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魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽

突然ですが、皆さんは「変拍子」という音楽用語をご存じでしょうか。

音楽の授業で4拍子などの概念は学んだことがあるという方はいらっしゃるとは思いますが、一般的な4拍子や3拍子とは違い5拍子や7拍子など変則的な拍子が使われていたり、一つの楽曲にいくつかの違う拍子が含まれていたりすることも含めて「変拍子」と呼ばれるのですね。

何となくマニアックなイメージもあるかもしれませんが、実は皆さんが耳にしているポップスやアニソンなどに変拍子が採用されている場合もあるのですよ。

こちらの記事では、そんな不思議な魅力のある変拍子が使われている楽曲をジャンルを問わずまとめてご紹介。

ぜひ、曲を聴きながらカウントしてみてくださいね!

魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽(1〜20)

DevotionREST ASHORE

ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするマスロック・バンドの代表的な楽曲のひとつで、暗闇の中で光を求める心情や自己犠牲的な愛情をテーマとしたエモーショナルな作品です。

イントロから7拍子系の不規則なリズムで始まり、ヴァースでは4拍子に戻って歌詞を明瞭に届け、サビで再び4拍子のキャッチーなグルーヴを聴かせるという巧みな構成となっています。

2020年12月にアルバム『Psychogore』からの先行シングルとしてリリースされ、エリカ・バッツさんの情熱的なボーカルとテクニカルなギターワークが際立つ仕上がりです。

変拍子の緊張感と解放感を巧みに使い分けた楽曲で、マスロックやエモに興味のある方にぜひ聴いてもらいたい一曲ですね。

The Man Who Sailed Around His SoulXTC

The Man Who Sailed Around His Soul (Remastered 2001)
The Man Who Sailed Around His SoulXTC

7拍子という複雑なリズムと哲学的な歌詞が融合した、XTCの代表的な変拍子楽曲です。

アンディ・パートリッジさんが描く自己探求の物語は、魂を航海する男の内面的な旅路を通して人間の空虚さや過ちに向き合うテーマを表現しており、深い自己反省と洞察に満ちています。

1986年にアルバム『Skylarking』に収録された本作は、当初のアコースティック・フォーク調からトッド・ラングレンのプロデュースによってビッグバンド風のジャズナンバーへと劇的に変貌、7拍子の浮遊感ある不安定さから4拍子の安定した解放感へと展開する構成が印象的です。

イギリスの音楽番組『The Tube』では『プリズナーNo.6』オマージュのプロモーションビデオも制作されました。

スパイ映画のサウンドトラックのような神秘的な雰囲気を持つ本作は、変拍子に興味のある音楽ファンや複雑なリズムの魅力を体感したい方にオススメです。

March of the PigsNine Inch Nails

破壊と静寂が織りなす変拍子の傑作は、ナイン・インチ・ネイルズの革新性を象徴する楽曲として広く知られています。

7/8拍子を3回繰り返してから4/4拍子へと移行する29/8拍という複雑な構成と、269BPMという超高速テンポが生み出す圧倒的な緊張感は、聴く者の感覚を根底から揺さぶります。

激烈なノイズから一転して現れるピアノの静謐な美しさとのコントラストは、社会への憤りと諦観を巧妙に表現した歌詞と絶妙にリンクしています。

1994年2月にシングルとしてリリースされ、セカンドアルバム『The Downward Spiral』の先行カットとなった本作は、全米チャート59位を記録する商業的成功も収めました。

ロックバンド『Rock Band』やゲーム『Fortnite』にも楽曲提供されており、幅広いメディアで愛され続けています。

強烈なカタルシスを求める方や、従来のロックの枠を超えた音楽体験を望む方には絶対的におすすめできる名曲です。

美しい鰭スピッツ

美しい鰭/スピッツ – 歌詞付き | Utsukushii Hire Vietsub(劇場版名探偵コナン『黒鉄の魚影』主題歌)
美しい鰭スピッツ

流れに逆らう強さと美しさを歌った楽曲は、7拍子の変拍子を巧みに織り込んだスピッツらしい透明感あふれる名曲です。

Aメロ部分で採用された7拍子はさりげない形で盛り込まれていますが、スピッツの高度なバンドアンサンブル能力ならではのものですし、聴き手を前へ引っ張る独特な浮遊感と緊張感を演出しています。

2023年4月に公開された『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の主題歌として話題を集めた本作は、通算46枚目のシングルでありオリコン週間ランキング1位を獲得しました。

逆境に立ち向かう勇気や自分らしさを貫く大切さをテーマにした歌詞は、人生の転機を迎えている方や新しい挑戦を始める方におすすめの楽曲ですよ!

アポリアヨルシカ

ヨルシカ – アポリア(OFFICIAL VIDEO)
アポリアヨルシカ

答えのない問いへの探求心をテーマにした、哲学的で深淵な楽曲世界が広がるヨルシカの代表曲。

知りたいという純粋な欲求を気球の上昇に重ね合わせた歌詞は、際限のない知への憧れと困惑を美しく描写しており、聴く者の心に静かな感動を呼び起こします。

2024年10月にリリースされたこの楽曲は、NHK総合のテレビアニメ『チ。

―地球の運動について―』のエンディングテーマとして起用され、15世紀ヨーロッパの地動説をめぐる物語と見事にシンクロしています。

7拍子と8拍子が交互に現れる変拍子構成は、天動説の7つの天体と地動説の8つの惑星を音楽的に表現したとも解釈でき、リズムの揺らぎが知的探求の不安定さを巧みに演出しています。

深く思索にふけりたい夜や、新しい発見に胸を躍らせる学習者の方々におすすめしたい一曲です。