ひと口に昭和と言っても、その期間は60年以上に及ぶほど長く、その間に今、筆者がパッと思いつくだけでも、70年代のフォークソング、グループサウンズ、そして80年代のニューミュージック、そしてもちろん歌謡曲…と、数多くの名曲が生まれました。
今回の特集では、そんな懐かしい昭和のポップソングをたっぷりとご紹介していきます!
リアルタイムで昭和をご経験されている方には、当時の思い出とともに懐かしく、また平成以降にお生まれの方にも、昭和の香りをお楽しみいただけるようできるだけ幅広く選曲してみました。
音楽ジャンル的にも混沌としていますが、それもまた昭和のミュージックシーンの魅力だったのではないかと思います。
魅力的な昭和の名曲の数々、ぜひお楽しみください!
人気の昭和ポップス。色褪せないヒット曲(1〜10)
ラブ・イズ・オーバー欧陽菲菲

欧陽菲菲の名曲、『ラブ・イズ・オーバー』。
大人から若年層まで、幅広い世代に愛され続けている名曲ですね。
この曲は「働かない年下の彼氏についに愛想をつかす女性」をイメージして作られたそうなのですが、ただ単に愛想をつかすだけではなく、未練や情といったものをうまく表現しています。
こういった感情の深い部分を直接的ではなく、ふんわりと感じさせるのが昭和の曲の魅力と言えるのではないでしょうか?
多くのカバーもありますので、原曲と聴き比べながら、それぞれの味を楽しむのもおもしろいと思います。
チャンピオンアリス

アリス史上最大のヒットソング、『チャンピオン』。
音楽的に見ても非常に重要な曲です。
当時はフォーク・ブームの真っただ中でした。
そんな中、フォークを代表するデュオであるアリスがロック調のこの曲をリリースしたことで、日本におけるフォーク・ロックの認知度が一気に上がったというわけです。
そういった貢献の部分だけではなく、楽曲としても非常に魅力的で、男なら誰でも奮い立ってしまうような熱い歌詞が描かれています。
また逢う日まで尾崎紀世彦

尾崎紀世彦さんの代表曲、『また逢う日まで』。
この曲はもともとCMソングとして作られたのですが、コンペで不採用にされてしまった過去があります。
後に「この曲を世に出さないのはもったいない」と考えた村上司さんが、阿久悠さんに歌詞の改変を依頼しました。
その後はさらに改変が加えられ、当初とは大きく異なる、明るく前向きな別れの歌としてリリースされています。
このように複雑な背景を持つ楽曲ですが、尾崎紀世彦さんの歌声を聞けば、明るく前向きな歌詞に変更された理由がわかると思います。
青い珊瑚礁NEW!松田聖子

太陽のきらめきと潮風の香りを運んでくるような、鮮烈なイントロが印象的な名曲です。
好きな人と過ごす夏の海辺、高鳴る胸の鼓動と少しだけ大胆になる自分の気持ち。
そんな甘酸っぱくもまぶしい恋の情景が目に浮かぶようです。
松田聖子さんを「永遠のアイドル」へと押し上げた本作は、1980年7月に発売された2枚目のシングルで、デビューアルバム『SQUALL』にも収録されています。
グリコのアイスクリームCMソングとしてお茶の間を彩り、『ザ・ベストテン』では3週連続1位を獲得。
聴く人の心を一瞬で夏模様に染め上げる、爽快感にあふれた楽曲です。
贈る言葉海援隊

日本を代表する卒業ソングとして知られている名曲、『贈る言葉』。
武田鉄矢さんがボーカルを務めるフォーク・グループ、海援隊の代表曲ですね。
現在でもまれに卒業ソングとして使用されているため、若い方でもご存じなのではないでしょうか?
実はこの曲……。
今では学生の卒業を描いた作品のように扱われていますが、そもそもは女性にフラれた男性をテーマにした作品なんですよね。
本来の失恋ソングとして聴いてみると、新たな発見があるかもしれません。
上を向いて歩こう坂本九

日本を代表する名曲、『上を向いて歩こう』。
坂本九さんの代表曲ですね。
この曲は1961年にリリースされました。
当時、日本は高度経済成長期の真っただ中で、日本中が活気にあふれていました。
しかし、早すぎる成長には問題もついてきます。
さまざまな社会問題に心労した方も多かった時代に、この曲はそういった人たちの心を明るく晴らしたことでしょう。
シンプルなメッセージ性ですが、それゆえに響く部分もありますね。
無駄を削ぎ落とした音楽性だからこそ、伝わる部分もあるのではないでしょうか?
セーラー服と機関銃薬師丸ひろ子

薬師丸ひろ子さんの代表曲、『セーラー服と機関銃』。
いまだに多くのメディアで使用されている楽曲のため、若い方でも聞きなじみがあるのではないでしょうか?
彼女が主演を務める同名のドラマのテーマソングとして作られたこの曲は、単なるテーマソングとしてだけではなく、若者のカルチャーとして定着しました。
地上げ問題が深刻化していた当時の時代背景が楽曲の内容とうまくリンクしていたからこそ、カルチャーと言えるほどのヒットを巻き起こしたのかもしれませんね。