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【高齢者向け】春の俳句。春のレク

春は、新しい始まりを感じさせる季節です。

暖かな日差しや色とりどりの花が頭に思い浮かびますよね。

自然と外へ出たくなる時期でもあります。

そんな春の訪れを、俳句を通じて楽しんでみませんか?

俳句は、五七五のリズムで季節の風景や気持ちを表現する、日本ならではのすてきな文化です。

特に高齢者の方にとって、昔を懐かしみながら言葉を紡ぐことは、脳の活性化にもつながります。

春の美しさを感じながら、楽しく俳句を詠むことに挑戦してみませんか?

【高齢者向け】春の俳句。春のレク(1〜10)

五月雨を あつめて早し 最上川

五月雨を あつめて早し 最上川

松尾芭蕉は江戸時代前期に活躍した俳諧師です。

芭蕉は46歳の時に「奥の細道」で知られるように、東北から北陸を経て、現在の岐阜県辺りまでを巡りながら心情や風景を詠んでいました。

この句は現在の山形県に流れる日本三大急流の1つと言われる最上川を詠った句です。

五月に降り続く長雨の影響で最上川に水が流れ込み、水の勢いが非常に早く、激しい水流であったことを表しています。

季節によって移り替わる自然の様子が目に浮かんでくるようです。

孫六が 太刀の銘きる 端午かな

孫六が 太刀の銘きる 端午かな

端午の節句にかぶとや太刀や弓矢を飾るご家庭もありますよね。

田川鳳朗が詠んだ「孫六が 太刀の銘きる 端午かな」の俳句に出てくる太刀には、かぶとと一緒に飾る意味がちゃんとあります。

太刀というと、切れ味が抜群の刀のイメージがありますが、武器の意味として飾るのではないそうです。

魔物は光るものが嫌いという言い伝えがあり、美しく光る太刀が魔除けとなり、身を守ってくれると考えられて飾られるようになりました。

ご家庭にお孫さんがいらっしゃる高齢者の方にも、教えてあげたい雑学ですね。

ちなみに、俳句で詠まれている孫六とは、孫六兼元といって室町時代から現在まで続く刀工のことだそうです。

銘は製作者の名前ですよ。

折りし皮 ひとりで開く 柏餅

折りし皮 ひとりで開く 柏餅

5月5日は端午の節句ですよね。

端午の節句には、かしわ餅を食べる習慣があり、江戸時代中期の頃から食べるようになったそうです。

かしわ餅に使われている柏木の葉は、新芽が出るまで古い葉は落ちません。

このことから、新芽が子供で古い葉を親に見立てて、子孫繁栄といった縁起物として食べられるようになった由来があります。

山口誓子の「折りし皮 ひとりで開く 柏餅」からは、かしわ餅を食べた後に折っていた柏の葉がひとりでに開く様子が詠まれていますよ。

俳句から、5月のちょっとした日常の様子が伺えますね。

【高齢者向け】春の俳句。春のレク(11〜20)

新茶の香 真昼の眠気 転じたり

新茶の香 真昼の眠気 転じたり

江戸時代後期に活躍した俳人の小林一茶。

日常の一コマや庶民が生活で見せる感情を詠んでおり、親しみやすい言葉や擬音などを用いた俳句を作りました。

俳句を読む人の心に響く共感した作風だったようです。

「新茶の香 真昼の眠気 転じたり」は、5月の新茶の季節にピッタリな俳句ですよ。

5月は新茶の茶摘みも盛んな時期ですよ。

お昼ご飯を食べたこともあり、午後になると眠気を感じることもありますよね。

ですが、俳句からは新茶の香りで眠気が飛んでしまった様子がわかります。

葉ざくらの ひと木淋しや 堂の前

葉ざくらの ひと木淋しや 堂の前

炭太祇は江戸時代中期の俳人です。

京都島原の遊郭内にて不夜庵を作り、遊女に俳諧や手習いの教授をおこない、花街の活性化に務めました。

後に盟友であった与謝蕪村と三菓社結成に参加しています。

この句で詠まれている葉桜は夏の季語であり、堂の前に咲いていた桜の木の花が散り、葉ざくらになってしまったという惜しむ思いが込められています。

しかし、かれんな花びらが落ちた後は寂しく見えても、青々とした葉の爽やかさや力強さが感じられるという側面もあります。

日本人の桜を思う気持ちはやはり特別なのかもしれませんね。

葉ざくらや 奈良に二日の 泊り客

葉ざくらや 奈良に二日の 泊り客

この俳句は、与謝蕪村が詠みました。

江戸時代中期の俳人で、高齢者の方も一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?

花が散り始め緑の若葉が出てくる様子は、満開の桜とはまた違った美しさがあることでしょう。

桜の木の新緑からは、これからもっと大きな葉になるという生命力の強さや、趣も感じられます。

葉桜の時期は桜の花が見頃の時期とは違い、混雑もしていないのでいませんよね。

そのため、葉桜をゆっくりと楽しめます。

俳句から、季節に応じた美しい風景があることをあらためて感じられますね。

薄暑来ぬ 人美しく 装へば

薄暑来ぬ 人美しく 装へば

昭和を代表する女性俳人の星野立子が詠んだ俳句です。

薄暑と書いてはくしょと読みますが、5月初旬の立夏を迎えてから下旬頃までの時期を指します。

ぽかぽかと暖かな春が過ぎ、暑さを感じられる頃のようです。

星野立子がパリに行ったときのことを詠んだもので、パリの街に1人だけ着物を着ている様子だそうですよ。

暑さを感じられる時期の着物姿からは、りんとした美しさを周りの方も感じていたことでしょうね。

さらに異国の地の風景に、着物が映えていた様子も感じ取れる俳句です。