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【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ

ポストロックというジャンルを聴き始めて間もないという方のほとんどは、洋楽を起点として作品をチェックしている最中だと思われます。

実はここ日本におけるポストロック・シーンは、世界的に評価されているバンドが多く存在しているという事実をご存じでしょうか。

彼らが試みた音作りは、実はメジャーでヒットしている楽曲の音作りにも大きな影響を与えています。

とはいえ基本的に商業的な音楽ではないからこそ、実際に探すとなると初心者の方であれば敷居が高いかもしれません。

そんな音楽ファンに向けて、今回の記事では日本のポストロックを代表するバンドたちを紹介しております。

邦楽ロックがお好きな方も、ぜひご覧ください!

【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ(11〜20)

ペトロールズ

椎名林檎さんが率いる東京事変の中で「浮雲」としても活躍するギタリスト、長岡亮介さんがボーカル兼ギタリストとして在籍するペトロールズは、もともとはヒップホップ・バンドをやっていたベーシストの三浦淳悟さん、ビジュアル系やメタルがルーツというドラマーの河村俊秀さんという個性的なメンバーによるトリオです。

2005年の結成以来、ライブを主戦場として会場で作品を手売りするといったようなDIYな活動を続けていた彼らは活動当初からインディーズ・シーンにおいて絶大な人気を誇り、初の全国流通版となったミニアルバム『Problems』がリリースされたのは212年のことなのですね。

徹頭徹尾インディーズでの活動にこだわる彼らはCDというスタジオ音源のフォーマットにあまり興味がないそうで、ライブで演奏してその変化を楽しんでいるというスタイルは、ライブ・バンドならではの音楽的態度だと言えそうです。

ジャンルとしてのポストロックはあくまで彼らの一面でしかなく、オルタナ・カントリーやファンク、ジャズにサイケデリックなど多くの音楽性を内包しつつも、ファルセットを使った長岡さんのボーカルによるメロディは聴きやすく、高い演奏技術に支えられたトリオ編成ならではの隙間のあるアンサンブルは、やはりライブで体験していただきたいですね!

Worn heels and the hands we holdenvy

envy ” Worn heels and the hands we hold “
Worn heels and the hands we holdenvy

一口にポストロックと言ってもその音楽性はバンドやアーティストによってさまざまですが、言葉を失うほどの壮絶なハードコア・サウンドからスタートし、深遠なポストロックの領域にまで達したenvyという存在は、邦楽ポストロックを深掘りしたい方にもぜひ推薦したいバンドです。

伝説的なバンドのBLIND JUSTICEを前身として1995年に結成されたenvyは、改名後のデビュー・アルバムとなった『Breathing and dying in this place…』の時点では長くて2分、曲によっては1分にも満たないカオティックなショート・チューンを軸としたハードコアを鳴らしていましたが、徐々に音楽性を変化させ、2001年に発表された大傑作サード・アルバム『all the footprints you’ve ever left and the fear expecting ahead – 君の靴と未来』では壮絶な日本語による叫びとドラマチックな轟音、複雑な楽曲展開で激情ハードコアの極限を提示、アンダーグラウンドのシーンにおいてすさまじい衝撃を与えたのです。

彼らの素晴らしさはこれだけのアルバムの後に、さらなる進化を遂げたことでしょう。

ポストロックが好きという方は、2006年にリリースされた通算4枚目のアルバム『a dead sinking story』以降のenvyをまずは聴いてほしいですね。

ポストロックやアンビエントといった要素を大幅に取り入れて、ドラマチックな長尺曲を中心に展開していく音世界は、根底にある精神は変わらずとも、より深い精神世界へと没入していくような展開を見せるのです。

中心人物のボーカリスト、深川哲也さんの脱退や再加入、他のメンバーの脱退劇など多くの困難を乗りこえた彼らは2002年代の今も3人組として活動を続けています。

日本のハードコア・シーンが生んだ孤高のバンドによる芸術的な作品群を、ぜひ手に取ってみてください。

PERSON! PERSON!!Mudy On The 昨晩

mudy on the 昨晩 / PERSON! PERSON!! 【Official Music Video】
PERSON! PERSON!!Mudy On The 昨晩

