【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ
ポストロックというジャンルを聴き始めて間もないという方のほとんどは、洋楽を起点として作品をチェックしている最中だと思われます。
実はここ日本におけるポストロック・シーンは、世界的に評価されているバンドが多く存在しているという事実をご存じでしょうか。
彼らが試みた音作りは、実はメジャーでヒットしている楽曲の音作りにも大きな影響を与えています。
とはいえ基本的に商業的な音楽ではないからこそ、実際に探すとなると初心者の方であれば敷居が高いかもしれません。
そんな音楽ファンに向けて、今回の記事では日本のポストロックを代表するバンドたちを紹介しております。
邦楽ロックがお好きな方も、ぜひご覧ください!
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【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ(11〜20)
残花/ZankaHeaven in Her Arms

激烈なハードコア・サウンドから深遠なポストロック的な音像にまでたどり着いたバンドは、envyだけではありません。
2001年に東京で結成されたHeaven in Her Armsは、envyの主宰するレーベル「SONZAI RECORDS」に所属しているバンドで、海外のバンドとも積極的に交流して海外ツアーも行う激情ハードコア・バンドです。
ハードコア・ファンであれば、そのバンド名があのコンヴァージの歴史的傑作『Jane Doe』の収録曲から引用されたものだと気付くでしょう。
そんな彼らが鳴らすサウンドは、ポストハードコアやポストロック、ブラックメタルなどの要素を昇華したもので、激情がほとばしる轟音ハードコア・サウンドと抑制を効かせた静寂パートが交差するといったものであり、作品のアートワークも含めてenvyとはまた違った独自の美学から生まれる音世界が国内外のファンを魅了し続けているのです。
日本ツアーでの前座を務めたDEAFHEAVENといった、ポストメタルと称される海外のバンドとも共振する漆黒の闇と激情の美が展開する彼らのサウンドを聴くことで得られる音楽的体験を、ハードコア・ファンのみならずとも味わってもらいたいですね。
二月の兵隊the cabs

複雑なリズム構成と文学的な歌詞で独自の世界観を築き上げたバンド、the cabsです。
2011年に残響レコードからミニアルバム『一番はじめの出来事』でインディーズデビュー。
変拍子を駆使した楽曲や爆撃機と称されるドラムスプレイ、透明感のある歌声が絶妙なバランスを見せる実力派グループです。
2013年2月、ギタリストの失踪により解散を余儀なくされましたが、その後メンバーはそれぞれのプロジェクトで活動を続け、2025年に待望の再結成を果たしています。
実験的でありながら感情的な表現力を持つ彼らの音楽は、世代をこえて響くものがあります。
StaySPECIAL OTHERS

1995年に高校の同級生というメンバーにより結成され、以降は不動の4人組として独自の活動を続ける横浜出身のSpecial Others。
ファンの間では「スペアザ」という略称でも親しまれている彼ら、ほとんどの楽曲がインストゥルメンタルで構成された音楽スタイルながら、2012年にリリースされた通算5枚目のアルバム『Have a Nice Day』がオリコン・チャートで8位をマークするなど商業的な成功も収めており、2013年には日本武道館でのワンマンライブを開催するなど、非常に高い人気を誇る存在なのですね。
そんなスペアザの音楽性は前述したようにインストゥルメンタル中心の楽曲で、たしかにポストロック的な要素も多く見られるのですが、確かなテクニックから繰り出される即興演奏はジャズからの影響も大いに感じられ、インプロを主体としたジャム・バンドとしてとくにライブ・パフォーマンスの素晴らしさが多くの人を魅了し続けているのです。
即興演奏などと書くと尻込みしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、彼らの音楽には豊かなメロディが盛り込まれ、インストゥルメンタルが苦手という方でもすんなり聴けるポップさを兼ね備えていることは強調しておきたいところ。
ともあれ、お酒を片手に気持ち良く踊れるグルーヴはやはりライブで見て体験して、初めてその真価を理解できると言えそうです。
疾走する閃光fox capture plan

