【歴代】吹奏楽コンクールの人気課題曲まとめ
全国の吹奏楽をやっている人たちが目指す吹奏楽コンクールは毎年開催されてきました。
コンクールには大会側が定める課題曲が毎年数曲ずつ用意されており、出場するときにはどの課題曲を演奏しようか悩みますよね。
また、過去の課題曲の中には名曲として今もなお親しまれている楽曲も少なく、過去の課題曲を定期演奏会で演奏することもよくあると思います。
この記事では最新曲から過去の人気曲まで、これまでの吹奏楽コンクールの課題曲を一挙に紹介していきますね。
今年のコンクールの演奏曲や演奏会での演奏曲選びの参考にしてくださいね。
【歴代】吹奏楽コンクールの人気課題曲まとめ(21〜30)
汐風のマーチ田嶋勉

2010年度の全日本吹奏楽コンクールの課題曲です。
現代日本の作曲家である田嶋勉さんが2010年に手掛けられています。
爽やかなイントロとともに、夕方の海辺の風をイメージした優雅な雰囲気が特徴的で、穏やかな曲調ながらも一定のリズム感があり、聴く人の心に響きますね。
技術的には基本に忠実でありながら、最後にはゼクエンツという少し挑戦的な要素も取り入れられており、演奏する側にとっても聴く側にとっても魅力的な曲となっています。
コンクール以外の定期演奏会などでも広く親しまれており、海辺の風景を思い浮かべながら聴くのもおすすめです。
高度な技術への指標河辺公一

1974年の課題曲Bに選ばれたこの曲は、タイトルにある通り高い演奏技術が求められる1曲。
楽曲の冒頭部分は華やかで力強いファンファーレから始まり、金管楽器の裏打ちの伴奏の上でトランペットと木管楽器による目の回るような高速パッセージが繰り広げられます。
その後曲調はガラッと変わってスイング風に。
ドラムのスイングしたリズムの上でサックスやトランペットが艷やかな旋律を奏でます。
その後もメドレー形式でさまざまな曲調に展開していく様子は、一般的にはフォーマルなイメージが持たれる課題曲とは程遠い、ポップで楽しい雰囲気があります。
高難易度曲ではありますが、そのステージ映えの良さから、今もなお演奏会でよく披露される曲の一つです。
マーチ「メモリーズ・リフレイン」伊藤士恩

序盤から展開される華やかな転調と、吹奏楽ならではの楽器群の掛け合いが印象的な行進曲。
洗練された音使いと美しいハーモニーのなかに、現代的な要素を取り入れた意欲的な作品に仕上がっています。
伝統を大切にしながらも、新しい風を吹き込んだ若き作曲家、伊藤士恩さんの才能が光る1曲です。
2025年2月に全日本吹奏楽連盟から出版され、同年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲに選定。
各地の吹奏楽団体の演奏によって、その魅力が広がっています。
演奏者が自身の担当楽器の魅力を再発見できる本作は、合奏の楽しさを体感できる、心おどる1曲です。
ジェネシス鈴木英史

鈴木英史さんは、『吹奏楽のための序曲「自由の鐘は空に渡る」』をはじめ、数々のオリジナル曲の制作をおこなったほか、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」シリーズの複数の曲の編曲を手掛けたことでも知られる吹奏楽界の名作曲家の一人。
そんな彼が初めて全日本コンクールの課題曲を手掛けたのが2022年の課題曲3番です。
堂々とした高貴な雰囲気を感じるファンファーレから始まり、楽曲を通して優雅なたたずまいの旋律が印象的ですね。
実はこの曲、冒頭部分以外では具体的なテンポが指定されておらず、楽譜に示された発想記号を元に演奏します。
加えて、全体のハーモニーやコード進行の理解を進めながら演奏したい奥深い曲です。
マーチ「ブルー・スプリング」鈴木雅史

スズキ楽譜浄書屋の代表をつとめる鈴木雅史さんが作曲した曲で、2022年の課題曲2番です。
この方はとても熱意のある方で、全国の吹奏楽を応援するためにクラウドファンディングで資金をつのり、学生たちに楽譜を届けるという活動もされています。
こちらの『マーチ「ブルー・スプリング」』は、タイトルを直訳すると「青春」。
タイトルを決めてから作曲されたそうですよ。
青春を感じられる躍動感に満ちた、学生たちの課題曲としてピッタリの1曲です。
行進曲「K点を越えて」高橋伸哉

1999年の課題曲4番は、現在もなお人気の高いマーチとして全国の吹奏楽団体に愛されている1曲です。
楽曲タイトルにある「K点」とは、現在では建築基準点を指し、これを越えるジャンプができるかどうかが良い記録につながるかの目安になるものです。
1998年におこなわれた長野オリンピックを受けて制作されたため、スキージャンプをテーマにした曲になっているんですね。
楽曲を一度聴いてみると、冒頭のファンファーレからそれに続くなめらかで耳心地のいい旋律に魅了されるはず。
どこをとってもキャッチーで爽やかさを感じる曲超に仕上げられていることこそ、この曲が長年愛されている要因の一つでしょう。
やまがたふぁんたじぃ~吹奏楽のための~杉浦邦弘

作曲家、そして打楽器奏者としても知られる杉浦邦弘が作曲したこの曲『やまがたふぁんたじぃ〜吹奏楽のための〜』。
ひらがなの楽曲タイトルにも目を引かれますがすでに「吹奏楽のための」と銘打っているところにも課題曲にピッタリなのがうかがえますよね。
この曲は第31回朝日作曲賞を受賞している楽曲でもあります。
約5分ほどの演奏時間のこの曲はタイトルにも「やまがた」とあるように山形の民謡の要素、旋律が盛り込まれている1曲です。