大人気JAZZ漫画『BLUE GIANT』に登場するジャズの名曲まとめ
2013年から2016年にかけてビッグコミックにて連載され、ヨーロッパ編を経て2023年の現在はアメリカ編の第3部が連載中のジャズをテーマとした大人気漫画の『BLUE GIANT』。
2023年2月17日に公開された劇場アニメ版が大絶賛され、リピーターを生み出すほどの反響を呼んでいることで本作の存在を知ったという方も多いでしょう。
「絵から音が聞こえる」とも評されるほどの迫力の作画で描かれる『BLUE GIANT』はジャズをテーマとしているということで、実際のジャズの名曲が多く作中に登場します。
今回の記事では、特にジャズ初心者に向けて作中のキャラクターたちが愛したジャズの名曲たちをご紹介してきますね!
大人気JAZZ漫画『BLUE GIANT』に登場するジャズの名曲まとめ(11〜15)
Olive RefractionsJohnny Griffin

シカゴ生まれのサックス奏者、ジョニー・グリフィンさんは小柄な体で豪快なスタイルで骨太なテナーサックスを炸裂させるスタイルから「リトルジャイアント」と呼ばれたモダンジャズ界の著名なプレイヤーです。
いかにも『ブルージャイアント』とのつながりを感じさせますが、サックスを始めて間もない主人公の宮本大が広瀬川の土手で練習している時に聴いていたのが、ジョニーさんの名盤『ザ・リトル・ジャイアント』なのですね。
1959年にリリースされ、ハードバップの名盤としてジャズファンにはおなじみの作品です。
本稿で紹介しているのは、アルバムのオープニングを飾る名曲『Olive Refractions』。
イントロから3管編成で繰り出される大迫力のプレイに圧倒されること間違いなし!
ウィントン・ケリーさんをはじめとするピアノトリオの演奏も主役級の活躍でこれぞジャズ、といった演奏を楽しめますね。
大がどのような気持ちでこのアルバムを聴いてサックスを練習していたのか、想像しながら聴けば作品への思い入れも理解度もより深まることでしょう。
Now’s the TimeCharlie Parker

『BLUE GIANT』の作中で主人公の宮本大が最初に友人から借りるジャズのCDの3枚はそれぞれマイルス・デイヴィスさんの『Kind of Blue』、ビル・エヴァンスさんの『Waltz for Debby』、そしてチャーリー・パーカーさんの『Now’s The Time -the genius of Charlie Parker #3-』です。
チャーリー・パーカーさんといえばモダンジャズの創始者とも言われ、アルトサックス奏者としての伝説的なプレイはもちろん、作曲家としてもジャズの歴史に残るスタンダードナンバーを生み出した、まさにレジェンドと呼ぶにふさわしい存在なのですね。
本稿で取り上げている『Now’s The Time』はチャーリーさんが手掛けたオリジナルの楽曲にして、多くのミュージシャンがカバーしているスタンダードナンバー。
チャーリーさん特有のアドリブプレイも炸裂、アルバム自体が1952年から1953年までの録音でかつワンホーン、ということからも円熟期の天才による熱のこもった演奏が楽しめますよ。
So WhatMiles Davis

「帝王」の異名を持つマイルス・デイヴィスさんは既存のルールに縛られない自由な発想でジャズの可能性を別次元へと導き、ジャズ好きのみならずロックなど他の分野においても絶大な影響力を誇るトランペット奏者の偉人です。
そんなマイルスさんが1959年にリリースしたアルバム『Kind of Blue』はモダンジャズの傑作中の傑作と言われ、いわゆる「モードジャズ」と呼ばれる手法を発展させたアンサンブルも含めて音楽史にその名を刻んだ作品なのですね。
商業的にも破格の成功を収め、ジャズを語る上では欠かすことのできないアルバムということは間違いないのですが『BLUE GIANT』とのつながりも非常に重要なもので、主人公の宮本大が最初に友人から借りるジャズのCDの3枚の内の1つがこちらの『Kind of Blue』なのです。
ある意味『BLUE GIANT』の始まりの1枚とも言えますし、まだこのアルバムを聴いたことがない方であれば、大と同じような気持ちを味わえるということですからぜひチェックしてほしいですね。
本稿で紹介しているのはアルバムの冒頭を飾る名曲『So What』。
ジャズ界きっての名プレイヤーたちがそろった演奏の素晴らしさは言うまでもなく、マイルスさんにとってもジャズの歴史においても欠かせない名曲をこの機会に味わってみてください!
SpainChick Corea

日本でも非常に人気なチック・コリアさんの名作『Spain』。
ジャズに詳しくない方でも、本作のメロディーには聞き覚えがあるかと思います。
実際、YouTubeでは本作をストリートピアノで演奏する動画がよく投稿されていますよね。
テーマ部を12小節、または24小節で完結しながらも、ブルース進行とは全く異なるコード進行は、始めて聴く方にとって衝撃を与えることでしょう。
さまざまなバージョンやカバーが存在するので、ぜひご自身に合った1曲を見つけてください。
A Night In TunisiaArt Blakey & The Jazz Messengers

『BLUE GIANT』において主人公の宮本大が、後のサックスの師匠となる由井と出会うシーンは作品の中でもキーポイントの1つですよね。
もともとはサック奏者を目指していたという由井が大に「いつも吹いてる曲あるっしょ」とうながして、大が選んだ楽曲が『A Night In Tunisia』です。
非常に有名なジャズのスタンダードナンバーで、邦題の『チュニジアの夜』と言われれば「あの曲か」となる方も多いかもしれませんね。
チャーリー・パーカーさんとともにモダンジャズの創始者とも言われるトランペット奏者のディジー・ガレスピーさんがピアニストのフランク・パパレリさんと共作で作曲を手掛け、多くのジャズミュージシャンがカバーしていることはもちろん詞のついた歌曲としても知られています。
本稿ではカバーバージョンの中でも特に名演として知られている、アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズによる演奏を紹介していますが、他のミュージシャンたちによる名演もぜひ深掘りして探してみてくださいね。