【最新】洋楽ヒップホップのトレンド【2025】
欧米のチャートをチェックしている方であれば周知の事実ですが、ヒップホップはもはや最もメジャーな音楽ジャンルとして認知されています。
細かいサブジャンルもありますし、地域性も色濃く出ることも興味深いのですが、興味はあるけど評価が定着している過去の名盤はともかく最新のヒップホップはどこから手を付けていけばいいのか……と悩まれている方もいらっしゃるはず。
そんな方々に向けてこちらの記事では最新のヒップホップのトレンドをご紹介!
米英を中心としたヒップホップの「今」を知りたい方、ぜひチェックしてみてください。
【最新】洋楽ヒップホップのトレンド【2025】(1〜10)
Not Like UsKendrick Lamar

鋭い社会批判とリリックの才能が光る力作です。
ケンドリック・ラマーさんが、ヒップホップ文化の真髄を守る立場から、業界の偽善や文化の搾取に対して厳しい批判の目を向けています。
2024年5月にリリースされた本作は、ドレイクさんとの論争を背景に、アフリカ系アメリカ人の歴史的苦難にも言及しています。
自身のルーツであるコンプトンの誇りを胸に、真の自己表現の重要性を訴えかけます。
ヒップホップの本質を問い直したい方、社会の矛盾に切り込む音楽を求める方におすすめです。
MamushiMegan Thee Stallion feat. Yuki Chiba

米国と日本のヒップホップシーンを融合させた意欲作が誕生しました。
ミーガン・ジー・スタリオンさんと千葉雄喜さんによる本作は、英語と日本語のバイリンガルラップが特徴で、蛇のイメージを巧みに用いて自信と成功を表現しています。
2024年6月にアルバム『MEGAN』に収録され、7月にはTikTokで大流行。
同年8月に公開されたミュージックビデオは、日本の温泉旅館を舞台に、両アーティストの個性が光る作品となっています。
パワフルかつエキゾチックな雰囲気を楽しみたい方におすすめの一曲です。
Big Dawgs | Ft. KalmiHanumankind

インドのヒップホップシーンで注目を集めるハヌマンカインドさんの楽曲が、世界的な反響を呼んでいます。
力強いビートと鋭いリリックが特徴的な本作は、成功と自信をテーマに、社会への挑戦的なメッセージを込めています。
2024年7月にリリースされたこの曲は、SpotifyやYouTubeで大きな反響を呼び、特にInstagramでのフォロワー数が急増しました。
ミュージックビデオは、インドの伝統的な「Well of Death」を背景に撮影され、曲の大胆さを視覚的にも表現しています。
自己の強さを求める若者や、グローバルな視点を持つリスナーにおすすめの一曲です。
squabble upKendrick Lamar

カリフォルニアの音楽スタイルを融合させた楽曲が、ケンドリック・ラマーさんから届きました。
Gファンク、ハイフィー、マリアッチなど、多彩な要素を取り入れた本作は、彼の音楽的探求心を存分に感じさせます。
2024年11月にリリースされたアルバム『GNX』に収録された本作は、音楽業界への批判や文化的なコメントを織り交ぜた歌詞が特徴的です。
サックス奏者カマシ・ワシントンさんとのコラボも示唆されており、期待が高まります。
Lamarさんの多面的な音楽性と深いリリックが融合した本作は、彼の進化を実感したい方におすすめです。
Quality Over QuantityNEW!Polo G

シカゴ出身のラッパー、ポロGさん。
2019年のデビュー作『Die a Legend』以降、メロディックなドリルとトラップを融合させたサウンドで、アルバム『Hall of Fame』では全米1位を獲得するなど、現在のUSヒップホップ・シーンの最前線で活躍を続けています。
2025年10月にリリースされた本作は、タイトルが示す「量より質」という信念を体現した一曲。
ミニマルなピアノと808を基調としたトラックの上で、仲間との絆や成功の重圧といったテーマが、抑制されたフロウで淡々と紡がれていきます。
過剰な装飾を削ぎ落とした音作りと、内省的なリリックが印象的ですね。
ストリートからの成功を語るだけでなく、その裏にある葛藤まで描き出す彼の作家性が、ここでも遺憾なく発揮されています。
じっくりと言葉を聞きたいときにオススメです。
Ballerina CoupeNEW!CupcakKe

シカゴ出身のラッパー、カップケイクさん。
過激でユーモラスな性的表現とシャープな社会批評を組み合わせたリリックで、インディペンデントシーンから確固たる地位を築いてきた彼女ですが、2025年10月にリリースされたアルバム『The BakKery』からの注目トラックがこちらです。
タイトルが示唆するバレエの優雅さと高級クーペのスピード感を掛け合わせた本作は、タイトな808ベースとミニマルなシンセリフが疾走感を生み出すトラップサウンドに、カップケイクさんらしい滑舌の良いパンチラインが炸裂する仕上がり。
クラブでの映えを意識した短尺構成も見事で、ダンスフロア直結のキラーチューンをお探しの方なら間違いなくハマることでしょう。
Minding My Business (feat. Elijah Fox )NEW!Planet Giza

モントリオール発のヒップホップ・トリオ、プラネット・ギザさん。
ラッパーのトニー・ストーンさんとプロデューサー2名からなる彼らは、ジャズやファンクの語法をヒップホップに溶け込ませた洗練されたサウンドで注目を集めてきました。
2023年のアルバム『Ready When You Are』ではカナダの権威ある音楽賞ポラリス・ミュージック・プライズのロングリストにも選出されています。
そんな彼らが2025年10月にリリースしたのが、マルチ奏者のイライジャ・フォックスさんを迎えたこちらの楽曲。
そよ風のような爽快さと落ち着きが同居する「風通しの良い」質感が魅力で、日常の雑音から距離を取りつつ自分のペースを守るというテーマを、洒脱なメロディラインと余白の活かし方で印象付けています。
ジャジーなコード運びとフォックスさんの有機的な鍵盤ワークが絡み合い、クルージングに似合う解放感をもたらしてくれる一曲です。







