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魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽

突然ですが、皆さんは「変拍子」という音楽用語をご存じでしょうか。

音楽の授業で4拍子などの概念は学んだことがあるという方はいらっしゃるとは思いますが、一般的な4拍子や3拍子とは違い5拍子や7拍子など変則的な拍子が使われていたり、一つの楽曲にいくつかの違う拍子が含まれていたりすることも含めて「変拍子」と呼ばれるのですね。

何となくマニアックなイメージもあるかもしれませんが、実は皆さんが耳にしているポップスやアニソンなどに変拍子が採用されている場合もあるのですよ。

こちらの記事では、そんな不思議な魅力のある変拍子が使われている楽曲をジャンルを問わずまとめてご紹介。

ぜひ、曲を聴きながらカウントしてみてくださいね!

魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽(31〜40)

クマ矢野顕子

矢野顕子といえば今はテレビ等で見て名前を知っている方も多いでしょうが、彼女の1stアルバム『JAPANESE GIRL』は当時のポップシーンにおいてまさに突然変異とも呼べるものでした。

この『クマ』を聴いていただければ、日本民謡のような音楽をバックに5拍子と4拍子を行き来しながら歌う彼女の才能の特異性がすぐに感じられるでしょう。

ちなみにこのアルバムのレコーディングには、アメリカのロックバンド、リトル・フィートが参加しましたが、彼女の才能に驚いたリーダーのローウェル・ジョージが「自分たちは力不足だった」とギャラの受け取りを拒否した、というエピソードも残っています。

RedKing Crimson

King Crimson – Red (OFFICIAL)
RedKing Crimson

1960年代以降、多くのプログレッシブロックバンドが活躍した中でも、その代表格と呼べるのがキング・クリムゾンでしょう。

変拍子に加え、その技巧でも攻めてきた彼らですが、中でもこの曲『Red』はプログレ入門に最適ともいえる名曲。

楽曲を象徴するテーマ部分以外は基本的に4分の4拍子で、冒頭のテーマ部分も5+5+6+8と解釈すると分かりやすいでしょうか。

強烈に歪んだベースにも注目したい、プログレッシブロックのオススメの1曲です。

The Lion’s RoarCYNIC

アメリカのプログレッシブメタルバンド、CYNIC。

元はデスメタルバンドでしたが、徐々にその要素は薄まり、浮遊感あふれるメロディが特徴的なプログレッシブメタルに移行しています。

こちらは3rdアルバム『Kindly Bent to Free Us』に収録された楽曲で、イントロは変拍子感がない8分の6拍子で始まりながら、徐々に8分の6と8分の5を行き来する展開で驚かせてくれる1曲です。

メロディの自然さを損なわない演奏テクニックにも注目です。

Alive上原ひろみ

Hiromi The Trio Project performing “Alive” (Live in the Studio)
Alive上原ひろみ

上原ひろみは既に日本を代表するジャズピアニストといっていいでしょう。

そんな彼女は、デビュー時のピアノトリオからソロ活動、ギターを加えたカルテット編成を経て、2011年からはベースのアンソニー・ジャクソン、ドラムのサイモン・フィリップスとともに「ザ・トリオ・プロジェクト」をスタートし、さらなる音楽的進化をとげました。

そのトリオ編成の楽曲の中でも屈指の難易度を誇る変拍子曲がこちら、2014年リリースのアルバム『ALIVE』のタイトル曲です。

目まぐるしく変わる表紙の中でも最も複雑な部分はなんと16分の27拍子!

果たしてそのリズムについていくことができるでしょうか?

狭い物語Maison book girl

4人組の女性アイドルグループ、Maison book girlは、現代音楽を思わせる要素を取り入れた異色のアイドルグループ。

この曲も強烈な変拍子ですが、基本的には3拍子で出来上がっています。

Aメロは3+4の7拍子で1つ多く、Bメロは3+3+4の10拍子でこれも1つ多い、そしてサビは3拍子。

一気に聴いてしまうとリズムが取れず、頭の中がぐちゃぐちゃになりそうですが、まずドラムだけを聴いて指折り数えてノリを探してみましょう。

この複雑なリズムに乗った文学的な歌詞にも注目です。

魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽(41〜50)

Tattooed Love BoysPretenders

Pretenders – Tattooed Love Boys (Official Music Video)
Tattooed Love BoysPretenders

70年代末のパンクとニューウェーブの融合を見事に体現したプリテンダーズの代表曲のひとつがこの楽曲です。

クリッシー・ハインドさんの個人的な体験に基づく重いテーマを扱いながらも、7/8拍子と4/4拍子を巧みに組み合わせた変拍子の魅力が光る一曲となっています。

ヴァース部分で7拍子が生み出す前のめりな緊張感と、サビで4拍子に戻る際の安定感のコントラストが絶妙で、楽曲全体に独特のスリルを与えているのですね。

1979年にシングル「Kid」のB面として世に出た本作は、翌1980年のデビュー・アルバム『Pretenders』に収録され、同アルバムは英国チャート1位を獲得しました。

変拍子に興味がある方や、パンクロックの進化形を体感したい方にはぜひ聴いていただきたい名曲です。

Diary of a MadmanOzzy Osbourne

Ozzy Osbourne – Diary of a Madman (Official Audio)
Diary of a MadmanOzzy Osbourne

ヘヴィメタルの帝王オジー・オズボーンさんが1981年にリリースした名盤『Diary of a Madman』の表題曲にして、7拍子の魅力が存分に発揮された異色の名曲です。

ヴァース部分で使用される7/4拍子が生み出す不安定なグルーヴが、狂気というテーマを音で表現し、聴き手に独特の浮遊感をもたらします。

天才ギタリスト、ランディ・ローズによる緻密なリフ構成は、奇数拍でありながら見事なまとまりを見せ、コーラス部分の6/8拍子との対比でドラマティックな展開を演出。

変拍子好きはもちろん、プログレッシブなヘヴィメタルを求める方にぜひ聴いてほしい傑作です!