世界の有名クラリネット奏者~クラシックからジャズまで
柔らかい音色を持ち、幅広い音域をカバーできるクラリネットは、吹奏楽やクラシック、ジャズなど、あらゆるジャンルで高い人気を誇る楽器です。
また、アンサンプルからソロまで、さまざまな演奏形態に適応できるのも、クラリネットの特徴といえるでしょう。
有名な童謡『クラリネットをこわしちゃった』で存在を知った、という方も多いかもしれませんね。
こちらの記事では、クラシックやジャズの世界で活躍する世界のクラリネット奏者を集めてみました。
これを読めば、クラリネットのことがもっと身近に感じられるかも?
世界の有名クラリネット奏者~クラシックからジャズまで(1〜10)
第1狂詩曲/Claude DebussyIstván Kohán

ハンガリー出身のクラリネット奏者、イシュトヴァーン・コハーンさん。
その卓越した技術と豊かな表現力で、国際的管楽器ソリストのなかで最も注目すべき人物の一人とされています。
2013年に東京で開催された第9回国際クラリネットコンクールで優勝し、一躍注目を集めた彼は、フランス印象主義の作曲家の作品を得意としており、特にドビュッシーの『第1狂詩曲』の演奏で多くの支持を得ています。
ソリストとしてだけでなく、室内楽やオーケストラのメンバーとしても活躍。
繊細な音色と深い表現力で、聴く人の心を魅了します。
クラリネット協奏曲 第2番 変ホ長調 Op.74/Carl Maria von WeberDaniel Ottensamer

偉大なクラリネット奏者である故エルンスト・オッテンザマーさんを父親に持ち、ベルリン・フィル首席奏者として活躍するアンドレアスさんが実弟という名門音楽ファミリーの一員であるダニエル・オッテンザマーさんもまた、超一流のクラリネット奏者として世界的に活躍している存在です。
ウィーン・フィル首席を務め、家族で結成したクラリネット・アンサンブル「クラリノッティ」などの活動でも知られるダニエルさんは、弟のアンドレアスさんから少し遅れて2015年に初となるソロ・アルバムをリリースするなど活躍の場を広げており、卓越した技術とセンスでクラシック音楽ファンを魅了し続けています。
そんなダニエルさんも参加する、ウィーン・フィルとベルリン・フィルのメンバーで構成されているアンサンブル「フィルハーモニクス」ではクラシックのみならずジャズやスウィング、フォークといった他ジャンルとのクロスオーバー的な展開を見せるサウンドを鳴らし、2018年にオーパス・クラシック賞を受賞するなど高い評価を得ていますよ。
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622/Wolfgang Amadeus MozartPatrick Messina

フランス出身のクラリネット奏者、パトリック・メッシーナさん。
幼少期から音楽に親しみ、パリ国立高等音楽院で研さんを積んだ彼は、1992年にイェフディ・メニューイン財団の奨学生に選ばれました。
1996年には、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でキャリアをスタート。
2003年にはフランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者に抜てきされ、世界中の一流オーケストラと共演を重ねています。
室内楽にも積極的で、ベルリン・フィルハーモニア四重奏団など、世界的な演奏家たちとの共演も多く、彼の演奏活動から目が離せません。
世界の有名クラリネット奏者~クラシックからジャズまで(11〜20)
Burgundy Street Blues/George LewisGeorge Lewis

ジャズの聖地、ニューオリンズが生んだクラリネット奏者であり、後続のニューオリンズ・ジャズのミュージシャンたちにも多大なる影響を及ぼしたジョージ・ルイスさん。
幼少期から音楽が好きだったというルイスさんは、正式なレッスンを受けたことはなくすべて独学で楽器をマスターしたのだとか。
戦前からバンドや楽団のメンバーとして活躍、晩年には日本への来日も実現し、多くの観客を動員しています。
ニューオリンズ・ジャズを愛好する人にとっては知らぬものはいないというほどの存在であり、天性のリズム感と日本人好みの哀愁漂う旋律の素晴らしさは、ジャズに興味がないという方であっても心地良く聴けるのではないでしょうか。
前述した来日公演の模様を収めたライブ盤もリリースされていますから、興味を持たれた方はぜひチェックしてみてくださいね。
Putty Boy Strut/Flying LotusAnat Cohen

1975年生まれ、イスラエル出身でニューヨークを拠点としてワールドワイドな活躍を見せるアナット・コーエンさんは、現代ジャズ界において最も重要なクラリネット奏者の1人です。
同じくジャズ・ミュージシャンとして世界的に著名なトランペッターのアヴィシャイ・コーエンさん、サックス奏者のユヴァル・コーエンさんとともに「3 Cohens」という兄妹バンドの紅一点としても知られているアナットさんは、ジャズやブラジル音楽にアフリカ音楽、自身のルーツとなるイスラエルの音楽まで自在に行き来するスタイルでクラリネットの新たな可能性を引き出すだけではなく、マルチ・リード奏者として多くの分野で才能を発揮しているミュージシャンなのですね。
ジャズやクラシック音楽のみならず欧州や中東、中南米の民族音楽などにも使われているクラリネットという楽器の重要性を語る彼女の豊潤な音楽を聴いていると、思わずクラリネットを練習してみたいと感じてしまうかもしれません!
Sonata for clarinet soloSebastian Manz

祖父はバイオリニスト、両親はピアニストという音楽家の家系に生まれたセバスティアン・マンツさん。
彼は2008年にめったに1位を出さないことで有名なミュンヘン国際音楽コンクールで40年ぶりに1位を受賞しました。
それだけで彼のすごさがわかるのではないでしょうか。
それ以来、クラシックの若手演奏家の中ではとても人気のある演奏者です。
彼の多才な音色と表現力を聴いていると、彼の世界に引き込まれてしまいます。
これからも注目の演奏者の一人ですね。
Someday Sweetheart/John and Reb SpikesWoody Herman

ウディ・ハーマン楽団で知られる彼は、子供の頃ボードビルの歌手として舞台に立ち、15歳でサックス奏者として活動を始めました。
クラリネット奏者としてだけでなく、ビッグバンドの経営に工夫を重ねた彼の人生はとても興味深いものがあります。
ジャズ愛好家なら誰でも知っている、サックスセクションをフィーチャーした『フォー・ブラザーズ』は彼の楽団のヒット曲です。
彼はバンド経営を続けていくためにいろいろなスタイルにバンドを変化させていきました。
時代を追って聴いてみるのも楽しいですよ。