昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ
あなたは昭和初期というと、いつくらいの時代をご想像されるでしょうか?
本特集では、戦前から戦後直後の昭和初期に絞って、その頃の流行歌や唱歌、童謡を中心に楽曲をセレクトしてみました。
できるだけ「昭和のレトロ感」的なものをお楽しみいただきたいと考え、リンクの音源動画資料もなるべく原曲のオリジナル音源を選ぶように心がけています。
レトロなモノラルの音質とともに昭和初期の春の空気をお伝えできれば幸いです。
あの時代を思い出しつつ、ぜひ、みなさん一緒に口ずさみながらお楽しみください!
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昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ(21〜30)
白薔薇は咲けど藤山一郎

テンポの良い曲調と、歌詞に見られるハイカラな単語が当時の流行歌『白薔薇は咲けど』は、古賀政男さん作曲、佐藤惣之助さん作詞のヒット曲です。
昭和12年に公開された映画『白薔薇は咲けど』の主題歌で、歌うのは『青い山脈』で有名な藤山一郎さん。
朗々としたクラシック仕込みの歌唱が魅力です。
藤山一郎さんは東京音楽大学を主席で卒業し、のちに多くの大ヒットを飛ばす日本の国民的歌手となりました。
映画の内容に沿ったような、淡い恋心をリズミカルに歌った当時の大衆歌謡で、多くの人に愛されました。
三色すみれ桜田淳子

初恋の淡い思いを三色のすみれの花に託した、1974年2月リリースの桜田淳子さんの楽曲です。
はかない恋心を歌ったこの楽曲は、オリコンチャート10位を記録し、約18.6万枚のヒットを記録しました。
阿久悠さんの紡ぐ繊細な歌詞と、中村泰士さんが紡ぎ出すメロディの融合が、純真な少女の切ない恋心を見事に表現しています。
本作は、期待と不安が交錯する思春期の心情を美しく描き出し、桜田淳子さんの透明感のある歌声が物語に深みを添えています。
待ち焦がれる気持ちとかなわぬ恋の切なさを胸に秘めた方の心に、優しく寄り添う1曲です。
湯島の白梅小畑実

昭和初期に大ヒット曲を多く歌い、人気を博した小畑実さんの『湯島の白梅』は、昭和17年発売の歌謡曲です。
泉鏡花さん作の、作家と芸者の恋物語を描いた映画『湯島の白梅』に合わせて歌われた戦前の流行歌ですが、小畑実さんの流れるようにスムーズに歌う歌唱法が心地よいですね。
歌詞も五七五調でテンポもよく、メロディとよく合っています。
ヒットソングなので、過去にも多くの歌手にカバーされてきましたが、最近では氷川きよしさんがカバーしています。
春の悲歌東海林太郎

とてもシンプルな歌詞で、タイトルの響きも美しい『春の悲歌(エレジー)』。
大好きな「君」を乗せて、馬車が行ってしまう峠道。
もう帰ってこないことを知りながら、悲しみに暮れている様子が目に浮かびます。
馬車が行ってしまったのは、山花が美しく咲きこぼれる春だったのでしょうか。
決してかなわない淡い恋心が、切なくも尊いイメージを残すのは、日本独特の季節の香りや文化を感じ取れるからかもしれませんね。
ロイド眼鏡に燕尾服を着用し、直立不動で歌うスタイルが特徴的だったという東海林太郎さんのたたずまいも、昭和の紳士を感じさせてすてきですよ。
こいのぼり

令和の現在でも、5月が近付けば日本の各地で飾られるこいのぼり。
そんなこいのぼりを見れば、自動的に思い出されるのが童謡の『こいのぼり』ですよね。
短い曲ではありますが、青空にゆらゆらとたなびくこいのぼりを親子に見立てて、泳いでいると表現した歌詞は実に的確ですてきだなと感じます。
そんな『こいのぼり』は一体誰が作詞と作曲を務めたのか、ぱっと答えられる方は少ないのでしょうか。
『こいのぼり』の初出は昭和6年に刊行された唱歌の絵本『エホンショウカ ハルノマキ』とされており、作詞は音楽教師という経歴を持つ近藤宮子さん。
実はこちらの近藤さんは、あの『チューリップ』の作詞も手掛けた方なのですが、当時は無名著作物として作品を発表したという経緯もあり、さまざまな問題を経て近藤さんが作詞家として認められたのはなんと1993年のこと。
さらに言えば作曲者は今もって不明であり、そういった背景があっても歌い継がれている理由はひとえに『こいのぼり』という曲と歌詞の素晴らしさあってのこそ、と言えそうです。
故郷唱歌

青い山、清らかな水、そして幼い頃に遊んだ思い出。
懐かしい故郷の風景と、離れて暮らす家族や友人への思いを優しく包み込むメロディーは、誰の心にも響く普遍的な魅力を持っています。
1914年に文部省唱歌として発表された本作は、高野辰之さんと岡野貞一さんによって生み出され、当時の日本の農村風景や生活を色濃く反映しています。
1998年の長野オリンピック閉会式で歌われ、多くの人々に感動を与えました。
ト長調の3拍子で紡がれるシンプルで覚えやすい旋律は、卒業式や成人式など人生の節目に歌われ続けています。
郷愁を誘う歌詞とメロディーは、故郷を離れて暮らす全ての人の心に寄り添う、まさに日本の心を象徴する楽曲といえるでしょう。
朧月夜唱歌

春の夕暮れ時の情景を美しく描き出した楽曲は、菜の花畠に広がる夕日と霞、空に浮かぶ淡い月光が織りなす風景を、繊細な筆致で表現しています。
のどかな里山の情景とともに、森の色や田んぼの小道を歩く人々の姿、蛙の鳴き声や鐘の音など、日本の春の風物詩を優しく包み込んだ作品に仕上がっています。
1914年に文部省唱歌として発表された本作は、高野辰之さんの詞と岡野貞一さんの曲が見事に調和し、学校教育の場でも長く親しまれてきました。
2009年には森山愛子さんがカバー、2023年6月には西田あいさんが番組で歌唱するなど、世代を超えて愛され続けています。
穏やかな春の夕べに聴きたい一曲として、心に染み入る温かさを感じさせてくれることでしょう。






