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【高齢者向け】夏の俳句。夏を感じるアイディア

夏は、高齢者の方にとって懐かしい思い出がよみがえる季節ですよね。

そんな夏のひとコマを、俳句で気軽に表現してみませんか?

俳句はたった17音で作れる、日本ならではの詩の形式です。

難しく考えずに、目の前に広がる季節の風景や心に浮かんだ気持ちを素直に詠むのがコツです。

五・七・五のリズムに乗せることで、情景がより鮮やかに伝わります。

本記事では、夏をテーマにした簡単で親しみやすい俳句をご紹介します。

言葉に季節を込める楽しさを、ぜひ味わってみてください。

【高齢者向け】夏の俳句。夏を感じるアイディア(31〜40)

明らみて 一方暗し 梅雨の空

明らみて 一方暗し 梅雨の空

高浜虚子は明治から昭和にかけて活躍した愛媛県の俳人で、同郷の正岡子規の弟子となって俳句を学びました。

自分で見た風景の描写を得意とし、自然を題材とした作品を多く残しています。

この句は明け方になり、空が明るくなってきたが、梅一方ではどんよりとした梅雨空が広がっている、という風景を描写した作品であり、皆さんも容易にその状況が想像できるかとおもいます。

良いことの兆しが見えたようでも、見方を変えると暗い部分もある、という例えにも使われるそうですよ。

滝の上に 水現れて 落ちにけり

滝の上に 水現れて 落ちにけり

後藤夜半は明治から昭和にかけて活躍した大阪生まれの俳人で、喜多流の能楽師で人間国宝の後藤得三、喜多流十五世宗家の喜多実の兄としても有名です。

水はひとところに留まるものではなく、常に流れているものです。

滝の始まりから水がどんどんと現れては落ちていき、下の滝つぼにもたくさんの水があって、流れています。

ずっと見ていると、同じ光景に見えるけれども、流れているその水は、先ほど見た水ではありません。

それでも滝は流れ続けています。

という、変わり続けながらそこに存在する滝を表現しています。

見方を変えることで、考えされられる内容になっていますね。

紫陽花に 雫あつめて 朝日かな

紫陽花に 雫あつめて 朝日かな

加賀千代女は1703年に現在の石川県白山市辺りに生まれ、幼いころから俳諧に親しみ、湊町本吉などの俳人たちまだんでいたと伝えられています。

この句は、雨上がりの朝、庭に紫や青などの紫陽花が咲いている。

朝日が差し込み、しずくがついている紫陽花が太陽の光を受けて、キラキラと輝いていてとても美しい、という意味です。

現在のように娯楽が多くはない時代であっても、当時の人は自然の調和がもたらす美しさを感じ、楽しみ、表現するといった、すてきな感性があったのかもしれませんね。

葉ざくらの ひと木淋しや 堂の前

葉ざくらの ひと木淋しや 堂の前

炭太祇は江戸時代中期の俳人です。

京都島原の遊郭内にて不夜庵を作り、遊女に俳諧や手習いの教授をおこない、花街の活性化に務めました。

後に盟友であった与謝蕪村と三菓社結成に参加しています。

この句で詠まれている葉桜は夏の季語であり、堂の前に咲いていた桜の木の花が散り、葉ざくらになってしまったという惜しむ思いが込められています。

しかし、かれんな花びらが落ちた後は寂しく見えても、青々とした葉の爽やかさや力強さが感じられるという側面もあります。

日本人の桜を思う気持ちはやはり特別なのかもしれませんね。

さじなめて 童たのしも 夏氷

さじなめて 童たのしも 夏氷

夏の暑い時期には冷たいものが食べたくなるもので、かき氷などもその冷たい食べ物の定番かと思います。

そんなかき氷を食べている子供の姿を見て、ほほえましく感じている様子を描いた、山口誓子さんによる俳句です。

ひとさじごとにスプーンをなめている姿が描かれていて、ここからもかき氷の楽しさも伝わってきますよね。

見たものをストレートに読んだものということで、それぞれの言葉から情景がイメージしやすいところもポイントですよ。

【高齢者向け】夏の俳句。夏を感じるアイディア(41〜50)

五月雨を 集めてはやし 最上川

五月雨を 集めてはやし 最上川

夏のはじまりともいえる5月あたりは、雨も徐々に強くなってくるようなイメージで、その雨によって環境も変化していきますよね。

そんな5月の雨と、それが流れ着いた先の最上川の変化についてを描いた、松尾芭蕉による俳句です。

雨が降れば川に流れこむ水の量も増えていくもので、そうなることで流れも速くなっていくのだと表現しています。

流れが強くなった原因も語りつつ、雨を集めたような強いものだと、流れの強さについても描いている内容です。

入る月の 跡は机の 四隅哉

入る月の 跡は机の 四隅哉

自分の身内が亡くなる、普通なら悲しくて何も手に付かないと思います。

ですが、芭蕉さんは故人をしのびいくつもの句を残しているんですよね。

この俳句は芭蕉さん50歳、亡くなった父への追悼として詠んだ有名な一句。

父東順も俳人として有名で「しらぬ人と物いひて見る紅葉哉」は代表句の1つです。

父は亡くなってしまったが父が愛用していた机は遺されている。

月が優しく机を照らすがそこにはもう父はいない、寂しさを寂しさとして詠まないところにも俳を感じます。