【クラシック】極上の音色、パイプオルガンの名曲&人気曲
数ある楽器の中でも「楽器の王様」と呼ばれ、その起源はなんとギリシャ神話に登場する楽器「パン・パイプ」と言われるほどの古い歴史を持つパイプオルガン。
教会やコンサートホールに、大きな存在感を放ちながら現在も佇んでいます。
パイプオルガンの音色が持つ響きはとても神聖かつ荘厳で、手で弾く鍵盤と足で弾く鍵盤があり、さまざまな音色を組み合わせることでオーケストラのような迫力のあるサウンドを生み出せます。
今回はそんなパイプオルガンが主役の、クラシック音楽の名曲たちを一挙ご紹介します!
【クラシック】極上の音色、パイプオルガンの名曲&人気曲(1〜10)
前奏曲とフーガ ハ短調 Op. 37 No. 1: FugueFelix Mendelssohn

ドイツ、ロマン派の大作曲家であるメンデルスゾーン。
彼の生涯は38年という短いものでしたが、幼少期から楽才を発揮した天才だったこともあって数多くの作品が残されています。
作曲家としてだけではなく、指揮者、ピアニスト、オルガニストとしても活躍していました。
彼はJ.S.バッハの『マタイ受難曲』を上演することによって、それまで忘れ去られていたバッハを再発見させたというのは有名な話です。
そのバッハへの尊敬が見られるような古典的な厳格な形式の中に、ロマン派ならではの優雅さが見受けられる1曲です。
教区のためのミサ曲François Couperin

17世紀のフランスの作曲家。
音楽家一族の頂点に立つ人物で、「大クープラン」と呼ばれています。
彼はその生涯の中でヴェルサイユの音楽家として、フランス様式とイタリア様式の融合を試みた室内合奏曲や小規模な宗教曲、典型的なロココ様式の鍵盤音楽で傑作を残しています。
『教区のためのミサ曲』は、彼が1685年から1723年までオルガン奏者を務めたサン・ジェルヴェ聖堂のために書かれました。
17世紀フランスのオルガン・ミサ曲の代表曲として知られており、多彩で微妙な音色が印象的な1曲です。
オルガン交響曲第8番 Finale – Tempo giustoChristoph Maria Moosmann

クリストフ・マリア・ムースマンは21世紀の現代で活躍しているドイツのオルガニスト、作曲家。
彼の演奏はロンドン、パリ、ニューヨークなどで最も高い評価を受けています。
この曲は、全6曲からなる『交響曲作品8』の最終曲で、主題が何度も繰り返されながら展開していくため、耳になじみやすい1曲となっています。
和声やリズムの進行に現代曲らしさを感じながらも、古典楽器であるパイプオルガンの美しい響きを生かしており、かっこよくも荘厳な曲に仕上がっています。
【クラシック】極上の音色、パイプオルガンの名曲&人気曲(11〜20)
幻想曲とフーガ ト短調 BWV542J.S.Bach

オルガン曲『小フーガト短調 BWV578』と同じ調性なので、区別するために『大フーガ』とも呼ばれています。
この曲はバッハがハンブルクの聖ヤコビ教会オルガニストになるオーディションのために弾いた曲とされています。
フーガのほうのテーマはよく知られていたオランダの民謡からとられているそうで、みんなが知っている曲をバッハならではの手法でアレンジしたその才能は、聴く人を驚かせたのではないでしょうか。
とはいえ、多額の寄付も採用条件に入っていたため、バッハはそのポストを得ることができませんでした。
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564J.S.Bach

バロック音楽の巨匠、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが手掛けた傑作。
壮麗な構成と、オルガンの魅力を存分に引き出した演奏技巧が光ります。
トッカータの華やかさ、アダージョの哀愁、フーガの軽快さと、3つの楽章それぞれに異なる表情を持つ本作。
1708年から1714年頃に作曲され、約16分30秒の演奏時間で聴衆を圧倒します。
20世紀には、ブゾーニやストコフスキーによってピアノやオーケストラ版への編曲も行われ、より幅広い演奏機会を得ました。
オルガン音楽の醍醐味を味わいたい方や、バロック音楽の奥深さに触れたい方にオススメの1曲です。
トリオ・ソナタ第5番 ハ長調 BWV529J.S.Bach

ヨハン・ゼバスティアン・バッハの代表作として知られる1曲。
教育的な意図で書かれたとされる本作ですが、その音楽性は単なる練習曲の域を超えています。
3つの楽章からなる構成で、特に第1楽章のアレグロは躍動感あふれる明るい曲調が印象的。
オルガン1台で3人の演奏者がいるかのような豊かな響きを生み出す技法は、まさにバッハの天才的な才能を感じさせます。
約1727~1730年に作曲され、バロック音楽の魅力を存分に味わえる作品です。
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 548J.S.Bach

バッハが1727年から1731年の間にかいたとされる曲で、自筆の楽譜もベルリン国立図書館に存在します。
前奏曲はきちんとした伝統の書き方を守ったつくりで、華やかなイメージを持っています。
フーガのほうは3部構成になっており、1部と3部は4声のフーガ、2部は技巧的な表現が光るトッカータのような作りです。
4声のフーガの主題が音の度数が少しずつ開いていくようなメロディなので、『くさび』という愛称で親しまれています。