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レクイエム・鎮魂歌の名曲

レクイエムとは、死者のためのカトリック教会のミサで演奏される曲で、鎮魂曲ともいわれます。

いわゆる宗教音楽として、古くから人々に親しまれてきた音楽。

中でも有名なのは、三大レクイエムといわれる、モーツァルト、ベルディ、フォーレによるもの。

とくにヴェルディのレクイエムはいたるところで耳にしていると思います。

そのほかにも、古典の名作から比較的新しいものまで、レクイエムを集めましたので、その美しく壮大な響きをお楽しみください。

レクイエム・鎮魂歌の名曲(1〜10)

戦争レクイエムベンジャミン・ブリテン

ブリテン:「戦争レクィエム」作品66 ブリテン/ロンドン響 Benjamin Britten / War Requiem, op.66
戦争レクイエムベンジャミン・ブリテン

「戦争レクイエム」は第二次世界大戦中、ドイツの空爆によって破壊されたイギリスのコヴェントリー大聖堂の再建を祝って書かれた作品です。

伝統的な典礼文に第一次世界大戦で戦死したウィルフレッド・オーウェンの詩を組み合わせた独特の歌詞に、2つの大戦で命を失ったすべての人への追悼と永遠の平和への祈りが込められています。

戦争の苛烈さや悲惨さを表しながら、人類への大きな希望も感じさせてくれる傑作です。

ドイツレクイエムヨハネス・ブラームス

「レクイエム」はカトリックの典礼音楽で、本来ラテン語の固有文で歌われますが、ドイツレクイエムはルターが翻訳した聖書のテキストをもとに作詞されたドイツ語のレクイエムです。

本来のレクイエムは死者の魂の安息を神に祈る内容ですが、本作は人間の苦悩や忍耐、そして信仰によって得られる慰めや報いを表していることから「生者のためのレクイエム」と呼ばれています。

ブラームスらしい重厚な音楽の中に、神に祝福される喜びがあふれている至福の作品です。

レクイエムロベルト・シューマン

Robert Schumann (1810-1856): “Requiem”, Op.148 (1852).
レクイエムロベルト・シューマン

「安息を」と約されるレクイエムはカトリック教会の追悼ミサで演奏される曲。

プロテスタントの牧師の家系に育った作曲家であるシューマンが書いたレクイエムは正式な典礼用ではなく、シューマン自身「自分のために書いている」と語っています。

実際に彼の最後の大作となった作品で、シューマンらしい詩的で鬱々としたフレーズが痛ましくも美しい世界へといざないます。

レクイエム・鎮魂歌の名曲(11〜20)

弦楽のためのレクイエム武満徹

001_弦楽のためのレクイエムRequiem for Strings Orchestra(1957)7:49
弦楽のためのレクイエム武満徹

武満徹の出世作として知られる「管弦のためのレクイエム」は、通常のレクイエムとはちがい三部作の形式をとっています。

「音の構築ではなく、余分を削って確かなひとつの音にたどり着きたい」と自身が語ったように、慎重に重ねられた倍音には厳しさすら感じます。

20世紀を代表する大作曲家ストラヴィンスキーを驚かせたという名曲です。

レクイエムモーリス・デュリュフレ

デュリュフレ 「レクィエム」 ミシェル・コルボ Durufle : Requiem
レクイエムモーリス・デュリュフレ

20世紀フランス作曲家デュリュフレのレクイエムは、正式なラテン語典礼の様式にのっとったものとしては現在、最後の本格的レクイエムと言われています。

クラシック音楽の礎として知られるグレゴリオ聖歌を全編に用いながらも、対位法や独自に磨き上げたフランス和声を巧みに使い、古典とモダンが融合した重厚かつ甘美な作品となっています。

レクイエムジュゼッペ・ヴェルディ

ヴェルディ《レクイエム》「怒りの日」ライナー指揮/ウィーン・フィル
レクイエムジュゼッペ・ヴェルディ

「怒りの日」は三大レクイエムのひとつ、ヴェルディのレクイエムの中でもとくに有名な一曲。

世界が灰に帰す審判の日の雷鳴・嵐・地響きを管楽器、弦楽器、打楽器がそれぞれ表しています。

そして冒頭のトランペットのファンファーレで黙示録に示された世界の終末を表す「奇しきラッパの響き」へと続きます。

圧倒的な神の怒りを目の当たりにするような流れに思わず息を飲んでしまいますね。

Requiemジョン・ラター

ジョン・ラター「レクィエム」 ティモシー・シーリグ John Rutter “Requiem”
Requiemジョン・ラター

イギリスの作曲家ジョン・ラターが親しい人との死別をきっかけに書いたという「レクイエム」。

厳粛な雰囲気と絶望すら感じる不協和音から始まりますが「永遠の安息を」という合唱が始まると次第に光が差していくように明るいメロディへと展開していきます。

レクイエムらしい荘厳な雰囲気と絶望からの救済といった流れはあるものの、「怒りの日」のような激しい要素は見られず、全体を通して癒やしに満ちている作品です。