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美しきエレクトロニカ~オススメの名曲・人気曲

「エレクトロニカ」と呼ばれるジャンルは電子音楽のサブジャンル的な扱いではありますが、その実態は曖昧でクラブ・ミュージック系のアーティストに限らず、とくに2000年代以降は多くのミュージシャンが「エレクトロニカ的」手法を取り入れた音楽を模索しています。

意識せずとも、私たちは自然とエレクトロニカ的な音を耳にしているのですね。

そこで今回は、いわゆるIDMと呼ばれる90年代初頭の代表曲を皮切りに、ポストロックやエレクトロ・シューゲイザー、ヒップホップの領域に至るまでさまざまな名曲を一挙ご紹介!

エレクトロニカ入門編のプレイリストとしても、ぜひ参考にしてみてください。

美しきエレクトロニカ~オススメの名曲・人気曲(1〜10)

roygbivBoards of Canada

エレクトロニカ~IDMのファンにとってはおなじみの音楽デュオ、ボーズ・オブ・カナダ。

スコットランド出身の2人組を見いだしたのはかのオウテカで、名門中の名門レーベルWARPからリリースされたデビュー作『Music Has the Right to Children』が絶賛を浴び、一躍注目を集めました。

今回取り上げている楽曲『Roygbiv』はそのデビュー作に収録されており、不思議なタイトルの意味はRed, Orange, Yellow, Green, Blue, Indigo, Violetという虹を構成する7色の頭文字から取った造語なのですね。

エレクトロ・ミュージックのファンの間でも人気の高い、彼らにとっても代表曲の1つと言える名曲ですが、楽曲自体は2分30秒程度の短いナンバーです。

その短い時間の中で、彼らの独自性や創造性がはっきりと刻印されており、イントロのややシリアスで不穏なベース・ラインからヒップホップからの影響と思しきビートが重なり合い、浮遊するメロディ・ラインが鳴り出した瞬間にがらりと雰囲気を変える展開がお見事としか言えません。

単純に明るいとか暗いといったものではなく、ノスタルジックでありつつ不思議なイメージを想起させる音世界は、繰り返し聴けば聴くほどその奥深さにのめり込んでしまうことでしょう。

DaydreamingRadiohead

私も含めて90年代に10代を過ごしてオルタナティブロックの洗礼を受けた音楽ファンにとって、レディオヘッドがエレクトロニカというジャンルを知るきっかけであった、という方は多いのではないでしょうか。

エレクトロニカからの影響を全面に押し出した、2000年リリースのアルバム『キッド A』は本当に衝撃的でしたよね。

近年は、エレクトロニカも自身の音楽性の1つとして自在に取り込むレベルにまでなったレディオヘッドが、2016年に発表したアルバム『A Moon Shaped Pool』は、まさにあらゆるジャンルを自らのものとしてきたレディオヘッドならではの名盤でした。

エレクトロニカをテーマとした記事ということで、本稿で取り上げている『Daydreaming』は、エレクトロニカ的な浮遊感とトム・ヨークさんのささやくような歌声が耳に残る、ミニマルなピアノ・アンビエント風の楽曲です。

タイトル通り、白昼夢のような幻想的で美しいナンバーですが、歌詞は幻想的な美などといったものとはかけ離れた、当時のトム・ヨークさんの私生活で起きた出来事なども踏まえた、いかにもレディオヘッド的な世界が描かれています。

示唆的なMVも含めて、ぜひチェックしてみてください。

HoppipollaSigur Rós

アイスランドが世界に誇るポスト・ロック・バンド、シガー・ロス。

母国語のアイスランド語と、バンドが作り上げた造語「ホープランド語」で歌われる歌詞も特徴的で、業界のファンも多く、ここ日本においても高い人気を誇るバンドですよね。

今回エレクトロニカというテーマでシガー・ロスを取り上げたのは、いわゆるポスト・ロックと呼ばれるバンドはエレクトロニカからの影響も強く、音楽性にもきっちり反映されているからというのが理由です。

今回取り上げている楽曲『Hoppípolla』は、世界的に高い評価を受けて商業的にも成功を果たした2005年リリースの名盤『takk…』に収録されているナンバー。

エレクトロニカ的な電子音がちりばめられつつ、力強いバンド・サウンドと流麗なストリングスによるアンサンブルから織り成す、地平の彼方まで広がりを見せる壮大なサウンド・スケープはあまりにも美しく、どこか遠い世界へと連れて行かれそうな気にさえさせられます。

エレクトロニカがこういった方向性のジャンルにも影響を与えている、という観点においても重要な作品と言えるのではないでしょうか。

美しきエレクトロニカ~オススメの名曲・人気曲(11〜20)

A French ComposerKettel

00年代以降のエレクトロニカで好きなアーティストは、と言われてオランダ出身の音楽家によるソロ・プロジェクト、ケッテルの名前を挙げられる方、結構いらっしゃるのでは?

