MORって何?聴きやすく心地よい音楽ジャンルの魅力
音楽シーンで注目を集めているMOR(ミドル・オブ・ザ・ロード)は、親しみやすいメロディと洗練された音楽性を兼ね備えた魅力的なジャンルです。
大衆性と芸術性のバランスが絶妙で、幅広い層から支持を集めています。
最近では、MORの要素を取り入れた新しいアーティストも続々と登場し、現代的な解釈で音楽の可能性を広げています。
この記事では、MORの魅力や特徴、代表的な楽曲の音楽性について詳しく解説していきます!
MORって何?聴きやすく心地よい音楽ジャンルの魅力(1〜10)
Spanish EyesAl Martino

甘く切ないバラードで、戦後アメリカのクルーナーの系譜を継ぐアル・マルティーノさんの代表作として知られる名曲です。
もともとはドイツの作曲家バート・ケンプフェルトさんによるインストゥルメンタル作品に英語歌詞を付けて生まれた楽曲で、1965年11月にシングルとして発売されました。
遠く離れた恋人への想いを歌ったこの作品は、別れの寂しさと再会の約束が交錯する切ないメッセージが込められています。
米国のイージーリスニングチャートでは4週連続1位を獲得し、英国では1973年の再発時に最高5位を記録するロングヒットとなりました。
落ち着いたラウンジの雰囲気で聴きたい方や、オーケストラの豊かな響きに包まれたい方におすすめです。
Moon RiverAndy Williams

豊かなバリトンボイスと洗練されたオーケストレーションが織りなす珠玉の録音です。
アンディ・ウィリアムスさんが1962年1月に録音したこの名曲は、夢を追い求める旅人の姿を「月の川」というロマンティックな比喩で描いています。
歌詞に登場する「ハックルベリー・フレンド」という言葉には作詞家の幼少期の思い出が込められており、郷愁と自由への憧れが淡く優しく歌い上げられているのです。
映画『Breakfast at Tiffany’s』の主題歌として1961年度アカデミー賞最優秀歌曲賞を受賞した本作は、収録アルバム『Moon River and Other Great Movie Themes』が全米3位を記録する大成功を収めました。
ゆったりと流れるような曲調は、静かな夜にくつろぎながら聴くのにぴったりです。
Red Roses for a Blue LadyBert Kaempfert

1950年代から70年代にかけて、イージーリスニングの世界で大きな存在感を放ったドイツの作曲家・編曲家、バート・ケンプフェルトさん。
華やかで聴きやすい管弦アレンジと洗練されたサウンドで数多くのヒットを手がけてきた彼が、1965年にリリースしたインストゥルメンタルナンバーは、ミュート・トランペットと弦楽器を主体にした極上のロマンティック・サウンドに仕上がっています。
もともとは1948年に発表された人気曲で、多くの歌手にカバーされてきたのですが、本作はあくまで「聴くための音楽」として再構築されており、夜のデート後にグラスを傾けながら聴きたくなる優雅な雰囲気が魅力ですね。
Billboard Hot 100で最高11位を記録し、MORサウンドの代表作として今も愛され続けています。
Love’s Been Good To MeFrank Sinatra

20世紀を代表する歌手フランク・シナトラさんが1969年にリリースしたアルバム『A Man Alone: The Words and Music of McKuen』に収録された本作は、詩人ロッド・マッキューエンさんの作品を歌い上げたバラード曲です。
旅人としての孤独な人生を振り返りながら、途中で出会った愛への感謝を静かに語る歌詞が印象的で、デンバーやポートランドといった地名を交えながら、別れと出会いのエピソードが綴られています。
ドン・コスタさんによる抑制されたオーケストレーションと弦楽器の響きが、シナトラさんの語りかけるような歌唱を引き立てており、英国チャートで8位を記録するヒットとなりました。
人生の旅路を重ねてきた方や、静かな夜にじっくりと音楽に浸りたいときにおすすめの一曲です。
Strangers In The NightFrank Sinatra

1966年にリリースされたフランク・シナトラさんの代表作には、MORというジャンルの魅力が詰まっています。
洗練されたストリングスとホーンをバックに、夜の街で偶然出会った二人の心の動きを静かに歌い上げる本作は、大人の恋心を描いた珠玉のラブ・バラードです。
円熟したシナトラさんの歌声は、まるで語りかけるような親密さで聴き手を包み込み、終盤の「doo-be-doo-be-doo」というフレーズが印象的なアクセントとなっています。
もともとは映画『A Man Could Get Killed』のためにベルト・ケンプフェルトさんが作曲したインストゥルメンタル曲でしたが、急遽英語歌詞が付けられて録音されました。
1967年のグラミー賞でレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞した本作は、仕事帰りのリラックスタイムや静かな夜のひとときにぴったりの一曲ですよ。
Summer WindFrank Sinatra

1966年にアルバム『Strangers in the Night』に収録された本作は、もともとドイツ語の楽曲をジョニー・マーサーさんが英語詞に書き直した作品です。
夏の終わりに吹く風とともに過ぎ去る恋の記憶を詩的に描いた歌詞が印象的で、シナトラさんの滑らかな歌声とネルソン・リドルさんによる洗練されたオーケストラ・アレンジが絶妙なバランスを生み出しています。
ビルボードのイージー・リスニング・チャートで1位を獲得したこの楽曲は、映画『Blade Runner 2049』やテレビドラマ『Ozark』などでも使用され、マイケル・ブーブレさんをはじめ多くのアーティストにカバーされていますね。
季節の移ろいとともに、ノスタルジックな気分に浸りたいときに聴いてみてはいかがでしょう!
My Funny ValentineJackie Gleason

1950年代のムード音楽を代表する俳優兼音楽プロデューサー、ジャッキー・グリーソンさん。
ブルックリンの貧しい家庭に生まれ、コメディアンとして名を馳せた彼が手がけたオーケストラ作品は、ロマンティックで心地よいサウンドが魅力です。
リチャード・ロジャースさんとロレンツ・ハートさんによる1937年のミュージカルナンバーを、ストリングスを主体としたインストゥルメンタルに仕立てた本作は、1952年10月のアルバム『Music for Lovers Only』に収録され、1953年4月にはシングルとしても発売されました。
楽譜が読めなかったグリーソンさんですが、頭の中のメロディをアシスタントに伝え、トランペット奏者ボビー・ハケットさんらと共に極上のムード音楽を完成させています。
静かな夜に背景として流すもよし、大切な人との時間を演出するのにもぴったりの一曲ですね。





