オシャレなヒップホップ!洋楽JAZZY HIP HOPの名盤まとめ
音楽好きの中でも「ヒップホップというかラップは苦手……」といったように、何となくのイメージでそんな風に考えていらっしゃる方、実は多いのではないでしょうか。
好き嫌いはもちろんあるにせよ、入り口を変えてみれば意外とはまってしまうかもしれませんよ。
そんな期待を込めて、今回の記事は海外の「ジャジーヒップホップ」をテーマとした内容です!
文字通りジャズに影響を受けたヒップホップ、海外では一般的に「ジャズ・ラップ」と呼ばれるジャンルで、1990年代に花開いたヒップホップのサブジャンルなのですね。
ヒップホップが苦手な方でも聴きやすい、オシャレなトラックやグルーヴに心も踊る名盤たちをぜひお楽しみください!
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もくじ
- オシャレなヒップホップ!洋楽JAZZY HIP HOPの名盤まとめ
- Rapp Snitch Knishes (feat. Mr. Fantastik)MF Doom
- Luv(sic.) pt3 (feat. Shing02)Nujabes
- Dancing in the RainBlu & Exile
- Passin’ Me ByThe Pharcyde
- Do the Astral PlaneFlying Lotus
- ProceedThe Roots
- Rebirth Of Slick (Cool Like Dat)Digable Planets
- BreakadawnDe La Soul
- Ex Girl to the Next GirlGang Starr
- Umi SaysMos Def
- 93 ‘til InfinitySouls Of Mischief
- I Don’t Do It ToEric Lau
- Don’t CryJ Dilla
- Slim’s ReturnMadlib
- Jazz (We’ve Got) Buggin’ OutA Tribe Called Quest
- King KuntaKendrick Lamar
- All CapsMadvillain
- Fudge PudgeOrganized Konfusion
- UknowhowweduBahamadia
- Leaving HellR.A.P. Ferreira
- SmileHocus Pocus
- In All the Wrong PlacesKero One
- The Music feat. SIENNAFunky DL
- Loungin’Guru
- Betty (Get Money)Yung Gravy
- My Definition of a Boombastic Jazz StyleDream Warriors
- ResurrectionCommon
- Always ShineRobert Glasper
- Take You TherePete Rock & CL Smooth
オシャレなヒップホップ!洋楽JAZZY HIP HOPの名盤まとめ(1〜20)
UknowhowweduBahamadia

ジャズ・ラップという観点で、ソロの女性ラッパーというのは珍しい存在かもしれません。
ペンシルベニア州はフィラデルフィア出身の女性ラッパー、Bahamadiaさんはリリースしたソロ・アルバムは3枚ながら同業者からの人気が高く、客演として多くの楽曲に参加しておりますね。
そんな彼女が1996年にメジャーにてリリースしたデビュー・アルバム『Kollage』は、当時の新進気鋭なクリエイターたちが多く参加、大ヒットには恵まれなかったものの、フィーメール・ラッパーによるハイクオリティな名盤としてファンの多い作品です。
参加アーティストはギャングスタのグールーさんやDJプレミアさん、ダ・ビートマイナーズ、ザ・ルーツといった面々で、好きな人にはたまらないものがありますよね。
もちろんサウンドはジャジーかつメロウで心地良く、絶妙なサンプリングも織り交ぜつつ生の楽器も導入、どちらかといえば抑制を効かせたクールなタイプのラップが持ち味のBahamadiaさんのパフォーマンスとの相性もバッチリ。
生のバンドによる都会的でクールな極上のグルーヴが堪能できる、同郷のザ・ルーツがプロデュースと演奏で参加した『Da Jawn』辺りが個人的には特に好きです!
Leaving HellR.A.P. Ferreira

2020年代においても、当然ながらジャズに影響を受けたヒップホップ作品はリリースされ続けています。
2020年にリリースされた『Purple Moonlight Pages』は、90年代初頭のジャズ・ラップのバイブスを感じさせつつ、20年代のアンダーグラウンドなインディ・ヒップホップのフィルターを通したアルバムとして高い評価を受けた作品です。
miloという名前で精力的に作品をリリースしていた1992年生まれでシカゴ出身のラッパー、Rory FerreiraさんがR.A.P. Ferreiraという名義でリリースした初のアルバムであり、西海岸アングラ・ヒップホップ・シーンにおいて重要な存在として知られているケニー・シーガルさんがプロデュースを務め、本人が在籍しているグループThe Jefferson Park Boysのメンバーが参加。
Rory Ferreiraさんらしいアブストラクトなトラックもいくつかの楽曲で散見されますが、全体的にはジャズ的な要素の強いヒップホップと言えそうですね。
ほとんどの楽曲でベーシストが生のベース・ラインを提供していることもあって、ゆるめのラップとあいまって独自のグルーヴを生み出しているように感じます。
オシャレなヒップホップ!洋楽JAZZY HIP HOPの名盤まとめ(21〜40)
SmileHocus Pocus