2001年に19歳という若さでアルバム・デビューを果たした早熟な才能を持ち、ここ日本においても熱心なエレクトロニカ・ファンの間では人気の高い存在として知られています。

2020年代を過ぎた今も現役で活躍中の彼がリリースした素晴らしい作品群の中で、今回取り上げているのは2004年にリリースされた名盤『Volleyed Iron』のオープニングを飾る楽曲『A French Composer』です。

不思議とノスタルジックな雰囲気も漂う繊細な電子音と、フィールドレコ―ディングと思しき環境音や生活音とがごく自然に混ざり合い、どこまでも内省的な世界観はベッドルーム・ミュージックとしても最適な作風となっています。

外に向けて強く発信するタイプの音楽ではないからこそ、静かな夜に一人でじっくりと聴きたい作品ですね。

当時22歳前後の若者がこの音世界を作り上げた、というのも衝撃的ですよね。

現時点ではCDは廃盤となっているようですから、フィジカルでほしい方は中古などで見つけたら必ずレジへ直行しましょう!

Summer ColourI Am Robot & Proud

あまりテクノやクラブ・ミュージックを聴いたことがないけど、なんとなくエレクトロニカに興味がある……という方にも大推薦のアーティストが、I Am Robot And Proudです!

カナダはトロント生まれ、中国系カナダ人のショウハン・リームさんによるソロ・プロジェクトで、とにかく聴きやすいメロディが満載、ポップなエレクトロニカを軸とした音楽は、初心者であってもすんなり入り込めるはず。

トロント王立音楽院にてクラシックピアノを専攻していたというキャリアを経て、電子音楽へと転向したキャリアを持つリームさんならではのサウンド作りは、雰囲気重視のふんわりとしたエレクトロニカとは一線を画す、オーガニックで温かみのある歌心と人懐こい電子音がちりばめられたもので、繰り返すようにエレクトロニカをあまり聴いたことがない、という方にも楽しめる音楽性なのですね。

来日ツアーの模様で構成されたMVも印象的なこちらの『Summer Colour』は、そんなI Am Robot And Proudの王道とも言えるポップでどこかノスタルジックな雰囲気に切なさも感じさせるステキなナンバー。

まずはI Am Robot And Proudの作品群からエレクトロニカを聴き始める、という選択肢は大いにありだと思いますよ!

StarsUlrich Schnauss

2000年代初頭に、シューゲイザーとエレクトロニカが美しく融合した「エレクトロ・シューゲイザー」と呼ばれるジャンルが登場しました。

もともと90年代のオリジナル・シューゲイザーのアーティストたちがエレクトロ・ミュージックへ早くから接近していた事実もあるのですが、エレクトロニカ世代のアーティストはシューゲイザーからの影響を強く受けている方が実は多いのです。

その代表格と言えるのが、ドイツ出身のウルリッヒ・シュナウスさん。

彼がとくに2000年代にリリースした作品群は、どれもエレクトロ・シューゲイザー好きにとっては聖典の如き評価を受ける名盤ばかりなのですね。

今回取り上げているのは、2007年にリリースされた通算3枚目のアルバム『Goodbye』に収録された名曲です。

ドリームポップにも通じる幻想的なメロディ、浮遊するノイズ、ほんのり漂うサイケデリックな雰囲気、繊細な電子音がちりばめられた音世界の美しさは、2020年代を過ぎた今聴いても色あせることはありません。

エレクトロニカとシューゲイザーの方法論がこれほど相性がいいとは、と当時は驚いたものです。

エレクトロ・シューゲイザーってどのアルバムを聴けばいいのかわからないという方であれば、まずはシュナウスさんの作品を聴けば間違いないですよ。

Bless This Morning YearHELIOS

2000年代以降の美しいメロディを持ったエレクトロニカと言われて、Heliosの作品を真っ先に挙げられる方は多いのでは?

ピアノ・アンビエントを軸としたポスト・クラシカル的な音を鳴らすGoldmundなど、さまざまな名義で多くの作品をリリースし、ここ日本においても人気の高いアーティスト、キース・ケニフさんによるエレクトロニカ・プロジェクトです。

あからさまなポピュラリティや美メロとは一味違う、浮遊するアンビエントな空気感が幻想的で美しいこちらの『Bless This Morning Year』は、2006年にHelios名義でリリースされた名盤セカンド・アルバム『Eingya』のオープニングを飾るナンバーです。

生のアコースティック・ギターの響き、前面に出過ぎない電子音、フィールドレコ―ディングといった要素が緻密に織り成すテクスチャーの妙は、キースさんの素晴らしい才能を如実に示すものでした。

アルバムがエレクトロニカ好きであればおなじみの名門レーベル、Typeからリリースされたこともあって、リリース当初からポスト・ロックなどが好きなファンも含めて、熱心な音楽ファンの間で高い評価を受けていましたね。

メロディックなエレクトロニカを探しているという方であれば、必ず聴いておくべき名曲です!