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魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽

突然ですが、皆さんは「変拍子」という音楽用語をご存じでしょうか。

音楽の授業で4拍子などの概念は学んだことがあるという方はいらっしゃるとは思いますが、一般的な4拍子や3拍子とは違い5拍子や7拍子など変則的な拍子が使われていたり、一つの楽曲にいくつかの違う拍子が含まれていたりすることも含めて「変拍子」と呼ばれるのですね。

何となくマニアックなイメージもあるかもしれませんが、実は皆さんが耳にしているポップスやアニソンなどに変拍子が採用されている場合もあるのですよ。

こちらの記事では、そんな不思議な魅力のある変拍子が使われている楽曲をジャンルを問わずまとめてご紹介。

ぜひ、曲を聴きながらカウントしてみてくださいね!

魅惑の変拍子。奇数拍子や複雑なリズムを持つ不思議な音楽(41〜50)

The Lion’s RoarCYNIC

アメリカのプログレッシブメタルバンド、CYNIC。

元はデスメタルバンドでしたが、徐々にその要素は薄まり、浮遊感あふれるメロディが特徴的なプログレッシブメタルに移行しています。

こちらは3rdアルバム『Kindly Bent to Free Us』に収録された楽曲で、イントロは変拍子感がない8分の6拍子で始まりながら、徐々に8分の6と8分の5を行き来する展開で驚かせてくれる1曲です。

メロディの自然さを損なわない演奏テクニックにも注目です。

Alive上原ひろみ

Hiromi The Trio Project performing “Alive” (Live in the Studio)
Alive上原ひろみ

上原ひろみは既に日本を代表するジャズピアニストといっていいでしょう。

そんな彼女は、デビュー時のピアノトリオからソロ活動、ギターを加えたカルテット編成を経て、2011年からはベースのアンソニー・ジャクソン、ドラムのサイモン・フィリップスとともに「ザ・トリオ・プロジェクト」をスタートし、さらなる音楽的進化をとげました。

そのトリオ編成の楽曲の中でも屈指の難易度を誇る変拍子曲がこちら、2014年リリースのアルバム『ALIVE』のタイトル曲です。

目まぐるしく変わる表紙の中でも最も複雑な部分はなんと16分の27拍子!

果たしてそのリズムについていくことができるでしょうか?

Seven DaysSting

スティングが1993年にリリースした4枚目のソロアルバム、「テン・サマナーズ・テイルズ」に収録された5拍子の楽曲がこちら。

シングルリリースもされたこの曲では、ジャズからロックまであらゆるジャンルで活躍する名ドラマー、ヴィニー・カリウタがドラムを叩いています。

5拍子でありながら違和感を抱かせない自然な曲展開は、その優しいメロディやスティングの歌声ももちろん要因でしょうが、ヴィニーの卓越した演奏も大きな要素ではないでしょうか?

シンプルなようで細かく表情を変えるドラムテクニックにもぜひ着目してください。

クマ矢野顕子

矢野顕子といえば今はテレビ等で見て名前を知っている方も多いでしょうが、彼女の1stアルバム『JAPANESE GIRL』は当時のポップシーンにおいてまさに突然変異とも呼べるものでした。

この『クマ』を聴いていただければ、日本民謡のような音楽をバックに5拍子と4拍子を行き来しながら歌う彼女の才能の特異性がすぐに感じられるでしょう。

ちなみにこのアルバムのレコーディングには、アメリカのロックバンド、リトル・フィートが参加しましたが、彼女の才能に驚いたリーダーのローウェル・ジョージが「自分たちは力不足だった」とギャラの受け取りを拒否した、というエピソードも残っています。

MoneyPink Floyd

Pink Floyd – Money (Official Music Video)
MoneyPink Floyd

変拍子を用いたプログレッシブロックの名曲の中でも特に有名なのがこちら、ピンク・フロイドの『マネー』です。

1973年リリースのアルバム『狂気』に収録されたこの曲は、アメリカではシングル・カットされて全米13位というヒット曲となり、アルバムの大ヒットにも繋がりました。

タイトルの通りレジとお金の音が刻むリズムから特徴的な4分の7拍子のベースリフに流れ込むイントロは、50年近くたった今改めて聴いても新鮮に感じられますね。

The GrudgeTool

現代プログレッシブロックシーンを語るうえで絶対に外せないのがアメリカのプログレメタルバンド、トゥールです。

ザクザクとしたギターリフとパーカッションを思わせる特徴的なスタイルのドラム、浮遊感のあるベース、そしてカリスマボーカリストであるメイナード・ジェームス・キーナンの歌声という組み合わせで、あまりの特異性に変拍子を感じさせないその音楽性は他に類を見ません。

こちらは2001年のアルバム「ラタララス」のオープニングを飾る楽曲で、8分を超える長さを感じさせない1曲です。

おわりに

プログレッシブロックなどの変拍子が頻繁に登場するジャンルもあれば、意外な曲が変拍子の曲であったりと「変拍子」の世界は深掘りすればするほどその奥深い魅力に気付かされるものです。

あなたが好きな音楽も、実は変拍子が使われているかもしれません……こちらの記事が皆さんにとって新たな発見のきっかけとなれば嬉しいです!