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魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽

突然ですが、皆さんは「変拍子」という音楽用語をご存じでしょうか。

音楽の授業で4拍子などの概念は学んだことがあるという方はいらっしゃるとは思いますが、一般的な4拍子や3拍子とは違い5拍子や7拍子など変則的な拍子が使われていたり、一つの楽曲にいくつかの違う拍子が含まれていたりすることも含めて「変拍子」と呼ばれるのですね。

何となくマニアックなイメージもあるかもしれませんが、実は皆さんが耳にしているポップスやアニソンなどに変拍子が採用されている場合もあるのですよ。

こちらの記事では、そんな不思議な魅力のある変拍子が使われている楽曲をジャンルを問わずまとめてご紹介。

ぜひ、曲を聴きながらカウントしてみてくださいね!

魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽(21〜30)

Himitsu Girl’s Top SecretZAZEN BOYS

DAX × lute:ZAZEN BOYS「HIMITSU GIRL’S TOP SECRET」
Himitsu Girl's Top SecretZAZEN BOYS

日本のオルタナティブシーンの基礎を築いたNUMBER GIRLのフロントマン、向井秀徳が立ち上げた4人組ロックバンドがZAZEN BOYZです。

メンバーが全員が高い演奏力を誇るこのバンドだけあり、簡単に演奏しているように見えるかもしれませんが、聴きながらリズムをとってみればどれだけ難解なことをやっているかがよくわかります。

曲中に同じリフや歌い回しが続くほか、休符についても独特の間合いで取られており、演奏する際には高い集中力が要求される、まさに『ZAZEN』にふさわしいロックバンドです。

Do You Want It All?Two Door Cinema Club

変拍子の魅力を存分に味わえる、北アイルランド発のインディーロックバンドによる隠れた名曲です。

7/8拍子という独特なリズムパターンが楽曲全体を貫いており、イントロから一貫して「4+3」の拍子感で構成されているのが最大の特徴ですよね。

2010年のデビューアルバム『Tourist History』に収録されたこの楽曲は、映画『Chalet Girl』やMTVドラマ『Teen Wolf』でも使用され、バンドの知名度向上に大きく貢献しました。

変拍子でありながらも違和感なく体が乗ってしまう絶妙なグルーヴ感は、まさに匠の技といった趣で、リズムにこだわりを持つ音楽愛好家なら間違いなくはまるものです。

魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽(31〜40)

Another World of Beasts植松伸夫

ゲーム音楽界の巨匠が手掛けた『ファイナルファンタジーVI』の幻獣界を表現した楽曲は、7拍子という変則的なリズムが生み出す独特の浮遊感と神秘性が圧倒的な魅力を放っています。

植松伸夫さんが得意とするプログレッシブ・ロック的な手法を用いて、3+2+2や4+3といった拍の細分化により聴き手を異世界へと誘う構成が見事です。

1994年に発売されたスーパーファミコン版で初登場し、幻獣に関わるダンジョンやイベント・シーンのテーマとして使用されました。

現実離れした幻想的な世界観を体験したい方や、変拍子の魅力を堪能したいリスナーには必聴の名曲といえるでしょう。

Robot StopKing Gizzard & the Lizard Wizard

King Gizzard & The Lizard Wizard – Robot Stop (Official Video)
Robot StopKing Gizzard & the Lizard Wizard

無限ループという概念的なテーマを7拍子という変拍子で見事に体現した実験的な名曲です。

4拍+3拍の巧妙なリズム分割により、聴き手に絶えず前のめりな推進力と心地よい緊張感を与えながら、通常の偶数拍子では味わえない独特のグルーヴを生み出しています。

2016年4月のアルバム『Nonagon Infinity』のオープニングを飾る本作は、全9曲がシームレスに繋がる循環構造の起点であり終点でもある重要な位置を占めています。

7拍子のリフが4拍子や3拍子と巧みに切り替わる構成は高度な演奏技術を要求しますが、結果として奇数拍子の複雑さがスリルと興奮へと昇華されています。

変拍子の沼にはまりたい方や、プログレッシブなサウンドに魅力を感じる方には絶対におすすめの一曲です。

Pictures at an Exhibition: PromenadeModest Mussorgsky

私は、現在もオーケストラの一員として活動しておりますので、クラシックは変拍子の山です。

このムソルグスキーの『展覧会の絵』の冒頭部分のホルンの奏でるメロディーは4分の5拍子と4分の6拍子を繰り返しております。

指折り数えれば「ほーなるほど」と思ってもらえるかと思います。

変拍子でも耳なじみの良いメロディーができるんだと感心します。

All You Need Is LoveThe Beatles

最も有名な変拍子ロックと言っても過言ではないのがこちら。

4拍子とワルツの3拍子に慣れてしまっていた人たちには衝撃的だったのではないでしょうか?

Aメロの部分は4分の7拍子と言われますが、どちらかと言えば4分の4拍子+4分の3拍子と数えるとノリがつかめるのではないでしょうか。

この後も『She Said She Said』など、ビートルズは変拍子の曲をたくさん書いているので、この機会にいろいろとお聴きいただくのもオススメですよ。

The OceanLed Zeppelin

Led Zeppelin – The Ocean (Live at Madison Square Garden 1973)
The OceanLed Zeppelin

ハードロックの歴史を作り上げたバンドのひとつ、レッド・ツェッペリン。

彼らの楽曲で変拍子というと『ブラック・ドッグ』を思い浮かべる方がいるかもしれませんが、あちらは変拍子に聴こえる「ポリリズム」で、実際には4拍子でカウントすることができます。

一方こちらの『オーシャン』は変拍子で、メインリフは8分の15拍子です。

8拍+7拍で数えると分かりやすいのではないでしょうか?

ボーカルが入ると4拍子になりますが、ギターソロはメインリフのリズムで演奏されており、聴きごたえがあります。