フランスのヒップホップと言われていくつかのアーティストやバンドをぱっと思い浮かべられる方は、相当なヒップホップ好きだと思われます。
やはり本場アメリカ勢をここまで多く紹介してきましたが、本稿で取り上げているホーカス・ポーカスは、ザ・ルーツのように生バンドを主体としたフランスのヒップホップ・グループです。
MC兼トラックメイカーの20sylさんを中心として、ギターとベース、ドラムにキーボード、さらにDJを加えた6人組として結成された彼らはここ日本でも高い人気を誇っており、朝霧JAMやフジロックといった大型フェスへの出演も実現させているのですね。
そんな彼らがリリースしたセカンド・アルバム『Place 54』は、メロウなジャズ・グルーヴを基調としながらもソウルやファンクにR&B、ワールド・ミュージックなど幅広い音楽性を洗練されたセンスと技術でもって融合させたハイブリッドな名盤です!
オマーさんやジャズ界の大御所フレッド・ウェズリーさんなども参加、ヒップホップの枠内をこえた豊潤な音世界をぜひ味わってみてください。
In All the Wrong PlacesKero One

ジャジーなヒップホップの黄金期は1990年代ではあるのですが、もちろん2000年代以降もジャズとヒップホップを融合させて独自のスタイルを提示しているアーティストは多く存在しています。
本稿の主役である韓国系アメリカ人のケロ・ワンさんは、まさにヒップホップとジャズを自在に行き来する独創的なサウンドを武器とするラッパー兼プロデューサーです。
アンダーグランド・シーンでDIYな音楽活動を続けていたケロ・ワンさんを最初に認めたのは日本人の音楽ファンで、アルバムのデビュー前から来日を果たすなどその後の音楽キャリアに大きな影響を及ぼしているのですね。
MCやトラックメイキングはもちろん、グラフィック・デザインなど多才な才能の持ち主であるケロ・ワンさんの記念すべきデビュー・アルバム『Windmills of the Soul』は、まさにDIYですべてをこなしてきたケロ・ワンさんの1つの集大成となったジャジー・ヒップホップの金字塔です!
セミ・アコースティックギターによるアルペジオと上品なビートが心地良い1曲『Windmills Intro』の時点で、本作の成功は保証されたようなものですよね。
ジャズのループはもちろん、生楽器も使用したトラックはメロウでグル―ヴィ、日常のサウンドトラックとしてもラウンジ・ミュージックとしても最高な気分をリスナーに提供してくれることでしょう。
なお、本作のインストゥルメンタル・バージョンである『Windmills Of The Soul Inst.』もリリースされていますから、トラックをじっくり聴きたいという方にはオススメです。
The Music feat. SIENNAFunky DL

『Blackcurrent Jazz』というアルバム・タイトルの時点で、濃厚なジャズの香りが漂っておりますね。
イギリス出身のファンキー・DLさんは、ジャジーなヒップホップを得意とするラッパー兼トラックメイカーの代表的な存在です。
アメリカでもミッシー・エリオットさんといった大物アーティストのプロデュースを手掛けるといった成功を収めており、日本では故NUJABESさんとの盟友関係でもよく知られています。
精力的に作品をリリースし続けている多作家なファンキー・DLさんですが、今回は代表作とも言える名盤『Blackcurrent Jazz』を紹介しましょう。
ジャズ・ラップを聴くのであればぜひオススメしたい作品であり、ファンキー・DLさんの音楽に触れる最初の1枚としても大推薦のアルバムです。
冒頭で述べたようにストレートに「ジャズ」をテーマとした作品で、ジャズとヒップホップをシームレスにつなぐ洗練されたメロウネスがどこまでも心地良い、ジャズはもちろんR&Bのファンにもアピールできる至福の音楽体験を味わえます。
何となくジャジーにしてみました、というものではなく自身のバックグラウンドにジャズがしっかりと根付いているアーティストならではのサウンドが最高ですね。
余談ですが本作はシリーズ化しており、2022年の現在までに3枚のアルバムが発表されていますよ。
Loungin’Guru

とにかくがっつりジャズなヒップホップが聴きたい、という方にオススメしたいのが、伝説的なヒップホップ・デュオであるギャングスタ―のMC、グールーさんによるソロ・アルバム『Jazzmatazz』シリーズです。
『Guru’s Jazzmatazz』というタイトルでシリーズ全四作がリリースされており、各アルバムから選曲されたベスト・アルバム『The Best of Guru’s Jazzmatazz』も2008年に発売されています。
本稿で取り上げるのは記念すべき第一弾となった1993年の『Guru’s Jazzmatazz, Vol. 1』。
アルバム1曲目『Introduction』の哀愁を帯びたトランペットの音色の中で、アルバムの趣旨を淡々と語るグールーさんの言葉を聴けば分かるように、本作は単にジャズ・テイストを取り入れたヒップホップではなく、リアルな黒人音楽としてのジャズとヒップホップの融合であるといった趣旨に基づいて生まれた作品なのですね。
その言葉に嘘いつわりなく、欧米のベテランから新進気鋭のヒップホップやR&B、そしてジャズ・ミュージシャンが参加しており、驚くほどにクールかつ先鋭的なサウンドに初めて聴いた方であれば驚かれることでしょう。
実質的なオープニング・ナンバーの『Loungin’』ではドナルド・バードさんのトランペットをフィーチャー、早くもジャズとヒップホップの境界線は意味をなくし、豊潤なブラック・ミュージックの素晴らしさをひたすら味わえるのですね。
イギリスのアーティストも参加していることもあって、同時代のアシッド・ジャズ的な洗練されたグルーヴもカッコ良すぎです!