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【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ

ポストロックというジャンルを聴き始めて間もないという方のほとんどは、洋楽を起点として作品をチェックしている最中だと思われます。

実はここ日本におけるポストロック・シーンは、世界的に評価されているバンドが多く存在しているという事実をご存じでしょうか。

彼らが試みた音作りは、実はメジャーでヒットしている楽曲の音作りにも大きな影響を与えています。

とはいえ基本的に商業的な音楽ではないからこそ、実際に探すとなると初心者の方であれば敷居が高いかもしれません。

そんな音楽ファンに向けて、今回の記事では日本のポストロックを代表するバンドたちを紹介しております。

邦楽ロックがお好きな方も、ぜひご覧ください!

【邦楽ポストロックのススメ】代表的なバンド、人気グループ(1〜10)

16.12Mono

toeと並んで邦楽ポストロック・バンドの最も有名な存在といえば、1999年に結成された4人組のMONOでしょう。

活動当初から世界を視野に入れた活動を続けており、2001年のデビュー・アルバム『Under The Pipal Tree』の時点でアメリカの前衛的な音楽レーベル「Tzadik」から発表、これまで150本に及ぶワールドツアーなどをこなしたキャリアを持つなど、日本以上に海外で高い評価を受けているバンドといっても過言ではないでしょう。

MONOのサウンドはゆったりとしたリズムで繰り出される静と動のダイナミズムを巧みに操る楽曲展開が特徴的で、モグワイやゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーといったバンドに肉薄する轟音と静寂のコントラストは素晴らしくドラマチックであり、曲によっては15分をこえる長尺曲も多く、他では味わえないような音楽体験を聴き手に届けてくれるのです。

いわゆる轟音系のポストロックとされるバンドの中も、彼らの楽曲の持つ短編映画のような物語性は作品をリリースするたびに強化され、2009年に5枚目のアルバム『Hymn to the Immortal Wind』がリリースされた直後に実現した、ニューヨークで開催されたオーケストラとの共演はMONOサウンドが一つの頂点を極めた瞬間でしたね。

もちろん、彼らの音世界は今も進化し続けており、2017年には残念ながらオリジナル・メンバーの脱退もありましたが、新たなメンバーを加えて2019年には10枚目のアルバム『Nowhere Now Here』を、2021年には11枚目となる『Pilgrimage of the Soul』を発表しています。

spectres de mousemouse on the keys

海外においても、いわゆるハードコアやパンク出身のミュージシャンが次なるキャリアとして先鋭的なポストロック・バンドをスタートさせるという例は非常に多いのですが、2人のキーボーディストとドラマーという変則的なトリオのmouse on the keysもその例にあてはまるバンドです。

伝説的なポストハードコア・バンドのnine days wonderのメンバーだったドラマーの川﨑昭さんとキーボーディストの清田敦さんによって2006年に結成、その後キーボーディストの新留大介さんが加入して、マウス・オン・キーズは本格的な活動を開始します。

2007年にはtoeが運営しているレーベル「Machupicchu Industrias」よりデビューEP『Sezession』を、2009年にはデビュー・アルバム『An Anxious Object』をリリース、翌年の2010年には両作品をヨーロッパでも発表して海外ツアーも敢行しており、圧倒的なパフォーマンスで大きな話題を呼びます。

そんな彼らのスタイルは、前述した変則的なトリオならではのサウンドを展開しており、ポストロックやジャズ、現代音楽などを独自に昇華した個性的な楽曲群は、初めて聴いた方であれば驚かれるかもしれません。

ピアノの音色は時に叙情的で美しいフレーズを奏で、時にスリリングな緊張感を生み出し、すさまじく手数の多いテクニカルなドラムスが楽曲の核となって強烈なグルーヴを生み出す様は圧巻の一言。

そんな彼らは一貫してインディーズでの活動を続けていますが、CM用にオリジナル曲の提供や、個展のインスタレーション音楽を担当するなど、柔軟な姿勢を持っているというのも強調しておきたいところですね。

爆裂パニエさんtricot

フロントに女性3人、ドラマーのみ男性という4人組のtricotは、高度な演奏技術と複雑な楽曲展開、独自のポップネスを持った楽曲を武器として日本のみならず海外で高い評価を受けるバンドです。

