RAG MusicClassic
素敵なクラシック
search

【ルネサンス音楽】ポリフォニーの魅力あふれる名曲を厳選

一般的に、1600年頃のヨハン・セバスティアン・バッハらが活躍した「バロック時代」から語られることの多い西洋音楽史。

しかし、音楽はそれ以前にすでに存在しており、1400年頃から1600年頃にかけて起こった文化運動「ルネサンス」の最中に生まれた「ルネサンス音楽」は、中世西洋音楽からバロック音楽への橋渡し的存在として、クラシック音楽の歴史の中でも重要視されています。

ルネサンス音楽の特徴は、複数の声部の重なりによって構成された「ポリフォニー音楽」であり、その多くが歌曲、そして宗教曲であること!

本記事では、そんなルネサンス音楽の中でも知名度が高く、現代でも演奏会などで取り上げられている名曲をご紹介します。

【ルネサンス音楽】ポリフォニーの魅力あふれる名曲を厳選(1〜10)

愛よ、この乙女をFrancesco Landini

Ballata: Questa fanciull’ amor. Francesco Landini
愛よ、この乙女をFrancesco Landini

イタリアが生んだ偉大な音楽家、フランチェスコ・ランディーニが残した『愛よ、この乙女を』は、14世紀後半を彩る傑作です。

14世紀にイタリアで生まれたトレチェント様式を代表するこの曲は、ランディーニ独特の多声音楽の美しさが際立つ1曲。

緻密なポリフォニーと心地よいハーモニーが特徴的なランディーニの音楽は、時代を越えて聴く者を魅了し続けています。

クラシック音楽ファンはもちろん、穏やかでピュアなメロディを愛するすべての人におすすめです!

地上のすべての国々はPérotin

1200年代末に活躍したペロタンの作品『Viderunt omnes』は、ルネサンス音楽の魅力を今に伝える貴重な作品です。

この曲は1198年にクリスマスのために作曲されたとされており、中世のポリフォニー音楽の中でも特に重要な位置を占めています。

4声部で構成されたこの曲は、厳かな雰囲気の教会や緊張感のあるコンサートホールで聴くと、さらに神聖な響きを感じられるでしょう。

緻密で複雑な旋律の重なりは、初期ポリフォニーの粋を集めたかのよう。

まるで中世の大聖堂のステンドグラスがきらめく様子を表すかのような魅力的な世界観に、引き込まれること間違いなしの1曲です。

キリエ(「ミサ・パンジェ・リングァ」より)Josquin Des Prez

多声音楽の傑作とされる、ジョスカン・デ・プレの『キリエ(「ミサ・パンジェ・リングァ」より)』。

この作品は4声部で構成され、ジョスカンの緻密な音楽性が存分に表現されています。

1516年から1520年の間にさまざまな手稿で幾度となくコピーされたことからも、当時の人々がこの曲を大切にしていたことがうかがえます。

ルネサンス音楽を代表するこの曲は、ポリフォニーが織りなす調和と美を通して、今もなお聴く者を魅了してやみません。

ポリフォニックな音楽の洗練された響きを楽しみたい方には必聴の名曲ですね。

【ルネサンス音楽】ポリフォニーの魅力あふれる名曲を厳選(11〜20)

ミサ・ブレヴィスGiovanni Pierluigi da Palestrina

パレストリーナ 「ミサ・ブレヴィス」 タリス・スコラーズ Palestrina / Missa Brevis
ミサ・ブレヴィスGiovanni Pierluigi da Palestrina

ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナの『ミサ・ブレヴィス』は、深遠なる宗教音楽の世界を映し出す傑作として知られるルネサンス期の名曲。

1570年、彼の創造力の絶頂期に発表されたこの作品は、宗教改革の時代においても、音楽が礼拝に占める役割を重んじたパレストリーナの信念が込められていることがうかがえます。

緻密で平和な響きは今でもリスナーの心を打ち、クラシック愛好家たちをとりこにしてやみません。

音楽の歴史を感じさせる重厚さと繊細さが同居する本作品を聴けば、まるで時間を超えた旅に出たかのような感覚にひたれるでしょう!

歌劇「オルフェオ」よりClaudio Monteverdi

バロック音楽へと繋がる架け橋となるクラウディオ・モンテヴェルディのオペラ『オルフェオ』は、1607年の初演以来、時代を超えて愛され続ける名作です。

彼の独自のアプローチで製作されたこの作品は、アリアやダンス、合唱などさまざまな要素が織り成す芸術の融合体。

物語ではトラキアの野や冥界を舞台に、オルフェオとエウリディーチェの愛が美しく描き出されており、太陽神アポロが登場するラストもドラマチック!

オペラ全幕を通して聴くことで、モンテヴェルディの魅力を存分に味わうことができます。

優しきマリアJacob Obrecht

温かみのある旋律と緻密な対位法が印象的な、ヤコブ・オブレヒトの『優しきマリア』。

1484年にカンブレー大聖堂の少年合唱団の指導者として音楽活動を始め、ブルッヘの大聖堂で名をはせた彼の才能が色濃く反映された作品です。

その深い響きと、それぞれの声部の絡み合いは、聴く者の心に深い余韻を残します。

シンプルながらも奥深い音楽の魅力を、ポリフォニーの美しさが集約されたこの曲を通して味わってみてはいかがでしょうか。

もし私の顔が青いならGuillaume Dufay

15世紀に活躍したギヨーム・デュファイは、ルネサンス音楽を代表する音楽家のひとり。

彼の世俗歌曲『Se la face ay pale』は、当時としては画期的な作品で、恋に悩む心情をポリフォニックに表現しています。

その美しい旋律は、時代を越えて多くの人々に愛されており、1972から1973年にかけてイギリスの古楽研究家、デイヴィッド・マンロウさんとロンドン古楽コンソートによって制作されたアルバムにも収録されています。

ルネサンス音楽や宗教音楽にあまりなじみのない方でも聴きやすく、彼の音楽性を味わうのにピッタリの1曲といえるでしょう。