【作詞入門】アイドル曲の歌詞の作り方。お祭りソング編
皆さんはお祭りの歌と聞いて何を思い出すでしょうか。
盆踊りの定番「東京音頭」でしょうか、美空ひばりさんの「お祭りマンボ」でしょうか。
今回はアイドルのお祭りソングに焦点を当てて作詞のヒントを繙いてゆきたく思います。
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お手本神曲:LinQ|ハレハレ☆パレード
パロディーを取り入れる
呼ばれてないのにジャジャジャジャッジャーん
は、アニメ「ハクション大魔王」のキメ言葉のパロディーです。
このようなおちゃらけも曲にお祭り感を演出します。
曲、歌詞の書き手が「楽しもうっ!」と初めから意気込んでいるのが伝わってきます。
このパートは歌っても楽しいパートです。
「何となく口ずさみたくなる」と思わせたらそれはもう勝ちの部類に入るでしょう。
PVはずっと見ていたい、ライブならこの曲が続いてくれればいいのになあ……と思います。
「中毒性のある曲!」は最高な褒め言葉です。
ぴったしかんかんの相性Very good!
は、クイズ番組「ぴったしカン・カン」の表記を変えたものです。
登録商標や著作権の関係でどこまでその使用が許されるかは分かりませんが、程よい量のパロディーの挿入はお祭り曲をさらに明るくします。
この曲に関していえばこれらの挿入は成功していると思います。
歌詞の価値からすれば、作詞家の美意識にも寄りますが、しかしながらパロディーは微量以上の毒であるとの意識は必要でしょう。
下世話スレスレの世界
さあ世界最高のファンファーレ キミと笑いながら奏でるのさ
勢いのある口語の歌詞です。
語りの快楽、置くように使っている「ファンファーレ」の単語には用意周到な配慮を感じました。
聴いてもったら分かると思いますが、流れの速い音符に乗っているので字足らず、字余りも不整脈的な違和感はないです。
伝統的な歌謡曲との特徴的な異差は日常にも多用している軽い語尾でしょう。
ほら起死回生でガンバーレ 時間かかっても別にいいんじゃない?
「ガンバーレ」が上の「ファンファーレ」と韻を踏んでいます。
これが心地よいです。
よくあるフォークやロックに見られる、さまざまな比喩を駆使して心情を吐露する苦しさの欠片もありません。
メロディーに支配された活字、ここまで楽しければ歌詞が「ララララ…」でも良さそうです。
ひっちゃかめっちゃかでごめんなさい でも張り切りすぎで何が悪い!
お祭りの楽しさを押さえつけることなく爆発させています。
歌詞全編を通してネガティブな要素を排除して、さらに楽しくなるようにクリーニングしています。
すべては私の私的な解釈だけですが、歌いながら作る強みをひしひし感じる歌詞であり、曲です。
若者のお祭りは無礼講ともなります。
下世話な部分もあからさまに、楽しい時間だけを共有できるようにただ騒ぐ。
この曲ではその一部下「世話さ」さえも楽しんでいる感に溢れています。
歌詞にタブーを楽しむ余裕があるのです。
作詞家(天性のお祭り人)の手練手管の思うツボにはまらないように聴いても、それでも自然とリズムに体が動いてしまう曲です。
まことあっぱれ。
ライタープロフィール
アイドル作詞家・俳人
瀧乃涙pin句
何のツテもないまま作詞を開始。
数年後、文化放送ラジオドラマ主題歌『全身全霊Open Now!』song byガールズジョッキーまでたどりつく。
SPATIO『泣きそう』『レジスタンスガール』、SPATIO kids『温泉サンバ』、ナナエ『シューティングスター』『恋の話しよ!』他、ご当地アイドル、地下アイドルに歌詞を提供中。
週末はもっぱらアイドルを追い掛けている。
Twitter:t_pink_t