2010年に中嶋イッキュウさん、キダ モティフォさん、ヒロミ・ヒロヒロさんの3人で結成され、翌年には初代ドラマーのkomaki♂さんが正式に加入、自身が運営するレーベル「BAKURETSU RECORDS」を始動させてインディーズ・シーンにおいて知名度を上げていきます。

2013年にはイギリスの老舗音楽雑誌「NME」に取り上げられるなど海外で評判を呼び、世K都市にはヨーロッパの複数の音楽フェスティバルに出演を果たすなどワールドワイドな活動を続け、2019年にはメジャー進出も果たしました。

彼女たちの音楽はとにかく個性的で、マスロック的な変拍子を多用した難解なバンド・アンサンブルで構成された楽曲ながらも、前述したように非常にポップでキャッチーなメロディが必ず盛り込まれており、マニアックな音楽性とJ-POP的な耳になじむ歌が、ごく自然に同居しているバランス感覚が絶妙なのですね。

そんな彼女たちはメジャー進出後の2020年に2枚のフル・アルバムを、2021年にはメジャー3枚目となるアルバム『上出来』を発表するなど、とどまることを知らない創作ペースにも驚かされます。

ポストロックと言われても難しそうで……といった敷居の高さを感じている方であれば、まずはtricotの音楽からポストロックの要素に親しんでみるというのも良い選択かもしれませんよ。

VIPRega

テクニカルで複雑な演奏やバンド・アンサンブルは好きだけど、やっぱり聴きやすいメロディがほしいという方にオススメのインストゥルメンタル・バンドが、2007年に結成された4人組のregaです。

2017年の活動休止までに4枚のアルバムをリリースしており、エモーショナルなインストゥルメンタル・ロックを愛する音楽ファンから熱狂的な支持を受けるバンドです。

2019年に活動を再開しましたが、残念ながらギタリストの四本晶さんが脱退してしまったようです。

そんな彼らの鳴らすサウンドは、高度な演奏技術に裏打ちされたインストゥルメンタル・ロックであり、最初から最後まで変化を続ける楽曲構成はたしかに複雑ではあるのですが、あくまでさらりと難解なことをやってのけるセンスが素晴らしいのですね。

何より彼らの最大の武器は、どの楽曲においても抜群にキャッチーなフックが多く盛り込まれているということでしょう。

冒頭で述べた意味はつまりそういうことであり、インストゥルメンタルに苦手意識を持っている方であればこそ、ぜひ一度は聴いて体感していただきたいサウンドなのです。

もちろん、LITEなどのバンドがお好きな方でregaを知らなかったという方も必聴ですよ!

atomjizue

jizue “atom” (Official Music Video)
atomjizue

「ジズー」と読む京都のインストゥルメンタル・トリオであるjizueは、卓越したテクニックとハイセンスなソングライティングを武器として海外ツアーなども精力的にこなす実力派バンドです。

2006年に結成、翌年にはピアニストの片木希依さんが加入して4人組として本格的な活動を開始した彼らはジャズやラテン、プログレッシブロックにポストロックの要素がちりばめられたサウンド展開し、クラブミュージックにも当たり前のように触れている世代ならではのセンスが光るサウンドがたちまち話題を集めます。

クラシックの素養を持つ片木さんのアグレッシブなピアノが時に叙情的に、時に攻撃的な旋律を奏でつつ、ロック的なダイナミズムも兼ねそなえた力強いバンド・アンサンブルは、オルタナティブロックを愛する方にも響くはず。

ライブ・パフォーマンスにも定評があり、フジロックなどの大型ロック・フェスティバルなどの参加や海外ツアーなども成功させています。

2019年には地元の京都市交響楽団を迎えてオーケストラとの共演も実現させており、幅広い分野で活躍している存在なのですね。

そんなjizueは2019年にドラマーの粉川心さんが脱退するという危機に見舞われますが、その後も活動ペースを緩めることもなくサポートのドラマーにfox capture planの井上司さんを迎え、冒頭で述べたように現在はトリオ編成として活動中です。