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昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ

あなたは「春」と聞いて、どんな歌を思い浮かべますか?

戦前から戦後にかけての昭和初期には、季節の移ろいを繊細に描いた流行歌や唱歌、童謡が数多く生まれました。

本特集では、そんな時代の春にまつわる歌謡曲や唱歌をたっぷりとお届けします。

リンク先の音源動画資料には当時のオリジナル音源を選んでいる曲もありますから、レトロな響きとともに当時の春の空気を味わってみてください。

懐かしいメロディーを口ずさみながら、穏やかな春のひとときをお楽しみいただければ幸いです。

昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ(21〜30)

旅の夜風霧島昇、ミス・コロムビア

旅の夜風 霧島昇さん ミス・コロムビアさん
旅の夜風霧島昇、ミス・コロムビア

『旅の夜風』は1938年に発売された昭和の歌謡曲です。

典型的な「すれ違い」の恋を描いた小説が原作の映画『愛染かつら』の主題歌として作られ、当時としては驚異的な80万枚を超えるヒット曲となりました。

曲のタイトルはわからなくても冒頭の歌詞が流れると、「あの『愛染かつら』の曲ですね」と言われる方も多いのではないでしょうか。

霧島昇さんとミス・コロムビアさんによる淡々と歌いながらもにじみ出る表現力の歌唱は、今聴いても胸を打ちます。

青い山脈藤山一郎

川中美幸「青い山脈」(「川中美幸 服部良一を唄う」より)
青い山脈藤山一郎

戦後の日本が芽吹いた1949年、若者たちの明るい未来への希望を歌い上げた珠玉の名曲が西條八十さんの作詞、服部良一さんの作曲により誕生しました。

藤山一郎さんと奈良光枝さんの歌声が織りなすデュエットは、厳しい冬を越えて咲く雪割桜のように、力強く美しい春の訪れを表現しています。

映画のために書き下ろされた本作は、当時の若者たちの夢や憧れを自然の情景に重ね合わせ、戦後の復興期における人々の思いを見事に描き出しています。

バラ色の雲が浮かぶ青い山並みを背景に、新しい時代を生きる人々の姿を優しく包み込むような心温まるメロディーと歌詞は、春の訪れとともに聴きたくなる永遠の名曲といえるでしょう。

昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ(31〜40)

蘇州夜曲渡辺はま子、霧島昇

『蘇州夜曲』は1940年、映画『志那の夜』の挿入歌として作られ、同年に渡辺はま子さんと霧島昇さんの歌唱でレコード発売された昭和の流行歌です。

映画の中では、戦前の中国で生まれ、激動の時代を生きた女優、李香蘭こと山口淑子さんが歌っています。

この歌は、そもそもが映画スター「李香蘭」が歌うことを前提として作られた歌だそうです。

「東洋の水の都」と言われる蘇州や男女の心情が、昭和の流行歌ならではの美しい歌詞で描かれています。

みかんの花咲く丘川田正子

1946(昭和21)『みかんの花咲く丘』唄:川田正子
みかんの花咲く丘川田正子

戦後から1年が過ぎた昭和24年の8月25日に発表され、戦後に発表された童謡としては最もヒットした曲と言われるほどの人気を誇るのが『みかんの花咲く丘』です。

みかんと言えば冬の果物というイメージですが、みかんの花が開花する時期は5月ということで、みかんの花に着目したこちらの『みかんの花咲く丘』は、まさに春の童謡なのですね。

音楽雑誌『ミュージック・ライフ』編集長の加藤省吾さんが作詞を務め、作曲は海沼實さんが担当。

歌唱を担ったのは、童謡歌手として絶大的な人気を誇った当時12歳の川田正子さんです。

川田さんが出演するラジオ向けの曲として誕生したのですが、何と楽曲が完成したのは放送が行われる前日だったというのですからすごいですよね。

加藤さんの出身地でもある静岡県には複数の歌碑も存在していますから、この曲のバックグラウンドを深く知りたい方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

春の歌内田元

混声合唱曲「春の歌」―内田元(編曲・平吉毅州)
春の歌内田元

昭和12年3月、NHK大阪中央放送局で国民歌謡として放送が始まった心温まる楽曲です。

内田元さんが作曲し、喜志邦三さんが作詞を手掛けたメロディは、当時の人々の暮らしに寄り添う親しみやすさを持っています。

全4番の歌詞には、花売りの愛らしいまなざしや、新鮮な野菜が並ぶ市場のにぎわい、巣立ちの鳥のさえずり、そよ風に揺れる春の情景が描かれています。

同年7月にはポリドールからレコードが発売され、翌年にはテイチクでも発売されました。

本作は、倍賞千恵子さんや、由紀さおりさん安田祥子さん姉妹など、多くのアーティストにカバーされ、春の訪れを喜ぶ気持ちを共有できる楽曲として愛され続けています。

春の始まりを感じる季節に、家族や友人と一緒に口ずさみたい一曲です。

春の夜宮城道雄

春の夜 -宮城道雄 / Haru no Yo – Miyagi Michio
春の夜宮城道雄

静寂に包まれた春の宵に、箏の清らかな音色が響き渡る情景を見事に表現した楽曲です。

大正3年に発表された本作は、宮城道雄さんが20歳という若さで作曲した邦楽の名作として知られています。

白梅の香り漂う夜に、一人の男性が箏の音に導かれ、美しい女性とのはかない出会いを経験する様子を繊細に描写しています。

宮城道雄さんが失明を乗り越えて紡ぎだした旋律は、春の夜の静けさと人々の心の機微を優美に表現し、邦楽の新境地を切り開きました。

本作は、日本の四季の移ろいや心情の機微に触れたい方にオススメの一曲です。

穏やかな春の夜に、箏と尺八の調べに身を委ねてみてはいかがでしょうか。

梅は咲いたか

江戸端唄として歌われてきた『梅は咲いたか』。

今ではお座敷歌として三味線に合わせて歌い、芸子さんが踊るというので有名な1曲ではないでしょうか。

梅が咲いたら春を感じる、春の訪れを告げてくれる花ではありますが梅の時期はまだまだ寒いですよね。

梅のその先の、桜の花が咲く景色、そしてその頃の暖かな陽気を待ちわびている様子……と思いきや人の心の移り変わりを歌っていて異性への気持ちが表現されています。

はまぐりやアサリなど、春にうまくからめた歌詞はよく読むと意味が違うのだな、と気付かされます。