【高齢者向け】9月の俳句。秋にぴったりな句をご紹介
厳しい暑さを乗り越えた9月は、少しずつ秋の気配が感じられるようになりますね。
9月というと、何を思い浮かべるでしょうか。
お月見や秋の草花を挙げる方が多いかもしれません。
俳句の世界では9月は「仲秋」に分類され、9月にちなんだ季語が多数あります。
そんな9月ならではの季語を使用した、有名な句をご紹介しますね。
秋の美しい情景が思い浮かぶ俳句は、高齢者の方の心を落ち着かせ、ゆったりとした時間を過ごせるでしょう。
好きな季語で俳句を詠んでみるのもいいですね。
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【高齢者向け】9月の俳句。秋にぴったりな句をご紹介
明月や 池をめぐりて 夜もすがらNEW!松尾芭蕉

日本の俳句の基礎を築いた江戸時代前期の俳人であり、多くの名句を後世に残した松尾芭蕉。
この句では美しい月夜に池の周りを歩きながら夜通し月を眺めて過ごすという風雅な光景が詠まれています。
夜の池や月夜が思い浮かぶとともに、ひたすらに月を愛でるその心の豊かさが伝わるでしょう。
彼の句には自然と一緒に生きる心の余裕や秋の季節の美しさを感じ取る感性が詰まっています。
秋の夜長に美しい月の光を浴びながら静かに過ごす時間は、心を穏やかにしてくれるものです。
白露も こぼさの荻の うねりかなNEW!松尾芭蕉

「白露も こぼさの荻の うねりかな」は、松尾芭蕉が詠んだ俳句です。
俳句の中に白露と萩が出てきますよね。
どちらも、秋の季語ですがこの俳句の主役は萩です。
ですので季語は、萩となるそうですよ。
日中と夜との寒暖差により朝露が見られる時期を、かつて日本人は白露と表現しました。
朝日に照らされ、光り輝く露を見て表現したそうですよ。
俳句は、萩の葉に露がたくさんついていて、そよ風が吹いてその葉がうねっている。
しかし、萩は露を落とさないように揺れている様子を詠んでいるそうです。
秋の訪れの一コマを感じられますね。
蛇穴に 入るや彼岸の 鐘が鳴るNEW!正岡子規

お彼岸といえば春のお彼岸と秋のお彼岸がありますよね。
どちらも季語と成り得るのですが、そのときは「春彼岸」や「彼岸秋」など春や秋の文字を足して使うことが多いんです。
この俳句もそんなお彼岸を詠んだものなのですが、実はこの句の季語は「蛇穴」。
寒くなって冬眠を始める、蛇は穴に入ってゆく、その姿を詠んだ句なのですね。
いそいそと穴に入りゆく蛇、秋の彼岸の鐘が心地良く響く、そんな深まりゆく秋を目と耳で感じられる俳句。
横顔が有名な子規さんの代表句の1つです。
旅の日の いつまで暑き 彼岸花NEW!臼田 亞浪

彼岸花は夏から秋にかけて、田んぼや道端に咲いているところを見かけることもありますよね。
秋の季語である彼岸花を取り入れた臼田 亞浪が詠んだ俳句「旅の日の いつまで暑き 彼岸花」をご紹介します。
この俳句が詠まれた時期の彼岸花が咲いている季節は、秋の訪れも感じる頃だったのでしょう。
彼岸花が咲く中の旅の途中に、暑さを感じ「いつまでこの暑さは続くのか」と思ったのかもしれませんね。
最近も、秋になっても暑い日が続くことがあります。
そんな9月の日常を、高齢者の方と俳句に残すのもいいかもしれませんね。
裏山に 一つの道屋 葛の花NEW!野村喜舟

山中に海沿いに、わりとどこでも見られる葛の花。
それほど草花に詳しくなくてもその姿を見せられれば「何だあ、この花のことかぁ」となる人も多いと思います。
日本ではくず粉の原料になったり、漢方薬になったり、また秋の七草にも数えられたりと、親しみある花ですよね。
裏山にいつも使う道があって、そこに葛の花が咲き始める、「ああ、秋だなあ」と生活の中に季節を感じる。
作者の喜舟さんは夏目漱石さん門下の松根東洋城さんに師事した俳人です。