ポストロックの文脈に置くと語弊が生まれるかもしれませんが、ジャズの新しい可能性を追求して「現代版ジャズロック」をコンセプトに2011年より活動を開始したピアノ・トリオ、fox capture planも邦楽ポストロックを深掘りしたい方にはオススメのバンドです。
90年代オルタナティブロックの洗礼を受けた世代ならではのミクスチャー感覚とでも表現できそうな、ジャズやフュージョンにポストロックからダブステップ、ドラムンベースといったジャンルを融合させたハイブリッドなサウンドは、先鋭的なロックを好む方にこそ響く音と言えましょう。
フジロックやサマーソニック、東京JAZZなどのフェスティバルに出演し、ドラマの劇伴やCM曲の提供するなどジャズの領域にとどまらない活動を続ける彼らは精力的な作品リリースでも知られ、2022年の現在までに9枚のフル・アルバムや2枚のミニアルバムを発表するなど、そのクリエイティビティはデビューから10年以上が過ぎた今も衰えることを知りません。
個人的には、そんな彼らのルーツを知る上でも2015年に発表された『COVERMIND』はとくにオルタナティブロックを愛する方々にオススメなカバー集です!
90年代のオルタナティブロック、パンクやテクノなども含めた名曲たちが彼ら流儀のアレンジで生まれ変わった様は必聴ですよ。
PERSON! PERSON!!Mudy On The 昨晩

邦楽ポストロック・シーンにおいて大きな役割を果たした残響レコード所属、いわゆる「残響系」の代表的なバンドの1つにして、意味深かつパンチの効いたバンド名も気になるmudy on the 昨晩は、2006年に名古屋にて結成されたインストゥルメンタル・バンドです。
結成当初は大学生だったという若さながら、高い演奏能力を武器として強烈なライブ・パフォーマンスを展開、インディーズ・シーンにおいて注目を集めた彼らは、翌年の2007年には早くも強烈な海外勢がそろうライブ・イベント「EXTREME THE DOJO」に参戦するなど、その知名度を急激に上げていきます。
2008年には先述した残響レコードよりデビュー・ミニアルバムをリリース、その後も自主企画イベントなども積極的に開催するなど、独自の活動でシーンをかき回します。
そんな彼らのサウンドはポストロックやマスロック、カオティックなハードコアなどをブレンドさせた強烈なもので、トリプル・ギターならではの複雑怪奇なアンサンブル、それでいて踊れるグルーヴを兼ね備えた楽曲はやはりライブでこそ味わいたいといった代物。
9mm Parabellum Bulletといったバンドが好きという方でmudy on the 昨晩を知らない、という人がいれば必ずチェックしてください!
kiramekimiaou

邦楽ポストロック・シーンの中でも、その際立った美メロの素晴らしさに心を奪われる神奈川県出身のmiaou。
ギタリストの浜崎龍樹さん、ベースとドラムを担当する長谷川真弓さん・宏美さんの姉妹が1999年に結成したベテランのトリオであり、ポストロックやインディーズ・シーンにかなり詳しい方でないと知らない名前かもしれませんが、これから邦楽ポストロックを聴き始めるという方にもぜひ知っておいてもらいたい存在です。
彼らのアルバムはtoeのギタリストである美濃隆章さんがエンジニアを務めていますし、below the seaやART OF FIGHTING、TRACER AMCにepic45といった著名な海外のポストロック勢とのツアーをこなすなど、その実力は折り紙付きなのですね。
そんなmiaouは冒頭で述べたように、インストゥルメンタルながら突出して美しいメロディを奏でるバンドであり、ポストロックはもちろんフォークトロニカなども通過した、繊細かつ緻密なバンド・アンサンブルが織り成すどこかノスタルジックな叙情性は、THE ALBUM LEAFなどがお好きな方にも大推薦!
メンバーはそれぞれソロ活動なども行っていますから、合わせてチェックしてみてください。
【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ(21〜30)
BondLITE

toeやMONOなど、海外でも高く評価される邦楽ポストロック・バンドは少なくないですが、2004年に結成された4人組インストゥルメンタル・ロックバンドのLITEも日本のみならず欧米で高い人気を誇る存在です。
ギター2本とベース、ドラムスというオーソドックスなロック的フォーマットの中で、後にドラマーの山本晃紀さんが自身のツイッターで「1つのフレーズを分解して3人が絡むように振り分けて、立体的に聞こえるようにする」と解説していた試みから生まれたテクニカルなインストゥルメンタル・サウンドは初期から高い完成度を誇り、早い段階で海外でのリリースやツアーも果たしています。
伝説的なハードコア・バンドのミニットメンのベーシスト、マイク・ワットさんに気に入られて自身のバンドとのスプリット盤をリリース、シカゴが生んだポストロック界の最重要人物ジョン・マッケンタイアさんをエンジニアに迎えて作品を発表するなど、同業者からの評価も非常に高いです。
そんなLITEは初期のサウンドに固執するのではなく、シンセサイザーの導入や歌もの曲を制作するなど、キャリアを重ねるごとに音楽性の幅も広がっていきます。
2020年に公開された映画『騙し絵の牙』や、2021年に配信されたアニメ―ション映画『ブライト:サムライソウル』の劇伴を担当するなど、彼らの挑戦は2020年代を過ぎた今も続いているのです。