【クラシック】有名ピアノ作品|一生に一度は弾きたい珠玉の名曲たち
バロック、古典、ロマン派、近現代、そして現代へと続く音楽史の中で、時代とともに変化を遂げてきたクラシック音楽。
しかし、各時代に生まれた名曲たちは、数百年経った今も色あせることなく、珠玉の名作として語り継がれています。
今回はそんなクラシック作品の中から、ピアノに親しんでいる方なら一生に一度は弾いてみたいと思う有名な作品を厳選!
作曲時のエピソードや演奏のポイント、そして練習の参考となる演奏動画とともにご紹介します。
【クラシック】有名ピアノ作品|一生に一度は弾きたい珠玉の名曲たち(11〜15)
小組曲:第1曲「小舟にて」Claude Debussy

暑い夏、心に一服の清涼剤となるような、クロード・ドビュッシーのピアノ連弾作品をご紹介しますね。
1889年2月にドビュッシーと出版社代表によって初めて二人で演奏されたこの作品は、4つの小品から成る組曲の冒頭を飾ります。
まるで水面をゆるやかに進む小舟を思わせる、穏やかで美しい旋律がとっても魅力的です。
歌詞こそありませんが、ベルレーヌの詩にインスピレーションを得ているそうで、月光の下で揺蕩う舟の情景や、遠い時代の優雅な雰囲気が心に広がるようです。
揺らめくピアノの音色が、聴く人を心地よい涼しさで包み込んでくれますね!
本作は管弦楽編曲版も広く知られ、一層豊かな色彩を感じられますし、館内BGMなどで耳にすることもあるかもしれません。
暑さで少しお疲れの時や、静かに心を落ち着けたい時にぜひ聴いてみてください。
ドビュッシーが「重すぎず短すぎない」サロン向けに考えたと言うように、気軽に優雅な気分に浸れることでしょう!
夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2Frederic Chopin

夏の暑さを忘れさせてくれる、フレデリック・ショパンによる珠玉のピアノ作品がありますよ。
1830年から1832年にかけて作られたこの作品は、名盤『Nocturnes, Op. 9』に収められており、甘く切ない旋律がたいへん美しいと評判です。
右手の歌うようなメロディは、まるで夜空にまたたく星のようで、左手の伴奏がそれを優しく支えます。
聴いていると、心が洗われるようですね。
映画『127時間』(2010年)やアニメ『少女終末旅行』(2017年)でも印象的に使われていますので、ご存じの方も多いことでしょう。
本作は、静かな夜に美しいピアノの音色で涼を感じたい方に、ぴったりの一曲と言えるのではないでしょうか。
サマータイムGeorge Gershwin

夏の気だるい午後にぴったりの、心が安らぐ子守歌はいかがでしょうか。
ジョージ・ガーシュウィンが手掛けたオペラ『ポーギーとベス』からの一曲で、1935年に初めて世に出た作品です。
この楽曲は、ジャズの自由な雰囲気とクラシック音楽の持つ美しさが溶け合い、聴く人の心を優しく包み込みます。
シンプルな旋律ながら、その奥には深い情感が揺蕩うのを感じられるでしょう。
歌詞には、我が子をあやす母の愛情と未来への静かな希望が描かれ、アフリカ系アメリカ人のスピリチュアルな世界観が息づいています。
1959年の映画版『ポーギーとベス』でも効果的に使用されたことでも知られています。
暑さで疲れた心にそっと寄り添い、穏やかな時間を与えてくれる本作は、ゆったりと音楽を楽しみたい方におすすめですよ。
組曲「鏡」より「洋上の小舟」Maurice Ravel

暑い日に聴きたくなる、モーリス・ラヴェルの涼やかな一曲はいかがでしょうか。
1906年にパリで出版されたピアノ組曲『Miroirs』の第3曲で、画家ポール・ソルドへ献呈された作品です。
広い海原を小舟がゆったり漂う情景が目に浮かび、聴くだけで心が洗われる気分になりますね。
本作の魅力は、きらめくアルペジオによる水の表現。
光を受けて揺れる水面や深い海の静けさを感じさせ、ピアノ一台とは思えないほど表情が豊かです。
140小節で36回も拍子が変わるのも、絶え間ない波の動きを巧みに捉えているからでしょう。
美しい音色で涼みたい方、印象派音楽がお好きな方に、きっと気に入っていただけるはず。
組曲『Miroirs』の他の曲とあわせて楽しむのも良いかもしれませんね。
練習曲「音の絵」 Op.39 第2番 イ短調 「海とかもめ」Sergei Rachmaninov

心に深く染み入る、夏のピアノ曲をご紹介しますね。
セルゲイ・ラフマニノフが1916年から1917年に書いた、ある練習曲集の一曲です。
本作はオーケストラ版もあり、レスピーギにより「海とかもめ」という情景が豊かな副題が付けられたことでも知られていますね。
寂寥感漂う旋律は、灰色の空と海、孤独なカモメの姿を描き出すかのようです。
中間部では一転して激情的な展開を見せ、聴く人の感情を大きく揺さぶるでしょう。
涼やかさだけでなく、深い物語や情景を感じたい方にぴったりの一曲です。
夏の日に、このドラマティックな音の絵画をじっくり味わってみてはいかがでしょうか。