大人気JAZZ漫画『BLUE GIANT』に登場するジャズの名曲まとめ
2013年から2016年にかけてビッグコミックにて連載され、ヨーロッパ編を経て2023年の現在はアメリカ編の第3部が連載中のジャズをテーマとした大人気漫画の『BLUE GIANT』。
2023年2月17日に公開された劇場アニメ版が大絶賛され、リピーターを生み出すほどの反響を呼んでいることで本作の存在を知ったという方も多いでしょう。
「絵から音が聞こえる」とも評されるほどの迫力の作画で描かれる『BLUE GIANT』はジャズをテーマとしているということで、実際のジャズの名曲が多く作中に登場します。
今回の記事では、特にジャズ初心者に向けて作中のキャラクターたちが愛したジャズの名曲たちをご紹介してきますね!
大人気JAZZ漫画『BLUE GIANT』に登場するジャズの名曲まとめ(21〜30)
Time WasJohn Coltrane

作中で宮本大が家族の前で初めてジャズを演奏するシーン、たとえミュージシャン志望でなくとも田舎から上京した経験のある方であれば思わずぐっときてしまったのではないでしょうか。
大がジャズミュージシャンを目指すべく生まれ育った土地から旅立つという意味でも実に感動的なシーンなのですが、ここで大が披露したのがジョン・コルトレーンさんの名曲『Time Was』なのですね。
大にとってコルトレーンさんがいかに重要な存在なのかもよく分かる選曲ですが、この楽曲はコルトレーンさんの初のリーダーアルバムとなったその名も『Coltrane』に収録されており、かつワンホーンで録音された曲ということもあって、この曲を選んだ意味が深読みできそうな気もします。
Ruby, My DearThelonious Monk

主人公の宮本大いわく「天才だべ」と評されているのは、即興演奏を用いた独自のスタイルと現代も愛されるスタンダードナンバーの作曲者としても著名な天才ピアニスト、セロニアス・モンクさんですね。
作中で実際に大が聴いていると思われる作品が、セロニアス・モンクさんと彼の弟子とも言える後のカリスマ的なサックス奏者のジョン・コルトレーンさんがタッグを組んだ『Thelonious Monk with John Coltrane』です。
『Ruby, My Dear』はそのオープニングを飾る名曲で、モンクさん自身が1945年頃に作曲を手掛けたというロマンチックなバラードナンバー。
この楽曲についてはモンクさんのソロピアノアルバム『Solo Monk』でも聴けますから、ぜひ聴き比べてみてほしいですね。
Maiden VoyageHerbie Hancock

『処女航海』という邦題でも知られる『Maiden Voyage』は、スタンダードなジャズに収まらないアイデアと才能で多くの革新的な作品や楽曲を生み出し、80代を過ぎた2020年代の今も現役プレイヤーとして活躍するハービー・ハンコックさんが1965年にリリースした同名のアルバムの表題曲です。
ジャズの歴史に残る名曲にして現在も愛され続けているスタンダードナンバーでもありますが、作中では宮本大が初めて自分の演奏でギャラを手にした時の記念すべき楽曲なのですね。
この曲をサックス1本だけで表現したこと自体がすごいというか何というか……一体どのような演奏だったのか、原曲を聴きながら想像してみてはいかがでしょうか。
I’m a Fool to Want YouDexter Gordon

作中で主人公の宮本大が「デクスター」と呼んでいるのが、モダンジャズ界を代表するテナーサックス奏者のデクスター・ゴードンさんです。
プライベートでの問題で波乱万丈の人生を過ごしながらも、何度となく復活しただけではなく晩年には映画の主演を務めてアカデミー主演男優賞にノミネートされるなどの活躍でも知られる存在なのですね。
作中に登場するデクスターさんのアルバムは、1965年に録音されるも実際にリリースされたのは何と14年後の1979年だったことでも有名な『Clubhouse』です。
作中には2007年にリイシューされたバージョンのアルバムジャケットが登場していますね。
本稿ではアルバムの収録曲でフランク・シナトラさんが歌ったことで知られるスタンダードナンバー『I’m a Fool to Want You』を紹介しています。
夜に部屋で一人、ワイングラスを片手に聴きたいロマンチックなサックスの音色はまさに大人の色気たっぷり!
おわりに
冒頭でも触れたように、あまりジャズに詳しくない方でも実際に漫画で使われたジャズを聴いてみたいと思われた方は多いでしょう。
とはいえジャズって何となく敷居が高い気もするし……と二の足を踏んでいらっしゃる方にこそ、今回紹介している名曲たちは聴いていただきたいですね。
ジャズの巨人たちの演奏を聴くことで作品の理解も深まりますし、キャラクターがどのような思いで演奏していたのかが感じ取れるかもしれません!