【2025】歌うのが難しい演歌~男性歌手編
演歌と言えば、歌のうまい歌手でないと歌いこなせない……そんなイメージがありますよね。
もちろん比較的歌いやすい曲は存在しますし、演歌はカラオケでも大人気のジャンルです。
今回はある程度演歌を歌い慣れている方に向けて、歌うのが難しい演歌の名曲たちをまとめてみました。
ビブラートやこぶしを効かせた歌いまわしなど演歌特有の特徴的な歌い方はもちろん、音域の幅の広さなども踏まえて高い表現力が必要とされる高難易度の楽曲がずらりと並びました。
本稿では男性の演歌歌手による名曲を紹介していますが、女性歌手による歌うのが難しい演歌の名曲も他の記事で紹介していますからそちらもチェックしてみてください。
【2025】歌うのが難しい演歌~男性歌手編(1〜10)
千曲川五木ひろし

1960年代から令和の今も現役で活動を続ける、まさに日本が誇る歌手にしてソングライターとしても名高い五木ひろしさん。
日本の芸能の歴史の生き字引のような存在ですし、五木さんが歌った数えきれないほどの名曲たちは時代をこえて愛され続けていますよね。
そんな五木さんの名曲の中でも、今回は代表作の一つといっても過言ではない『千曲川』を紹介します。
1975年にリリースされた長野県を舞台とするご当地ソングでもあり、大ヒットを記録した楽曲ですね。
この曲については五木さん自身が「迂闊には歌えない難しい曲」と評していることからも分かるように、三拍子のリズムに合わせて伸びやかに歌われるメロディの音域は幅広く、Aメロの低音とサビの高音のコントラストが肝となる難曲なのです。
低音ではっきりと歌詞を伝えることは意外と難しいものですから、一番低い音の部分で言葉が濁ってしまわないように注意してみるといいですよ。
美しい日本語で書かれた歌詞を味わいながら、豊かな旅情をしっかりと伝えられるように歌ってみてくださいね!
望郷じょんから細川たかし

1975年にデビューを果たして以降、天性の伸びやかな高音と民謡というバックグラウンドに裏打ちされた卓越した歌唱力、表現力で令和の今もバリバリの現役として活躍する細川たかしさん。
こちらの『望郷じょんから』は1985年にリリースされた細川さんの代表曲の一つで、イントロの鮮烈な三味線の音色と民謡的な細川さんの歌唱に圧倒される名曲中の名曲ですね。
素人でもこの曲を歌いこなす難しさは冒頭だけで理解できますが、やはり民謡的なパートが一番の難所と言えるでしょう。
とはいえメインパートも細川さんらしい力強いハイトーンかつロングトーンで魅せる歌唱が多く登場しますし、相当な肺活量を要求されますね。
民謡のパートはリズムを取ることも非常に難しく感じるはずですから、原曲を何度も聴いてリズムとメロディを体に覚え込ませるようにしてみてください。
男の港鳥羽一郎

漁師の父と海女の母という漁業を営む家族の中で育ち、まさに「海の男」と呼ぶにふさわしい鳥羽一郎さん。
数多くのヒット曲や音楽賞の受賞、幾度もNHK紅白歌合戦に出演している鳥羽さんはまさに国民的な演歌歌手の一人ですよね。
荒々しい男の世界を力強くも哀愁を帯びた歌声で表現する鳥羽さんに憧れて、実際にカラオケで鳥羽さんに成りきって歌うという方もきっと多いでしょう。
こちらで紹介している『男の港』は1986年にリリース、NHK紅白歌合戦でも披露された人気曲です。
全体的な音程は低いため高音が苦手という人にはありがたい曲ではあるのですが、鳥羽さんのように低音のメロディをビブラートを効かせつつ歌詞をはっきりとした発声で聞かせるというのは非常に難しいですね。
ビブラートができない……という方は明瞭な発音で歌詞をしっかりと届けるという点に重点を置くのもいいでしょう。
夢芝居梅沢富美男

