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【高齢者向け】3月の俳句。名句とともに楽しむ春のひととき

3月になると、少しずつ暖かさが増し、春の訪れを感じる瞬間が増えてきますね。

そんな季節の変化を五七五の言葉に込めた俳句は、高齢者の方のレクリエーションにぴったりです。

桃の節句や菜の花、うぐいすの声など、3月ならではの情景を詠んだ名句には、読むだけで心がほっとするような温かさがあります。

今回は、小林一茶や正岡子規といった親しみやすい俳人の作品を中心に、3月の俳句をご紹介します。

懐かしい風景を思い浮かべながら、春のひとときを味わってみませんか?

【高齢者向け】3月の俳句。名句とともに楽しむ春のひととき(11〜20)

菜の花が しあはせさうに 黄色して細見綾子

菜の花が しあはせさうに 黄色して細見綾子

一人ひとりの考えや感情や視点のものや、直感的な俳句が多い細見綾子の俳句をご紹介します。

「菜の花が しあはせさうに 黄色して」は、暖かな陽気の中で、菜の花がたくさん咲いている様子が伺えますね。

また、細見綾子の人生をみると違った解釈もできます。

細見綾子は、20代までに愛する家族と病気などの理由により、別れを経験しています。

さらに自分自身も長い期間闘病生活を送っていました。

自分とは違い、菜の花は咲き誇り幸せそうといった、対照的にも感じられる俳句になっていますよ。

三月の 甘納豆の うふふふふ坪内稔典

三月の 甘納豆の うふふふふ坪内稔典

現代俳句の第一人者でも名高い、坪内稔典の俳句をご紹介します。

「三月の 甘納豆の うふふふふ」は、春の気配を感じる三月に、甘納豆を食べたときのことを詠んでいます。

「うふふふふ」から、甘納豆を食べて嬉しく笑みがこぼれる様子が伺えます。

自分の好きな食べ物を食べた瞬間は、嬉しさがこみあげてきますよね。

さらに坪内稔典は、甘納豆がお好きなのか甘納豆を題材とする俳句が、12カ月すべての月のものがあるそうです。

高齢者の方とご一緒に、甘納豆を食べながら坪内稔典の俳句の世界をみるのも、楽しいかもしれませんね。

梅が香に のつと日の出る 山路かな松尾芭蕉

梅が香に のつと日の出る 山路かな松尾芭蕉

こちらは有名な松尾芭蕉の書いた俳句で、芭蕉は江戸時代に活躍した俳人です。

この句は芭蕉が亡くなる年に書かれた俳句だそうです。

朝日が梅の香りに誘われるように顔をだすのですが、のっとという擬態語の雰囲気が独特で、芭蕉のセンスを感じますよね。

梅の香りとの質感のコントラストがとても興味深く、こんな組み合わせが意外に合う、といったイメージです。

そしてこの短い句の中に嗅覚と視覚の両方が刺激されるのもおもしろいところです。

三月の 声のかかりし あかるさよ富安風生

三月の 声のかかりし あかるさよ富安風生

大正から昭和にかけて活躍した、富安風生の俳句をご紹介します。

「三月の 声のかかりし あかるさよ」は、3月の柔らかく暖かな春の気配を感じられる俳句です。

2月までは風も冷たく、雪が降る地域もあるかと思います。

まだまだ冬の名残がある2月とは違って、3月は周囲が明るく感じられる気持ちを詠んでいますよ。

確かに月が次の月にかわっただけなのに、不思議な感覚ですよね。

そう感じるのは、日本にある四季のおかげなんでしょうね。

山路来て なにやらゆかし すみれ草松尾芭蕉

山路来て なにやらゆかし すみれ草松尾芭蕉

松尾芭蕉は江戸時代を代表する俳人で、俳句を和歌のと肩を並べるほどの芸術にまで高めた偉人です。

芭蕉は旅をしては俳句を詠む生活を送っていました。

ある時、京都から伏見を経て大津へ向かう途中、ふと道端にすみれが咲いているのを見かけてこの句を詠んだとされています。

現代語に訳すると、山道を歩いていたら、道端にすみれの花が咲いていた。

なんだが心ひかれるなぁ、といった内容です。

派手な花ではありませんが、つつましく咲いているさまを見て、山道を歩いて疲れた気持ちも癒やされたのでかもしれませんね。

毎年よ 彼岸の入りに 寒いのは正岡子規

毎年よ 彼岸の入りに 寒いのは正岡子規

こちらは明治時代を代表する正岡子規の句です。

暑さ寒さも彼岸まで、という言葉がありますが、この句ではその春の彼岸の入りを詠っています。

現代語訳すると、「彼岸の入りで寒さが残っているのは毎年のことだ」という意味ですが、正岡子規が母に「彼岸の入りなのに寒いね」と言い、母が「毎年のことよ」と返したことから生まれたと言われています。

近代文学に名を遺す偉人である正岡子規も、こんなお話をしていたかと思うと、なんだか身近に感じられますね。

【高齢者向け】3月の俳句。名句とともに楽しむ春のひととき(21〜30)

春の海 ひねもすのたり のたりかな与謝蕪村

春の海 ひねもすのたり のたりかな与謝蕪村

江戸時代の俳人である与謝蕪村の一句です。

句のはじめの言葉「春の海」は、春の穏やかな海の景色を思い浮かべさせる季語で、春の暖かさややわらかな光を感じさせます。

「ひねもす」は一日中という意味です。

そして「のたりのたり」という言葉は、ゆっくり波が寄せては返す、穏やかな動きをやさしく表しています。

この句を読むと、ぽかぽかした春の日に、海の波が一日中ゆったりと揺れている風景が心に浮かびます。

蕪村は、この自然の動きを見て、時間がゆっくり流れるような穏やかさを感じたのでしょう。

それをそのまま言葉にした、とてもやさしくてのどかな一句です。