒と短いながらも、豊かな表現力が魅力です。

ピアノの発表会やコンクールでの演奏にぴったりで、聴く人の心に温かな印象を残してくれます。

リズム感や表現力を伸ばしたい方はもちろん、子供たちの想像力を育みたい方にもおすすめの1曲です。

ラ・カンパネラFranz Liszt

長富彩 / ラ・カンパネラ ~パガニーニによる大練習曲 第3番
ラ・カンパネラFranz Liszt

鐘の音を模した繊細な旋律が印象的で、高音域での跳躍や装飾音が美しく響き渡ります。

1851年に改訂されたピアノ曲は、ロマン派音楽の真髄を感じさせる情熱的な表現力と、技巧的な演奏が特徴です。

フランツ・リストは、1831年にパガニーニの演奏に感銘を受け、ヴァイオリン協奏曲の主題をピアノ用に編曲。

映画やテレビ番組のBGMとしても度々使用され、多くの人々の心を魅了してきました。

本作は、静かな環境で集中して勉強したい方にオススメです。

鐘の音のような透明感のある音色は、心を落ち着かせながらも適度な緊張感を保ってくれるでしょう。