【高齢者向け】春の俳句。春のレク
春は、新しい始まりを感じさせる季節です。
暖かな日差しや色とりどりの花が頭に思い浮かびますよね。
自然と外へ出たくなる時期でもあります。
そんな春の訪れを、俳句を通じて楽しんでみませんか?
俳句は、五七五のリズムで季節の風景や気持ちを表現する、日本ならではのすてきな文化です。
特に高齢者の方にとって、昔を懐かしみながら言葉を紡ぐことは、脳の活性化にもつながります。
春の美しさを感じながら、楽しく俳句を詠むことに挑戦してみませんか?
【高齢者向け】春の俳句。春のレク(21〜30)
笋の うんぷてんぷの 出所かな

こちらの俳句は小林一茶が詠んだもので、一茶ならではのユーモラスで温かい感情があふれ出ているかのような俳句です。
たけのこを擬人化し、出てくる場所によって運の良しあしがあるなんておもしろいですよね。
そして春の訪れとともににょきにょきと地中から現れるたけのこの動きや何なら音まで聞こえてきそうな一句です。
たけのこは春の食べ物として古くから日本人に愛されており、身近なのでみんな容易にこの様子の想像がつきそうです。
花の雲 鐘は上野か 浅草か

江戸時代の有名な俳人、松尾芭蕉が詠んだ句で、上野の東叡山寛永寺か浅草の金龍山浅草寺の鐘の音をモチーフにしています。
この句は深川の芭蕉庵で詠まれたといわれており、まるで雲のようにたくさん咲いた美しい桜と、おぼろげに聴こえる鐘の音が視覚と聴覚の両方に訴えかけてきますよね。
芭蕉はこの句が気に入っており、複数の本にのせたり、懐紙に書いて人にプレゼントしたりしていたそうです。
本人もお気に入りの一句というわけですよね。
草の戸も 住み替はる代ぞ 雛の家

こちらの句は松尾芭蕉が奥の細道で詠んだ句のひとつです。
芭蕉が旅に出るにあたり、今まで住んでいたぼろぼろの家を出ようとしていますが、またこの家にも新しい人が住み、おひな様などを飾ったりするのかなあという句です。
芭蕉という、華やかさがない年齢も高い男性が住んでいた家ですが、おひな様を飾るということは小さい女の子がいる家庭が住むのかもしれません。
この変化も、冬から春へという季節の移り変わりを感じさせますよね。
白桃や 莟うるめる 枝の反り

こちらの句は大正時代の文豪、小説家として知られており、現在は芥川賞でも知られている芥川龍之介がうたったものです。
桃の花のつぼみや反っている枝の感じを想像するだけで、これから何か始まりそうな春のおとずれを感じさせる句ですよね。
俳句を書かれるなんて意外な感じがしますが、短編小説が得意な龍之介だけに短い文章にエッセンスを詰めるのがうまいのかもしれません。
すてきな日本画を想像しそうなみずみずしい俳句です。
菜の花が しあはせさうに 黄色して

昭和から平成にかけて活躍した細見綾子さんが読んだ俳句、あたたかさや色彩がしっかりと伝わってきますね。
菜の花が黄色く咲いている様子を描く中で、幸せそうという感情が入っていることで、春のあたたかさがさらに強調されているような印象です。
また菜の花は1本だけではなく、多くの菜の花が咲いている景色なのだということも、この幸せのワードから感じられますよね。
俳句だけを見ればハッピーな空気感が伝わってきますが、作者の境遇と重ねてこの俳句を見れば、違った深みが見えてくるのでその見方もオススメですよ。
おわりに
俳句は、季節の移り変わりを感じながら、自由に表現を楽しめる素晴らしい日本の文化ですよね!
気に入った俳句は見つかりましたか?
ぜひ、この春は俳句を取り入れてみてください。
自然の美しさを感じながら、言葉で春を味わいましょう!