【高齢者向け】9月の俳句。秋にぴったりな句をご紹介
厳しい暑さを乗り越えた9月は、少しずつ秋の気配が感じられるようになりますね。
9月というと、何を思い浮かべるでしょうか。
お月見や秋の草花を挙げる方が多いかもしれません。
俳句の世界では9月は「仲秋」に分類され、9月にちなんだ季語が多数あります。
そんな9月ならではの季語を使用した、有名な句をご紹介しますね。
秋の美しい情景が思い浮かぶ俳句は、高齢者の方の心を落ち着かせ、ゆったりとした時間を過ごせるでしょう。
好きな季語で俳句を詠んでみるのもいいですね。
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【高齢者向け】9月の俳句。秋にぴったりな句をご紹介(11〜20)
コスモスの 花ゆれて来て 唇に星野立子
女性主宰誌の『玉藻』を創刊した星野立子さんが詠んだ句です。
この句は秋の訪れを告げるコスモスの美しさを表しています。
風に揺れた花がふわりと唇に触れる、そのわずかな感覚を見事に詠みあげたもの。
視覚だけでなく触覚までも伝わってくる一場面が浮かび、季節の移ろいを五感で楽しませてくれる句です。
コスモスは秋の花の代表格であり、どこかはかなさも感じさせます。
秋晴れの日に花畑を散歩しながら、ふと顔に触れる花びらを想像すると、心が穏やかにつつまれていくようです。
自然とのつながりや季節を身近に感じさせてくれる美しい一句です。
この道や 行くひとなしに 秋の暮れ松尾芭蕉
松尾芭蕉が晩年、最後に出席した句会で詠んだと言われている俳句です。
季節の終わりを感じさせる「秋の暮れ」という季語が使われており、その前にあたる「この道や行く人なし」という言葉からもなんだか寂しさを感じます。
この時、松尾芭蕉は門下生たちの主導権争いに悩んでいたと言われており、心労がたたったのか、句会の数週間後には亡くなってしまいます。
人生の終わりを迎える中で、後継者がいない孤独を感じていたのかもしれませんね……。
山は暮れて 野は黄昏の 芒かな与謝蕪村
秋になると、山へ紅葉を見に家族と行く高齢者の方もいらっしゃることでしょう。
紅葉を楽しみにされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
山は紅葉が見ごろを迎える時期でも、街や平野ではまだ紅葉していないことも多いです。
きっと与謝蕪村も、遠くの色づいた山々を見て、自分の身近な植物の姿を重ねて、秋の日のことを詠んだのでしょう。
秋の早めにやってくる夕暮れ時に、広い視野で見た情景が浮かび上がりますね。
ちなみに俳句に出てくる芒は、昔から暮らしの中に深く関係している植物だそうですよ。
名月を 取ってくれろと 泣く子かな小林一茶
秋の月ってほんとにきれいですよね。
秋は空気がきれいで、空気中にちりや花粉が少なく月の輪郭がはっきり見えやすいそうです。
背中におんぶした子供が「お月様を取って」とねだった様子を詠んでいますが、ねだった気持ちがわかります。
子供の無邪気なお願いが、とてもほほえましく思えてきますね。
さみしさも感じる秋ですが、俳句からは気持ちが和むような、温かさも感じます。
高齢者の方と、心が温まるよな俳句を作る参考にしてみてはいかがでしょうか?
あかあかと 日はつれなくも 秋の風松尾芭蕉
立秋を過ぎてもなお真っ赤に照りつける夕日と、そこに吹く秋の気配を感じさせる風を描いています。
残暑の厳しさと、やわらかく秋を運ぶ風の対比が、季節の移ろいを鮮やかに表現しています。
日々の生活の中で暑さや風の変化を感じながら味わえば、季節が移り行く微妙な変化や過程に気づき、より一層季節感を楽しめます。
今と十数年前では気候も変化しているため、高齢者にとっては、昔の夏や秋の記憶と重ね合わせながら、風や光の変化を味わう楽しみ方ができるでしょう。
名月や 池をめぐりて 夜もすがら松尾芭蕉
秋はお月見の季節ですよね。
きれいな月を眺めていると、心が洗われる気持ちにもなります。
秋に、月がきれいに見える理由がじつはあるそうです。
秋は乾燥して空気が澄んでいたり、鑑賞するにはちょうど良い高さになるそうですよ。
松尾芭蕉も、名月を見て思わず一句詠んだのでしょうか?
高齢者の方とお月見をされた際にも俳句も一緒に詠むのも面白そうですよ。
松尾芭蕉は、江戸時代に活躍した俳人です。
その松尾芭蕉と同じ月を見て詠むのも、趣がありますね。
【高齢者向け】9月の俳句。秋にぴったりな句をご紹介(21〜30)
菊の香や 奈良には古き 仏たち松尾芭蕉
菊の香りが漂う奈良の町を歩くと、その香りに包まれた古い仏像たちがひっそりとたたずむ様子が描かれています。
香りと静けさが一体となって、秋の深まりと歴史の重みを自然に感じさせる一句です。
高齢者にとっても、昔の秋の風景や仏閣の記憶を重ねながら味わうことで、季節の情緒と時間の経過、思い出を振り返るといったさまざまな角度から楽しめます。
短い言葉の中に五感で感じる秋と、静かな時の流れを想像できる余白があり、読むたびに新たな発見がある俳句です。





