レクイエム・鎮魂歌の名曲
レクイエムとは、死者のためのカトリック教会のミサで演奏される曲で、鎮魂曲ともいわれます。
いわゆる宗教音楽として、古くから人々に親しまれてきた音楽。
中でも有名なのは、三大レクイエムといわれる、モーツァルト、ベルディ、フォーレによるもの。
とくにヴェルディのレクイエムはいたるところで耳にしていると思います。
そのほかにも、古典の名作から比較的新しいものまで、レクイエムを集めましたので、その美しく壮大な響きをお楽しみください。
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レクイエム・鎮魂歌の名曲(11〜20)
レクイエムアンドレ・カンプラ

フランス・バロックの音楽家アンドレ・カンプラは、幼いころから聖歌隊に入って教会音楽の教育を受けます。
33歳でノートルダム寺院の楽長までのぼり詰めますが、教会に黙って発表した劇場音楽が大成功し職を追われます。
紆余曲折ののちに宗教音楽の世界に戻ったあとに書かれたレクイエムは、豊かな旋律と透明でやさしい雰囲気に満ちていて、フランス・バロック宗教音楽の傑作とされています。
フォーレにも影響を与えたといわれる癒やしの音の世界を味わってみては。
大司教ジーギスムント追悼のためのレクイエムミヒャエル・ハイドン

「交響曲の父」として知られるヨーゼフ・ハイドンの弟ミヒャエル・ハイドンが、大司教ジギスムントの追悼のために書いたレクイエム。
愛娘がわずか1歳で亡くなったことも大きく影響していると言われています。
娘の死後、数カ月間筆を執れなかった悲しみを乗り越えて書かれた本作品は、悲痛さと緊張感が迫ってくる大作。
モーツァルトが20年後に作曲したレクイエムにも大きな影響を与えたハイドンのレクイエム、ぜひ聴いてみてください。
レクイエムアントニン・ドヴォルザーク

後期ロマン派を代表するチェコの作曲家ドヴォルザークが、バーミンガム音楽祭のために作曲したレクイエム。
素朴ながらドヴォルザークらしい土臭さがなく、ひたすらに美しいメロディに貫かれています。
冒頭の旋律には敬愛していたとされるバッハの「ミサ曲ロ短調」からの引用があり、「死の思想の動機」として形を変えながら全曲の至るところに登場しています。
レクイエムケルビーニ

ケルビーニの1つ目のレクイエム。
フランス革命後の王政復古により即位したルイ18世が、断頭台の露と消えたルイ16世を悼むために依頼した作品です。
同時代の作曲家たちから絶賛され、ベートーベンの葬儀後の追悼ミサでも演奏されたという逸話が残っています。
全体的にモーツァルトの影響を残しつつ、劇的でありながら人間味があふれる旋律が心を打つ名作です。
レクイエムJ.C.バッハ

かのJ・S・バッハの末息子であるヨハン・クリスティアン・バッハによるミサ曲。
22歳のとき滞在していたイタリアで書かれたとされています。
ヨハン・クリスティアンは偉大な父親や、後進のハイドンやモーツァルトらの影に埋もれてしまった作曲家ですが、生前はドイツ、イギリス、イタリアで活躍し大きな名声を得ていました。
とくに日本では長く知られていませんでしたが、古典的なバロック音楽の要素も残しつつ、イタリアの教会音楽の様式も取り入れられた優美で壮麗な響きは必聴です。
ブリュッセル・レクイエムベルト・アッペルモント

吹奏楽コンクールで人気の「ブリュッセル・レクイエム」は、ベルギーの作曲家ベルト・アッペルモントが、2016年にベルギーのブリュッセルで起きた連続爆破テロ事件の犠牲者を悼んで書きました。
全曲を通してフランスの童謡「月の光に」のテーマが使われていて、テロという理不尽な暴力の恐怖や怒り、悲しみそして平和への願いが表されています。
おわりに
古典から比較的新しいものまで、さまざまなレクイエムを紹介しました。
レクイエムと言うと、「暗くて怖い音楽」という認識が大きかもしれませんが、美しい響きの曲もたくさんあるんです。
中には聴いていると癒やされるような曲もあったのでは?
気になった方は今回紹介できなかった曲もぜひ聴いてみてくださいね!