「下町の玉三郎」と呼ばれたほどの見事な女形を演じ一躍スターとなり、近年はバラエティ番組の出演などでお茶の間の人気者としても国民的な知名度を誇る梅沢富美男さん。
そんな梅沢さんが実は歌手としてもヒットを飛ばしていたことを、バラエティ番組に出ている梅沢さんの印象が強い若い世代であれば知らない方は多いかもしれませんね。
こちらの『夢芝居』はあの小椋佳さんが作詞と作曲を務めた梅沢さんの歌手デビュー曲で、1982年にリリースされていきなり大ヒットを記録、同年の第34回NHK紅白歌合戦でも披露された名曲です。
梅沢さん自身が叩いたというイントロの拍子木の音が鳴った瞬間、ぐっと曲の世界へと引き込まれてしまいますね。
歌手が本業ではない役者の曲ということなのですが、梅沢さんの渋い低音と達者な歌唱力が見事です。
楽曲全体の音程は非常に低く、低音が苦手な人はキーの調整をしたほうがいいでしょう。
実際に歌ってみれば分かりますが意外と音域の幅は広く、演歌というよりは歌謡曲タイプの楽曲ならではのリズムに乗ってこのメロディを歌うのは割合に難しいです。
原曲を何度も聴いて、力強く歌い上げてみてください!
海雪ジェロ

2008年に「初の黒人演歌歌手」として衝撃的なデビューを果たした演歌歌手、ジェロさんの記念すべきデビュー曲です。
秋元康さんが作詞を、宇崎竜童さんが作曲を手掛けて大ヒットしただけでなく演歌としてさまざまな記録を樹立した日本の音楽史に残る名曲ですよね。
MVでは今にもラップを始めそうないで立ちのジェロさんが、卓越した歌唱力で日本語の歌詞を歌い始めるのを見て度肝を抜かれた方も多いでしょう。
カラオケでも当時から人気の楽曲ですが、正直言ってカラオケで歌うには非常に難しい部類の曲です。
幅広い音域で歌われるメロディの難しさはもちろん、楽曲自体が非常に凝っており演歌的な要素とJ-POPらしいベタな展開、ファンキーなリズムなど一筋縄ではいかない音作りの中で完ぺきに歌いこなすジェロさんの歌唱力のすごさが改めて理解できるでしょう。
繰り返し原曲を聴いて、リズムやメロディを体で覚えるように練習してみてください!
母きずなエドアルド

ブラジルはサンパウロ生まれ、演歌界初のブラジル人歌手として活躍するエドアルドさん。
かつて「演歌界の黒船」と呼ばれたジェロさんのように、完ぺきな日本語で演歌の心を受け継いだエドアルドさんの素晴らしい歌唱を初めて聴いて驚かれたという方も多いでしょう。
そんなエドアルドさんによる『母きずな』は、2015年にリリースされた記念すべきデビュー曲。
エドアルドさんと義理の母の人生を反映させた歌詞と素晴らしい歌声がリスナーの心に響き、ロングセラーを記録した名曲です。
渋く聞かせる低音からパワフルな高音まで難なくこなすエドアルドさんの歌唱力が光るメロディは簡単なものではなく、ある程度演歌に慣れている方にはぜひ挑戦してみてほしいですね。
特にサビラストのロングトーンは万感の思いを込めて、ビブラートを効かせつつも音程やリズムがずれないように意識して歌うといいですよ!
どんこ坂三山ひろし

いつの時代も歌い継がれる演歌や歌謡曲の魅力は、令和の時代になっても変わらないですよね。
2000年代後半以降の演歌界を代表する歌手の一人、三山ひろしさんによるこちらの『どんこ坂』は2023年にリリースされた楽曲で、令和に生まれた新たな演歌の名曲です。
三山さんの持つ「ビタミンボイス」がリスナーの心に優しく寄り添いながら、夫婦もしくは恋人同士の歩みを見守ってくれるような人生賛歌で泣かせてくれますね。
幅広い音域や音程の上下もそれなりに激しく、当然ながら高い歌唱力を求められるタイプの楽曲ですが、王道の演歌ということで演歌に慣れている方であればそこまで手こずるようなこともないでしょう。
全体的に音程は低めのため、低すぎると感じる方はキーを調整することをおすすめします。