邦楽ポストロック・シーンにおいて大きな役割を果たした残響レコード所属、いわゆる「残響系」の代表的なバンドの1つにして、意味深かつパンチの効いたバンド名も気になるmudy on the 昨晩は、2006年に名古屋にて結成されたインストゥルメンタル・バンドです。

結成当初は大学生だったという若さながら、高い演奏能力を武器として強烈なライブ・パフォーマンスを展開、インディーズ・シーンにおいて注目を集めた彼らは、翌年の2007年には早くも強烈な海外勢がそろうライブ・イベント「EXTREME THE DOJO」に参戦するなど、その知名度を急激に上げていきます。

2008年には先述した残響レコードよりデビュー・ミニアルバムをリリース、その後も自主企画イベントなども積極的に開催するなど、独自の活動でシーンをかき回します。

そんな彼らのサウンドはポストロックやマスロック、カオティックなハードコアなどをブレンドさせた強烈なもので、トリプル・ギターならではの複雑怪奇なアンサンブル、それでいて踊れるグルーヴを兼ね備えた楽曲はやはりライブでこそ味わいたいといった代物。

9mm Parabellum Bulletといったバンドが好きという方でmudy on the 昨晩を知らない、という人がいれば必ずチェックしてください!

言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。te’

言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。
言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。te'

本稿で取り上げた楽曲のタイトルを見て、バンドの存在を知らなければ「なんだこの曲名は」と思われた方も多いことでしょう。

とても曲のタイトルとは思えないほどに長い、詩的というか哲学的な文章も特徴的なte’は、2004年に結成された4人組のインストゥルメンタル・バンドです。

海外のマスロックやポストハードコア、ポストロックといったバンドから多大な影響を受けた強烈なサウンドは当時のインディーズ・シーンに大きなインパクトを与え、2010年にはメジャー・デビューを果たすなど00年代以降の邦楽ロック・シーンにおいて異彩を放った存在なのですね。

ギター2本とベース、ドラムスというシンプルなバンド編成で生み出される彼らの音は、同じインストゥルメンタル・バンドのtoe辺りと比べるとロック色が強く、初期からトレードマークと言える性急なリズム・パターンと自由奔放に飛び交うギター・ノイズ、暴れ回るベース・ラインといった要素は健在ながらも、作品をリリースするごとに洗練と豊かな歌心が感じ取れるようになり、ボーカルがなくともこれだけの楽曲表現が可能なのだと改めて驚かされますね。

余談ですが、ギタリストの河野章宏さんが設立したレーベル「残響レコード」は、te’の作品群はもちろん、初期の9mm Parabellum BulletやPeople In The Box、cinema staffといった後にメジャーでも活躍するバンドたちを輩出したことでも知られており、俗に「残響系」と呼ばれた彼らの音楽的な方法論は、インディーロック・シーンのみならずポップスやチャート音楽まで影響を与えています。

そういった意味でも、邦楽の歴史において非常に重要なバンドであると言えましょう。

風になるまでonsa

2000年代の邦楽インディーズ・シーンに詳しい方であれば、onsaの名前を記憶している人は多いのではないでしょうか。

2002年に東京は下北沢にて結成された4人組で、老舗音楽レーベル「UK.PROJECT」より作品をリリースして人気を博していたバンドです。

残念ながら2009年に解散していますが、アメリカのエモ、ポストハードコア、ポストロックといったインディー系のサウンドから影響を受けた繊細かつ緻密なバンド・アンサンブルが織り成す珠玉の楽曲群は、洋楽ファンからの注目を集めていましたね。

海外のバンドが来日した際にはよく前座を務めていたこともありましたから、そこで初めて彼らの存在を知ったという洋楽好きもいらっしゃるのでは?

ナイーブな少年性を宿したボーカリストの岡崎孝和さんの声、日本語で歌われる叙情的なメロディ、青春の輝きがそのまま形となって疾走していくようなサウンドは、限りなく「エモーショナル」としか言いようのない代物。

ポストロックとは少し違いますが、日本にも2000年代にこういうバンドがいたことはぜひ知っておいていただきたいですね。

余談ですが、ドラマーの大浦勝也さんは会社の代表を務めつつ、現在ミュージシャン支援プラットフォーム「unitive」を運営しているそうです。